19世紀末のロシア。夏たけなわのある田園地帯。ヴァイニーツェフ将軍の未亡人アンナ(アントニーナ・シュラーノワ)の館に、近隣の地主(オレーグ・タバコフ)退役大佐、その息子、妻を連れた小学校教師プラトーノフ(アレクサンドル・カリャーギン)らが、将軍の先妻の息子セルゲイ(ユーリー・ボガトィリョフ)の新妻ソフィア(エレーナ・ソロヴェイ)に会うために久方ぶりに寄り集っている。アンナは、早速皆を前にして高価な自動ピアノを披露する。しかし、当のソフィアこそ、実はプラトーノフの初恋の女性だった。静かな生活を送っていたプラトーノフは、思いがけないソフィアとの再会で動揺する。やがて、夜となく昼となく、何の目的もない彼らの乱痴気騒ぎが繰り広げられる。遂に、そんな雰囲気の中でプラトーノフとソフィアが水辺で抱きあってしまった。二人の仲は、やがて人々の好奇の目を集め、たちまちスキャンダラスな騒ぎとなった。自らを責めながら、どうすることもできないプラトーノフは、意を決して川の中に飛び込んだ。彼の不在に気がついた人びとが寝着のまま川辺に駆けつけると、川が浅すぎて死ぬことができなかったプラトーノフを、妻サーシャ(エウゲーニャ・クルシェンコ)が抱きしめているのであった。