古き良きアメリカ。キャプテン(アラン・アーキン)は、かつてのヒーロー。アル・カポネの暗黒時代にはマフィアを退治し、第一次大戦ではナチス・ドイツの戦闘機を叩き落とし、人々に輝きと希望と明日への夢を与えたヒーローだ。しかし時が流れ、逆らえぬ時勢の流れからキャプテンは失脚。栄光の姿も今は昔の思い出と化してしまった。その行方を知る人もいない。そして現在。ここニューヨーク。この大都会では秩序が乱れた地下の巣窟では暗黒の帝王ミスター・ミッドナイト(クリストファー・リー)が密かに世界征服をもくろんでいた。ミッドナイトはまず、国防省が極秘に開発した、民衆の精神構造を思いのままに変えてしまうという“催眠光線銃”を盗み出し、その極秘兵器を思いのまま操ろうとしていた。その邪悪な魔手に何も術もないアメリカ大統領。彼はふと、幼い頃憧れていた“キャプテン”のことを思い出した。一方、オーストラリア。アル中とおぼしき中年男がひとり。今日も酒瓶片手にクダを巻いている。この人物こそかつてのヒーロー、キャプテン。ところがひょんなことから大統領と再会。キャプテンは再びヒーローにカムバックすることになった。が、昔の活躍ぶりは早々には再開できるものではない。大空を自由に飛行した“イントゥ・ザ・ブルー”も、素晴らしいパワーを発揮した“マグネット・オン”もコンピュータを凌駕した“ビギン・ザ・プログラム”も、今では超能力を失ったキャプテンにはどうにもコントロールできない。ミッドナイトの魔の手はその間にも刻一刻と伸びていた。急がなくてはならないキャプテンのリハビリテーション。徐々にパワーを取り戻した彼は、40年間の宿敵ミッドナイトを、苦戦の末、やっと滅ぼすのだった。