映画監督ニコロ(トマス・ミリアン)は、妻と別れ、一人、ローマにやって来た。彼は自分が作る映画のことを考えながら、空想の世界と現実生活をいつも混同してしまっている。今、彼は一人の女性を探していた。彼の映画の中のキャラクターだ。彼女を中心に映画を作ろうとしているのだ。アパルトマンの部屋の壁に貼られた写真からイメージを見つけようとするが、いっこうに見つからない。実生活では、彼は貴族出のマーヴィ(ダニエラ・シルヴェリオ)という美しい女性と愛し合っている。しかし、マーヴィには何か事情があるらしく、彼女とつき合っているうちに、ニコロの周囲に、いやがらせが続いて起こる。マーヴィは説明もなく彼のもとを去ってしまう。やがてニコロは、もう一人の女イダ(クリスティーヌ・ボワッソン)と知り合う。彼女は、プチブルの出身で、前衛風演劇の役者をしている。何事にも束縛されようとしない彼女はローマ郊外の家で自由を楽しんでいる。ニコロはイダとヴェネチア旅行に出た。旅先のホテルでイダは妊娠していることを告げて去ってしまった。ローマに帰ったニコロは、結局二人の女を失っている自分を知った。彼の想像力は次第に夢のように広がってゆき、頭の中で描く映像はSF的になっていった。