現代のパリ。高校生のノルベール(マルク・エルネスト・フルノー)は、父親にお金をもらおうとして断られ、借金を返せなくなり、クラスメートのマルシアル(ブリューノ・ラペール)に相談。彼はノルベールに一枚の500フラン札を渡すがそれはニセ札で、写真機店で安い額縁を買い女主人(ベアトリス・タブーラン)からツリを貰う。後にニセ札だと気づいた主人(ディディエ・ボーシイ)は妻をなじったが、ガソリンの集金に来た若い店員イヴォン(クリスチャン・パティ)に黙って支払った。それをカフェの昼食代に使おうとしたイヴォンは、カフェの店主と争って警察に通告された。イヴォンは刑事とともに写真機店に行き、潔白を証明しようとするが、主人はイヴォンの顔に見おぼえがないという。幼い娘と妻エリーズ(カロリーヌ・ラング)がいながら、獄中につながれるイヴォンは、店の若い店員リュシアン(ヴァンサン・リステルッチ)の偽証で、有罪になってしまう。リュシアンに金で感謝する店主。執行猶予となり失職したイヴォンは、銀行強盗に加わり再び逮捕され、3年の宣告で獄に入れられてしまう。出獄したら出直すと語るイヴォンにエリーズは黙って去ってゆく。一方、リュシアンは写真機店をはじめ次々と強盗を重ねていた。エリーズからの手紙で娘の病死を知るイヴォン。妻も去り自殺を計るイヴォン。そのころリュシアンが逮捕されイヴォンと同じ刑務所に入ってくるが、やがて脱獄する。刑務所を出たイヴォンは、世の中に復讐を誓い、夜泊ったホテルの主人と妻を殺し金を奪った。町でふと目のあった老婦人(シルヴィー・ヴァン・デン・エルセン)の後をつけ、婦人の世話をうけるイヴォン。殺人を告白するイヴォンに驚きの表情一つ見せない婦人。彼女は家族の面倒を一手に引き受け一人で働いている。夜、一家を次々に惨殺したイヴォンは、斧を手に婦人の室に入った。「金はどこに?」--斧がふりあげられる。彼はカフェに居あわせた警察官達にホテルの殺人と今までの犯行を自白するのだった。