アレックス(ドニ・ラヴァン)は失恋したばかり。恋人フロランス(アンナ・バルダチーニ)は親友のトマ(クリスチャン・クロアレック)のもとに去った。アレックスは壁の絵の裏の「自分史」に新たに書き入れる。「最初の殺人未遂、83年5月25日。グロ・カユーの河岸にて」。一方、ミレーユ(ミレーユ・ペリエ)も恋人ベルナール(エリー・ポワカール)と喧嘩別れした。外に出たベルナールがインターフォンで中のミレーユと話すのを聞きとめたアレックスは、ベルナールの後をつけてカフェで彼のメモを拾う。ミレーユとベルナールにあてたパーティへの誘いだった。アレックスはそのパーティにベルナールの友人と称して入り込み、ミレーヌの姿を追う。すでに彼は彼女に恋してる。キッチンで出会った二人は、とりとめなく話し続ける。ミレーユのアパート。ドアから水がもれている。部屋の中に飛び込んだアレックスが床にうずくまったミレーユの背中を抱きかかえたとたん、ミレーユのセーターの胸に赤いシミが拡がる。ミレーユはその手にハサミを持っていたのだ。