40年6月、フランスはヒットラーのドイツ軍に敗れ、休戦条約が成立した。ある捕虜収容所に抑留された五人のフランス兵たち--伍長(ジャン・ピエール・カッセル)、バロシェ(クロード・リッシュ)、エミール(ジャン・カルメ)、カルーソ(マリオ・ダヴィッド)、電気屋(フィリップ・カステリ)、そして伍長の腰巾着パテル(クロード・ブラッスール)。彼らは使役のかたわら、秘かに脱走を計画し、ひとつ失敗しては、また別の方法で脱走を試みていた。しかし何度も挫折を重ねるうちに、次第に兵士たちはバラバラになってゆく。パテルは落伍し、パンシャゴーシュ(ジャック・ジュアノー)が加わったりする中で、歯痛がひどくなった伍長は、歯医者でそこの娘エリカ(コーイ・フォベース)と出会い、やがて二人は愛しあうようになる。そのことが原因で、再び脱出の情熱がもりあがってきた伍長は、バロシェの死でショックを受けた矢先、パテルと再び組んで六回目の脱走を試みる。エリカの助けもあり、何とか輸送列事に忍び込むことに成功した二人は、爆撃の危険にあいながらもパリに着き、本物の自由に向って、二人はそれぞれの道を歩き出すのだった。