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ナポレオン(1927/1981年修復版)

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  • 平均評点

    70.4点(26人)

  • 観たひと

    49

  • 観たいひと

    19

  • レビューの数

    5

基本情報

ジャンル 伝記
製作国 フランス
製作年 1927
公開年月日 未公開
上映時間 240分
製作会社 ソシエテ・ジェネラル・ド・フィルム
配給 フジテレビ=ヘラルド・エース
レイティング 一般映画
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
カラー/サイズ モノクロ/スタンダード
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビー
上映フォーマット 35mm

スタッフ

キャスト

解説

「鉄路の白薔薇」(23)などで知られるフランスの巨匠アベル・ガンスが一九二七年に製作したサイレント超大作。当初ガンスはこの作品を第一部としてナポレオンの全生涯を描こうという厖大なプランを持っていたが、トーキーの出現、製作・上映に要する莫大な資金などの問題があり、この一作にとどまった。しかし、この作品は世界中で悲運に見舞われ、アメリカではMGMによって80分に短縮されて公開され、日本では昭和7年10月に東京・万世橋シネマ・パレスで17.5ミリ版によってひっそりと公開されるというありさまだった。こうして伝説の彼方に埋もれたこの作品に対して、世界中の映画人、映画研究家が再生を望み、現在、それらの人々の手によって再生された「ナポレオン」は数多くあるといわれている。そのうちのケヴィン・ブラウンロー版の「ナポレオン」を見たフランシス・コッポラが、クロード・ルルーシュから配給権を買いとり、自ら率いるゾエトロープ・スタジオで配給、父カーマイン・コッポラに作曲とフルオーケストラの指揮を依頼し、1981年、ニューヨークのラジオ・シティ・ミュージック・ホールで公開した。この時から全世界に「ナポレオン」ブームが広がり、今回、日本で公開されたのも、このコッポラ版である。特に後半20分間の《トリプル・エクラン》はシネラマを先取りしたものとして話題を呼んた。スタッフは、監督・脚本のアベル・ガンスほか、撮影はジュール・クリュージェ、J・マンドヴィレ、レオンス・H・ビュレル、ロジェ・ユベール、美術はアレクサンドル・ブノワ、シルドクネヒト、ジャクティーが担当。出演は、ナポレオンにアルベール・デュードネが扮するほか、共演はジナ・マネス、アレクサンドル・クービッキー、劇作家アントナン・アルトー、アベル・ガンス自身もサン・ジュストに扮している。なお、日本公開版はコッポラの他、黒澤明が監修に当たっている。日本版字幕は戸田奈津子。白黒、スタンダード(一部、トリプル・エクラン)。

あらすじ

〈第一部〉フランスのブリエンヌ兵学校では、折しも雪合戦が行なわれていた。激しい雪の弾丸が交わされるその中で、勇敢に皆の指揮をとり、率先して敵陣へ攻め込む少年がいた。これがナポレオン・ボナパルト(ウラジミール・ルーデンコ)。彼はどこか変わったところのある少年で、いつも仲間からつまはじきにされていた。唯一の友は彼の飼っている鷲で、それは、あたかも彼の未来を暗示するような雄々しさを備えた鳥だった。時は経ち、一七八九年。パリで始まったフランス革命はヨーロッパ中に嵐を巻き起こし、国民議会はモンターニュ派のロベスピエール(E・ヴァン・ダエル)、ダントン(アレクサンドル・クービッキー)、マラー(アントナン・アルトー)がリードしていた。そして、国歌「ラ・マルセイエーズ」が誕生。その頃、青年ナポレオン(アルベール・デュードネ)は、複雑な政治情勢で動揺する故郷コルシカへ帰ったが、コルシカ独立をとなえる彼を快く思わない反対派の反撃を避けるため、肉親との再会も束の間、暴風雨の海に小舟を出して脱出する。無事、フランス本土に着いたナポレオンに、トゥーロン要塞派遣の命が下された。自ら希望し連隊長となったナポレオンは、見事、イギリス軍からトゥーロン港を奪回。時に一七九三年、ナポレオンは26歳になっていた。 〈第二部〉ナポレオンがトゥーロンから帰還した頃、パリは恐怖政治がピークを迎えていた。マラーは暗殺され、ダントンもギロチンの犠牲となっていた。ナポレオンもロベスピエールたちの命に反した科で、短期間投獄された。しかし、テルミドール(一七九四年七月)の反動で、ロベスピエール、サン・ジュスト(アベル・ガンス)らは断頭台へ送られ、恐怖政治の時代は去った。そして十月(ヴァンデミール)。王党派の武力攻撃に対して、国民公会の指導者バラスはナポレオンに鎮圧を命じ、彼はそれをなしとげ、内部軍司令官の位置につく。恐怖政治の去ったあとのパリでは、連夜、華やかな舞踏会が開かれ、ナポレオンは以前出会い心魅かれていたジョゼフィーヌ(ジナ・マネス)に再会。たちまち恋に落ちたナポレオンの熱烈な求愛を、彼女も受け入れ、二人は結ばれた。一七九六年、イタリア遠征軍司令官に任命されたナポレオンは、パリを発つ前に、休会中の議会堂を訪れる。その彼の前に、今は亡き革命の指導者たちの幻があらわれ、ナポレオンは彼らの意志を推しすすめ、革命をまっとうさせることこそ自分の使命であることを確認する。やがて、アルプスに向ったナポレオンは、飢え疲れた兵士たちに勝利の夢を語り、精神を鼓舞し、イタリアヘの進軍を開始させた。

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