レ・アールのフォーラムを思わせる地下ブティック街。ジャンヌ(デルフィーヌ・セイリグ)とシュワルツ(シャルル・デネール)夫妻が経営する高級ブティックとリリ(ファニー・コタンソン)経営の美容室が大階段をはさんで並び、向いのシルヴィ(ミリアム・ボワイエ)が経営するカフェに常連客が集まる。ジャンヌとシュワルツ氏の息子ロベール(ニコラ・トロン)は、リリを思っているが、リリは、家主のギャング、ムッシュ・ジャン(ジャン・フランソワ・バルメール)にも思われ、ジャンはリリを独占したいと思っている。そして、美容院で働くマド(リオ)はロベールに夢中。そんなころ、ジャンヌのもとに30年前の恋人、アメリカ人のイーライ(ジョン・ベリー)が現われ、ジャンヌの心は動揺する。自分の恋しか目に入らないジャンヌだが、ロベールを愛するマドの悩みを聞き、「恋はどうにもならない」となぐさめる。やがて、リリの愛を得られないロベールが、一時の思いつきで、マドとの結婚を決意し、マドは幸福感に満たされる。翌日、イーライとジャンヌが再会。一方、リリに恋するジャンは、リリとロベールのことが気になり、美容室を破壊。ジャンヌはイーライの求婚を断り、イーライはリリと遠くへ行ってしまう。それから3ヵ月。ロベールとマドの結婚式を明日にひかえた日、ロベールのもとにリリが戻る。本当に愛していたのはあなただというリリ。ロベールは彼女を抱きよせる。そんな二人の姿を見てしまったマドは悲しみのうちにロベールを諦める決心をする。マドをなぐさめるジャンヌ。やがて、また、平静な日々が戻ってくる。