丘の上の小さな村ピンチクリフに、気のいい自動車修理屋のセオドル・リムスポークが住んでいた。セオドルは、ただの修理屋ではなく自動水くみ機や製作機などの発明家としてもみんなに親しまれていた。ある日、セオドルの助手のアヒルのサニーが近く開かれるグランプリ・レースにルドルフが“ブーメラン・ラピド号”というスーパーカーで出場するというニュースをもってくる。ルドルフは昔セオドルの助手として働いていたが、セオドルの発明を横どりしてある日突然出ていった男だった。今度のスーパーカーもセオドルの設計を盗んで作ったものだった。お金のないセオドルは助手のサニーらの活躍でスポンサーを得ることができ、“イル・テンポ・ジガンテ号”というスーパーカーを作りグランプリに出場することになる。レースの日、世界一流のレーサーたちが集まり続々とスタートした。ピンチクリフ村の人々がかたずをのむ中、数々の障害をこえて“イル・テンポ・ジガンテ”号が勝利を獲得するのだった。