ある村の古代円形劇場で掃除夫ベッポ(レオポルド・トリエステ)に発見され、村に住むことになったモモ(ラドスト・ボーケル)は、あふれる勇気と優しさで日ごとに村の人々になくてはならない存在になっていった。しかしその村の安らかで実りの多い生活も、時間泥棒たちの出現で急変し、大人たちは次第に「お金と機能」本位の生活に塗り込められるようになる。やがて時間泥棒の秘密を知ったモモは、彼らに戦いを挑むが、村の人々は誰ひとり彼女に振り向く者はいなかった。そんなモモの唯一の味方はカシオペアという名の一匹のカメだった。彼の導きでついに時をつかさどるマイスター・ホラ(ジョン・ヒューストン)のもとにたどりついたモモは、彼のもとで「生きること」の喜びと、「時間」の大切さをしっかり認識するのだった。そしてモモは、孤独な生活を強いられている村の人々を助けるために時を止め、時間泥棒に戦いを挑み、彼らの金庫に収めてある〈時間の花〉を開放することで、人々の時間を取り戻すのだった。