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静かなるドン 黎明篇

  • しずかなるどんれいめいへん
  • Quiet Flows the Don
  • ----


  • 平均評点

    42.0点(1人)

  • 観たひと

    4

  • 観たいひと

    1

  • レビューの数

    1

基本情報

ジャンル ドラマ
製作国 ソ連
製作年 1958
公開年月日 1958/8/9
上映時間
製作会社 モスクワ・ゴーリキー・スタジオ
配給 松竹
レイティング
アスペクト比
カラー/サイズ カラー
メディアタイプ
音声
上映フォーマット

スタッフ

キャスト

解説

ソヴェト文学に高位を占めるミハイル・ショーロホフの大長編小説の映画化。この原作は一九二八年、作者二十一歳の時から筆をおこされ、人間的成長とともに書き進められて、十余年後に完成された。ドン河流域のコサックの民族叙事詩のなかに、社会主義の時代における個人主義の悲劇が追求され、現実の多面性が、大河小説の流れのうちにとらえられる。脚色と監督は「若き親衛隊」のセルゲイ・ゲラシーモフ、撮影はウラジミール・ラポポルト。音楽はユーリー・レヴィティンである。原作の舞台となっているウクライナの小村に、コサックの集落が復元され、五カ月にわたる大々的現地撮影が行われ、スタジオや、レニングラードでの革命のシーンにも、周到な準備と日数が費やされている。出演者は「汽車は東へ行く」のピョートル・グレボフ、未輸入「未完成の物語」のエリナ・ビストリスカヤ、ジナイーダ・キリエンコ、ダニロ・イルチェンコ、ニコライ・スミルノフ等。考証にN・オフリコフスキーとS・クジノフが当っている。

あらすじ

静かなドン河の流れに朝日のさす頃、タタルスキー・コサックの村は野営に行く兵士達を送る妻や家族達の声、馬のいななきで騒がしかった。老兵パンテレイ・メレコフ(ダニロ・イルチェンコ)も息子ピョートルを見送った。彼の下の息子グリゴーリー(ピョートル・グレボフ)は、美貌で我侭な性格の男だが、近所の出征したコサック兵の妻アクシーニヤ(エリナ・ビストリスカヤ)に横恋慕していた。乾草作りが始まって村中が総出で草原に出るある日、アクシーニヤはグリゴーリーに身を任せた。二人の噂は村にひろがり、やがて帰ってきた夫のステファンは、アクシーニヤを痛めつけた。事を無事におさめようとした老パンテレイはナターリヤ(ジナイーダ・キリエンコ)という、気立のいい娘を息子の嫁にした。しかし、少女のようなナターリヤを、グリゴーリーは愛さなかった。父から責められ、グリゴーリーはアクシーニヤといっしょに村を出て、コサック軍の将軍リストニツキーの邸に住みこんだ。傷心のナターリヤは大鎌で自殺を企て、一命はとりとめたが、首すじに消えない傷跡を残した。アクシーニヤが女の子を生んで間もなく、第一次大戦が起ってグリゴーリーは出征し、オーストリヤ兵と戦った。勇敢なコサックとして戦って邸にかえった彼を待っていたのは、赤児の死と、アクシーニヤが将軍の息子で、士官のエフゲーニーと通じているという事実だった。遠乗りにエフゲーニーをつれ出し、鞭で彼をたたきのめしたグリゴーリーは、ドンのほとりの故郷の村の、ナターリヤの所にかえった。それから三年、大戦の戦火は止どまるところをしらず、コサックは再び動員を受けた。三年の間、ロシヤ全土を包んだ戦火は、そこに生活する総ての人間を社会変動の波にまきこんだ。グリゴーリーは、いまや胸に勲章を飾りながら、戦いというものの意味について考える古参兵だった。コサックの士官ブンチェクは革命の到来を予言した。泥濘と寒気の戦場の中で、ドイツ軍は毒ガスを使い、コサックは敗走した。故郷の妻ナターリヤが双児を生んだのは丁度この頃だった。そして、ロシヤ帝制政治のくつがえる日がきた。ケレンスキー仮政府が政権を樹立したが、民衆と軍隊はまだ不満を持っていた。内戦の勃発。コサック達は、代表者大会を開いて、彼等の去就を決しようとした。グリゴーリーはボルシェヴィキ派に身を投じていた。大会はコサック軍事革命委員会を設立し、ボルシェヴィキ派のボッチョールコフ以下の対策委員を、白軍のカレディン将軍のもとに送ったが、彼等は捕虜の如き待遇をうけた。白軍との間に戦いが起り、コサックは白軍を撃退した。白軍の隊長はボッチョールコフに殺された。仲間同士が血で血を洗う争いを目のあたりにしたグリゴーリーは、ボルシェヴィキの戦列から離れ、懐疑にとらえられて故郷にかえった。家族は歓びの声をあげて彼を迎えた。勢いを盛りかえしたドン地方の白軍コサックは動員を開始した。グリゴーリーは白軍将校として逃亡コサック検束に当った。ボッチョールコフ以下の軍事委員が、逮捕されて村の広場で次々と処刑された。同胞が、同胞の手にかかって殺されていく凄惨な光景。二つの陣営の対立する異常な時代のまっただ中にある自分達を、コサックたちは今更ながらひしひしと感じていた。

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