レオポンさんも女子中生に２，０００円貸したそうだ。

韓国でも高速道路のサービスエリアは賑わうリトルタウンのようだ。便利であってもお金がないと、
どうしようもないところ。多くは自分のクルマを持つ人が利用する。商業主義サイドから見れば、金払い
のいい上客となる。その利用客に寸借詐欺を重ねるホームレス一家の物語。

サービスエリアの空き地にテントを張る生活。わが物顔のギウ、妊婦でもある妻ジスク、ウニとテクの
姉弟の四人家族。パーキング中のクルマに戻る客に、財布を落としたガソリン代２万ウォンを貸してくれ、
と寸借詐欺。怪しんで無視する者もいるが、ウニやテクの幼い姿を見て、財布を開く人も多い。
中古家具販売店を経営するヨンソンは、この家族に大目の金を渡す。
ギウ一家は、警備員と揉め、その時にテントを壊されてしまう。空き家を転々として、新たなサービス
エリアに出没する。そこでヨンソンは二回目の出会い。また騙されるのは悔しい。ヨンソンは警察に
電話して寸借詐欺のギウを捕まえてほしい、と連絡。これにはギウ一家もビックリ、大騒動となるが、
ついにギウを警察官に検挙される。警察署ではギウの余罪も出てきて大事になる。ジスクと二人の
こどもは警察署の階段にショボンと座り込む。ヨンソンは憐れんで、三人を中古家具店に招く。

最初は親子三人を預かることに反対していたヨンソンの夫のドファンだったが、事情を知るに及んで
家族に同情する。ウニは９歳になるのに学校へも行かず、読み書きが出来ない。当然、誰でも気に
なるのが、何の生活力のないギウになぜついていくのか、が疑問となる。緊急避難となる実家を
持たない孤児院上がりのジスクの素性。友人に騙されれ有り金をむしり取られた事件等々、同情の
余地はあるが、ホームレス一家の漂流は許せる話ではない。ともかくウニを学校に行かさないことで
ギウはアウト。ジスクは、とっと別れて二人の子供を連れて行政に駆け込む道しかない。
映画は拘置所を脱出したギウの逃避行で、終盤に悲劇が待ち受けることになる。ギウの自滅は
自業自得で共感する部分はない。
ポスター写真だけ見ると、ホームレス一家の放浪というコメディもありかな、と思ったが、精査すると、
ただの無責任男に一家が犠牲になる話だった。