せかいのおきく

せかいのおきく|----|----

せかいのおきく

レビューの数

62

平均評点

76.0(200人)

観たひと

261

観たいひと

26

(C)2023 FANTASIA

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 時代劇 / ヒューマン / ドラマ
製作国 日本
製作年 2023
公開年月日 2023/4/28
上映時間 89分
製作会社 FANTASIAInc.=YOIHI PROJECT(制作プロダクション:ACCA)
配給 東京テアトル=U-NEXT=リトルモア
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/スタンダ-ド
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット デジタル
メディアタイプ ビデオ 他
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督阪本順治 
脚本阪本順治 
企画原田満生 
製作近藤純代 
プロデューサー原田満生 
バイオエコノミー監修藤島義之 
五十嵐圭日子 
撮影笠松則通 
美術原田満生 
美術プロデューサー堀明元紀 
装飾極並浩史 
小道具井上充 
音楽安川午朗 
音楽プロデューサー津島玄一 
録音志満順一 
照明杉本崇 
編集早野亮 
衣装大塚満 
メイク山下みどり 
床山山下みどり 
結髪松浦真理 
ラインプロデューサー松田憲一良 
助監督小野寺昭洋 
VFX西尾健太郎 
マリン統括ディレクター中村勝 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演黒木華 松村きく
寛一郎 中次
池松壮亮 矢亮
眞木蔵人 孝順
佐藤浩市 松村源兵衛
石橋蓮司 孫七

場面 ▼ もっと見る▲ 閉じる

予告編 ▲ 閉じる▼ もっと見る

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

阪本順治が、先進的な循環型社会を実現していた江戸時代を舞台に、オリジナル脚本で贈るモノクロ時代劇。江戸末期を舞台に、貧乏長屋で暮らす、声を失った武家育ちの娘おきくと、社会の最下層で人々の糞尿を売り買いして生きる青年・中次と矢亮の青春物語。出演は「映画 イチケイのカラス」の黒木華、「ホテルアイリス」の寛一郎、「シン・仮面ライダー」の池松壮亮。美術監督として活躍してきた原田満生が発起人となり、気鋭の日本映画製作チームと世界の自然科学研究者が連携し、様々な時代の“良い日”に生きる人々の物語を映画で伝える“YOIHI PROJECT”の劇場映画第1弾。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

22歳のおきく(黒木華)は、武家育ちでありながら、今は貧乏長屋で父・源兵衛(佐藤浩市)と二人暮らし。毎朝、便所の肥やしを汲んで狭い路地を駆ける中次(寛一郎)のことをずっと知っている。ある時、喉を切られて声を失ったおきくは、それでも子どもたちに文字を教える決意をする。雪の降りそうな寒い朝。やっとの思いで中次の家にたどり着いたおきくは、身振り手振りで、精一杯に気持ちを伝えるのだった。江戸末期、おきくや長屋の住人たちは、貧しいながらも生き生きと日々の暮らしを営む。そんな彼らの糞尿を売り買いする中次と矢亮(池松壮亮)もまた、“臭い、汚い”と罵られながらも、いつか読み書きを覚えて世の中を変えてみたいと、希望を捨てずにいた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2023年5月上・下旬合併号

「せかいのおきく」:インタビュー 阪本順治[監督・脚本]

「せかいのおきく」:インタビュー 原田満生[企画・プロデュース・美術]

「せかいのおきく」:作品評

UPCOMING 新作紹介:「せかいのおきく」

2023/05/10

2023/11/27

85点

映画館 


珠玉の逸品

ネタバレ

深々と降り積もる雪の中、貧乏長屋の軒先で自らの募る思いを身振り手振りで伝え、互いに抱き合うおきくと中次を捉えたクライマックスシーンが素晴らしい。言葉を超えて身分を超えて結びつく男女のしみじみとした情愛がモノクロームの諧調豊かな画面を通して静かに伝わってくる。

貧しいながらも肩を寄せ合い生きる人々のつましくも暖かい暮らしぶりを掬い取り、「糞な世の中」を時に抗いながらも何とかやり過ごし生き抜く男女三人の恋と友情と青春を余情深く紡ぎ出した珠玉の逸品。社会の中で循環する排泄物をモチーフにした発想の妙光る物語を時にユーモラスに、時に切なく紡ぐ阪本順治の語り口の上手さに引き込まれる。降りしきる雨や生い茂る木々を瑞々しく捉えた自然描写や、実在感のあるセットに衣装といった完成度の高い映画美術も秀逸。

凛とした佇まいの中にも無邪気な可愛さを体現した黒木華をはじめ、その脇を固める寛一郎、池松壮亮、佐藤浩市、石橋蓮司、眞木蔵人といった俳優陣の役にはまった好演が印象に残る。

2023/10/27

2023/10/27

70点

映画館/東京都/船堀シネパル 


 全編糞まみれの美しい映画でした。

2023/07/25

2023/07/25

79点

映画館/群馬県/シネマテーク高崎 


おきくはせかい

ネタバレ

時代劇にはあまり興味はないが、豪華な出演者に惹かれて観に行った。
全60席ほどのミニシアターに20人近くの観客。何度かこの映画館に来ているが最多の数だ。
全編クソの話(ここ笑うとこね)でやや閉口したが、モノクロの演出と黒木華の魅力的な演技のおかげで最後まで観ることができた。
最初の生意気なおきくが塞ぎ込んで心を閉ざし、周囲との関わりから再び心を開いていく変化にみるみる惹きつけられていった。

ワンカットの長回しが多く一つのシーンをじっくりと観ることができるからか、悠長な時間の流れが時代劇らしくて心地よかった。

2023/06/29

2023/06/29

70点

映画館/千葉県/キネマ旬報シアター(旧TKPシアター柏) 


寛一郎くん成長したね

ネタバレ

汚穢屋がメインとなる作品ゆえに白黒なのでしょうか
確かにこれがカラーだとずっと顔を背けていなければならない
でも白黒ゆえに江戸時代の暮らしが真実味を帯びて身近に感じる
黒木華はキリッとした武家娘、声が出なくなってもひたむきさを熱演、佐藤浩市は流石にシワは増えたとはいえ、立ち姿は颯爽としており、彼独特のユーモアのある格好良さがグッとくる
息子の寛一郎くんは真面目で純粋な役、上手くなったなあと感じた
池松壮亮は汚穢屋の重要さをわかっていながら世間での立場に割り切れないものを感じている複雑な役回りだ
ただこの「せかいのおきく」と言うタイトル、佐藤浩市演じる武士が世界に少し触れるところがあるのだが、今一つしっくりこないのは私だけでしょうか

2023/06/24

2023/06/28

85点

映画館/千葉県/キネマ旬報シアター(旧TKPシアター柏) 


阪本監督の新たな傑作に拍手

「下肥買い」と言う職業が昔あったと小学生の時に習った記憶がある。その仕事を生業としている若い男二人(池松壮亮、寛一郎)と武家育ちのおきく(黒木華)の三人の芝居が実に良い。脇に回った佐藤浩市と石橋蓮司も好演していて、皆さんのレビューにあるとおり貧乏長屋のシーンなど落語や山中貞雄の時代劇のようだ。
糞尿を題材にして重苦しくなく観終えた後はむしろさわやかな気持ちになったのは、阪本監督の押し付けがましくない演出が、モノクロスタンダードの映像と江戸時代を再現した美術の素晴らしさとが上手くマッチしているからだ。

2023/06/17

2023/06/20

68点

映画館/千葉県/キネマ旬報シアター(旧TKPシアター柏) 


大江戸糞尿譚

汚穢に塗れた現世に咲く一輪の野菊のように可憐なおはなし。
う○この質感がリアルで、あぁモノクロじゃないと描けないよな、と油断していると時々カラーになるのは、何の話か思い出させるため?
ただ、習作のような仕上がりが残念。せっかくの題材をもっと掘り下げて描いて欲しかった。
父には握らなかった味噌にぎりを中次のために握るおきくにはほっこり(ミソもク●も一緒←ここ笑うとこww)。