1909年、ケンブリッジ大学。キングス・カレッジの寮生モーリス(ジェームズ・ウィルビー)は、同期生で優等生のリズリー(マーク・タンディ)と討論を交わすために訪れたトリニティ・カレッジで、討論のメンバーであるクライヴ・ダーラム(ヒュー・グラント)と出会った。彼は、知性に満ち、ギリシャの古典的理想主義と同性愛の信奉者で、夏のある日、モーリスに愛を告白した。しばらく後、クライヴの別荘、ペンダースレイ・パークで過ごしたモーリスは、そこに集う優雅な人々に魅了されると同時に、2人の親密さは増していった。1911年、学校を卒業した2人は、それぞれ違う道へ進んだ。モーリスは株の仲買人に、クライヴは法廷弁護人として働いていた。そんな矢先、優等生だったリズリーが同性愛者として風紀罪で逮捕され、自ら同性愛者であることに後ろめたさを感じたクライヴは、ひとりギリシャへ旅立った。そこで、母から勧められた女性(ジュディ・パーフィット)との結婚を決心するクライヴ。クライヴの愛を失ったモーリスは、絶望の底におとされるが、クライヴに招かれ訪れた別荘で、政治家への野心に満ちた彼の姿を見て、もはや何の愛も感じなくなっている自分に気づいた。その別荘で、彼は、ダーはラム家の猟番の若者アレック(ルパート・グレイヴス)から愛情を注がれる。身分違いからの脅迫を恐れたモーリスは、はじめはその愛を拒むが、やがて深く愛し合うようになる。アレックが、家族と共に海外へ移住するために船に乗り込む日、モーリスは見送りに行くがアレックは姿を見せなかった。ペンダースレイを訪れたモーリスは、クライヴの偽善的な生き方を彼に向かって批難した後、ポートハウスに向かった。そこではアレックがモーリスを待っているのだった。