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孤独な場所で

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  • 平均評点

    69.9点(85人)

  • 観たひと

    127

  • 観たいひと

    9

  • レビューの数

    20

基本情報

ジャンル サスペンス・ミステリー / ラブロマンス
製作国 アメリカ
製作年 1950
公開年月日 1996/5/18
上映時間 94分
製作会社 サンタナ・プロ
配給 日本ヘラルド映画
レイティング 一般映画
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
カラー/サイズ モノクロ/スタンダード
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル
上映フォーマット 35mm

スタッフ

キャスト

解説

ハリウッドで起きた殺人事件を背景に、才能は天才的だが抑えきれない暴力的な衝動に苦悩する脚本家と元女優の若い女の破滅へと向かう壮絶な愛を描く、サイコ・サスペンスにして悲痛なる恋愛映画。「理由なき反抗」「大砂塵」などで戦後アメリカ映画に登場したもっとも重要な映画作家のひとり、ニコラス・レイの長編第5作で、彼の初期の傑作として特に高い。ハンフリー・ボガートがワーナーから飛びだしてコロンビア傘下に設立した独立プロ、サンタナ・プロの製作で、レイは同社の第1回作品「暗黒への転落」を演出している。製作はボガートのパートナーのロバート・ロード。原作はドロシー・B・ヒューズのサイコ・サスペンス小説で主人公が実は連続殺人鬼という設定だが、状況設定を除けば映画は原作とはかなりかけはなれている。脚本はエドマンド・H・ノースの脚色をもとにアンドリュー・ソルトが執筆したが、実際にはレイが撮影と平行してほとんどを書き直している。撮影はバーネット・ガフィ、美術はロバート・ピーターソン、編集はヴァイオラ・ローレンス、音楽はフランス人のジョルジュ・アントゥイユ(ジョージ・アンシール)で、いずれも「暗黒への転落」と同じスタッフ。主演は「カサブランカ」「脱出」「黄金」などのハンフリー・ボガート、「復讐は俺に任せろ」などのグロリア・グレアム。グレアムはレイの監督第2作『A Woman's Secret』に出演した折りに妊娠し、レイの二度目の妻となったが、本作の撮影中に離婚。このことから本作は二人の私生活を多分に反映しているとも言われる。ちなみにグレアムは、以後フリッツ・ラング監督の「復讐は俺に任せろ」などに主演し、またレイと最初の妻ジーン・エヴァンズの長男アンソニー・レイ (「アメリカの影」に主演) と結婚した。共演はレイと同じ30年代ニューヨークの左翼演劇運動の出身である「忘れじの面影」のアート・スミス、「サリヴァンの旅」などのロバート・ワーウィック。ちなみに真犯人の名がヘンリー・ケスラーというのは、共同製作者のヘンリー・S・ケスラーの名前を借用した楽屋オチである。

あらすじ

脚本家のディクソン(ハンフリー・ボガート)はエージェントのメル(アート・スミス)から小説の映画化を引き受けたものの、原作を読む気になれず、その本を読んだクローク係のミルドレッド(マーサ・スチュアート)を自宅に連れ帰って内容を話してもらう。あまりに下らないメロドラマにうんざりした彼は、彼女に金を渡して悪いがタクシーに乗ってくれと言って帰す。翌日の早朝、第二次大戦で彼の部下だった刑事のニコライ(フランク・ラヴジョイ)が尋ねてきた。ミルドレッドが前夜何者かに殺されたのだ。警察でアリバイを聞かれたディクソンは、向かいの部屋に住む女のことを思いだした。彼女はローレル(グロリア・グレアム)という名で、前夜ミルドレッドが確かに一人で帰ったことを証言した。ディクソンとローレルはまもなく恋仲になる。彼は脚本に没頭し、彼女は彼のために脚本のタイプし、身の回りの世話をする。だが警察はディクソンへの容疑を強め、再びローレルを呼び出す。彼女は毅然として無視したが、ニコライ夫妻の家に招ばれた時にニコライの妻(ジェフ・ドンネル)がうっかりその話を口にしてしまう。ディクソンは激怒して車を猛スピードで車を飛ばし、衝突しかけた車の大学生を危うく殺しそうになる。ローレルはディクソンの暴力的な気性に不安を強めていく。もしかしたら彼が犯人なのでは……そんな彼女の気も知らず、ディクソンは彼女に結婚を申し込む。彼女は半ば愛情、半ば恐怖で断れず、メルに自分は出ていくしかないと告げて、ディクソンの完成させた脚本を渡す。その晩は二人の婚約パーティー。だが同業の友人に脚本を読んだと言われたディクソンは、メルが勝手に自分の脚本をプロデューサーに渡したと知って激怒し、メルの眼鏡を叩き割る。ローレルは家に戻り慌てて荷物をまとめるが、そこにディクソンが駆け込み、彼女の真意を知って怒りを爆発させる。ディクソンの手がローレルの首にかかったその瞬間に電話が鳴り、ニコライがミルドレッドの婚約者ケスラー(ジャック・レイノルズ)が、自分が犯人だと告白して自殺未遂をしたと告げる。だが二人の関係はもう取り返しがつかない。去っていくディクソンの後ろ姿を見ながら、彼女は彼の脚本の一節をつぶやく。「私が生きていたのは、彼の愛した数週間だけ……さようなら、ディクソン」。

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