シカゴの建築家ストーリィ・クラックライト(ブライアン・デネヒー)は、敬愛する18世紀の仏人建築家エチアンヌ・ルイ・ブーレの展覧会監修のため、妻ルイザ(クロエ・ウェブ)とともにローマにやって来た。しかし彼を歓迎するローマ建築家の権威イオ・スペックラー(セルジオ・ファントーニ)一家による誕生日パーティーの席では自信に満ちていたクラックライトの心には、次第に不安の影が芽生え始めるのだった。その始まりは突然の腹痛で、ローマ到着以来妻とイオの息子である建築家カスペジアン(ランベール・ウィルソン)との仲を疑っていた彼にとって、カスペジアンが語っていた妻に毒殺されたアウグストゥス皇帝の話が頭から離れない。彼は混乱する今の心情を亡きブーレにあて手紙を書き綴り始めるのだった。やがて妻の妊娠を知らせ喜びを取り戻すクラックライトだったが、展覧会監修の実権は次第に彼からカスペジアンへと移りつつあった。折しも妻とカスペジアンとの情事の現場を目撃してしまい、うちひしがれる彼をイオの娘で写真家のフラヴィア(ステファニア・カッシーニ)が優しく抱き寄せるが、その現場をカスペジアンに目撃されてしまう。クラックライトは不足する展覧会の資金調達のために帰米を決意するが、妻に捨てられ、イオからは展覧会の仕事のクビを知らされる。さらに医師から不治の病いにかかり余命いくばくもないことを告げられた彼は、ブーレへの最後の手紙を書き、パルテノン広場で暴れ、ついに展覧会のオープニングの日に会場の窓から身を投げた。リボンにハサミを入れようとしたルイザが倒れ、今まさに赤ん坊が生ぶ声をあげようとしているその時に……。