一九四四年九月末、爆撃と戦火で廃墟化したワルシャワの街。過去数年つづけられてきたパルチザン部隊による地下運動も悲惨な最終段階に達した。ザドラの率いるパルチザン中隊もドイツ軍に囲まれ、もはや死を待つばかり。そこで彼らは地下水道を通り市の中央部に出て再び活動をつづけることにした。夜になって隊員は地下水道に入った。中は広いが汚水が五十センチから一メートル半にも達している地下水道は暗黒と悪臭の無気味な世界である。隊員はやがて離ればなれになり、ある者は発狂し、またある者は耐え切れずマンホールから表に出てはドイツ軍に発見され射殺された。地下水道へ入る日、負傷したコラブ(タデウシュ・ヤンチャル)と、彼を助けて道案内してきたデイジー(テレサ・イゼウスカ)の二人も、やっと出口を見つけたと思ったのも、そこは河へ注ぐ通路と知って、落胆の余りその場に坐りこんでしまった。そのころ、先を行くザドラと二人の隊員は遂に目的の出口を見つけた。が出口には頑丈な鉄柵が張られ、爆薬が仕かけられていた。一人の隊員の犠牲で爆薬が破裂、出口は開かれた。ザドラと残った一人の従兵は地上へ出た。がこのときザドラは他の隊員がついてこないのを不審に思い、従兵に尋ねた。従兵はザドラが隊員を連れてくるようにとの命に背き、彼らは後から来ると嘘を言い、自分だけが助かりたいばかりにザドラについてきたのだ。これを知ったザドラは従兵を射殺。そして彼はこの安全な出ロまで地下水道をさまよう隊員を導くため再びマンホールに身をひそませた。