駆逐艦「復讐号」がブレスト港に入港する頃、波止場の城壁の上にある淫売宿「ラ・フェリア」の女主人リジアヌ(ジャンヌ・モロー)は情夫ロベール(ハンノ・ペッシュル)に、あなたそっくりの弟が訪れると予言する。水夫達の逞しい肉体を見つめる上官セブロン(フランコ・ネロ)は、中でも殊に美しいケレル(ブラッド・デイヴィス)への思いを密かにカセットに録音して自分を慰めていた。上陸したケレルは「ラ・フェリア」で兄ロベールに会い、町の警部マリオ(ブルクハルト・ドリースト)と組んでこの町の闇を支配しているリジアヌの夫でこの宿の主人でもあるノノ(ギュンター・カウフマン)の協力で仲間の水夫ヴィック(ディーター・シドール)と組み麻薬の密輸を成功させるが、彼は口封じの為ヴィックを殺す。宿の常連でもある労働者ジル(H・ペッシュル=二役)は、ポーレットと彼女の弟ローガー(ローラン・マレ)との愛にさまよっていたが、仲間の一人から顔に泥を塗られた、と喧嘩し相手を殺してしまう。一方、トランプの勝負にわざと負け、ノノにそしてマリオに犯されることを選んだケレルは、次第に“悪”の地獄の悦楽と暴力に目覚め、ナルシストのため、彼の虜となったリジアヌには手も触れようとしない。またケレルは、ジルの逃亡を助けると見せかけ警察に密告する。セブロンは全ての犯罪の種がケレルにあることを知りつつも、彼が警察に逮捕されるのを未然に防いでやる。そして自分そっくりの兄ロベール殺しを妨害されたケレルは、ジルにつけひげさせ兄そっくりにさせてヴィック殺しの犯人に仕立てあげようとするのだった…。こうしてすべては沈まぬ夕陽に照らされたまま、ケレルとセブロンを乗せた艦は錨をあげる。