一九四五年三月、後退する東部戦線によってごったがえす小さな駅。西部への最後の列車に乗ろうと、各地から人々が集った。その中で、疎開児童につきそうアスムッセン(ヒルデ・クラール)は夫を戦争で失い、昨夜一人の息子を戦線に送った。もう一人の先生ベルクマン(テレーズ・ギーゼ)も二人の子供が出征した淋しい身で、これに女医、若い裁縫師とその弟が一団に加わった。彼女たちはベルクマンに率いられ、前戦の司令部に出頭し、児童の安全を守るため将軍(エヴァルト・バルザー)に自分たちの出征している息子を返してくれと懇願する。だが、息子たちの属する第二大隊は前線で連絡もとれない。意を決したベルクマンたちは、危険を犯して前線に行き、大隊長(ベルンハルト・ヴィッキ)に会って息子たちと面会することができた。だが若者は誰一人帰ろうとしない。戦争はすでに敗北し、彼らは絶望しているのだ。アスムッセンは隊長を説得し、冷い命令よりもむしろ人間的な決断を求めるうち、二人の間には愛情がめばえた。だが激しい攻撃の関始--。若者たちははじめて戦争の恐怖を知ったが、陣地はすでに包囲されている。後退の命令はなかったが、意を決した隊長は、彼女と息子たちをつれて、包囲を突破、撤退した。将軍は隊長の誠意を理解したが、軍人としての義務から、隊長を拘禁しようとする。だが、再びはじまった敵の攻撃に、将軍は隊長と息子たちの一隊に前進命令を下す。死地へ行く男達を見ながら、母親達には戦争への怒りが燃え上る。