夏の砂の上

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夏の砂の上

レビューの数

53

平均評点

72.1(224人)

観たひと

306

観たいひと

18

(C) 2025 映画『夏の砂の上』製作委員会

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ヒューマン / ドラマ
製作国 日本
製作年 2025
公開年月日 2025/7/4
上映時間 101分
製作会社 映画『夏の砂の上』製作委員会(スタイルジャム=LYD=E&E=アスミック・エース=テッコウショ=シンカ=BBB=NAVY=PLANET=dottedline)(製作幹事・制作プロダクション:スタイルジャム/制作協力:NBC長崎放送)
配給 アスミック・エース
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット デジタル
メディアタイプ ビデオ 他
音声 5.1ch

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督玉田真也 
脚本玉田真也 
原作松田正隆
((戯曲「夏の砂の上」))
製作甲斐真樹 
Joon Lee 
石田誠 
牟田口新一郎 
宮地大輔 
スージュン 
加瀬林亮 
都平聡介 
長谷川和也 
田井モトヨシ 
プロデューサー甲斐真樹 
共同プロデューサーオダギリジョー 
撮影月永雄太 
美術井上心平 
装飾小林宙央 
音楽原摩利彦 
音楽プロデューサー田井モトヨシ 
録音山本タカアキ 
音響効果佐々井宏太 
照明秋山恵二郎 
編集ウエダアツシ 
衣裳立花文乃 
ヘアメイク那須野詞 
カラリスト高田淳 
アソシエイトプロデューサー梅本竜矢 
白川直人 
制作担当中村哲也 
助監督久保朝洋 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演オダギリジョー 小浦治
高石あかり 優子
松たか子 小浦恵子
森山直太朗 陣野
高橋文哉 立山
篠原ゆき子 
満島ひかり 阿佐子
光石研 持田

場面 ▼ もっと見る▲ 閉じる

予告編 ▲ 閉じる▼ もっと見る

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「紙屋悦子の青春」の原作者・松田正隆が手掛け、読売文学賞の戯曲・シナリオ賞を受賞した戯曲を、「そばかす」の玉田真也が映画化したヒューマンドラマ。幼い息子を亡くし、妻の恵子と別居中の小浦治は、妹・阿佐子の17歳の娘・優子を預かることに……。共同プロデューサー兼主演を務めるのは、「劇映画 孤独のグルメ」のオダギリジョー。共演は「ベイビーわるきゅーれ」の髙石あかり、「ファーストキス 1ST KISS」の松たか子、「ラストマイル」の満島ひかり、「少年と犬」の高橋文哉。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

雨が降らない、夏の長崎。幼い息子を亡くした小浦治(オダギリジョー)は、その喪失感から、妻の恵子(松たか子)と別居中だった。働きもせず、ふらふらしている治の元へ、妹の阿佐子(満島ひかり)が、17歳の娘・優子(髙石あかり)を連れてやってくる。阿佐子は、1人で博多の男の元へ行くので、しばらく優子を預かってほしいという。こうして突然、治と姪の優子の同居生活が始まることに。高校に行かず、アルバイトを始めた優子は、そこで働く先輩の立山(高橋文哉)と親しくなる。不器用だが、懸命に父親代わりを務める治との生活に馴染んできたある日、優子は、恵子と治が言い争う現場に鉢合わせてしまう……。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2025年8月号

REVIEW 日本映画&外国映画:「夏の砂の上」

2025年7月号

CINEMA PEOPLE Vol.19:オダギリジョー「夏の砂の上」

2026/08/08

2026/08/08

80点

その他/netflix 


夏の砂の上

本作は、劇作家・松田正隆による傑作戯曲を玉田真也監督が映画化した作品だ。オダギリジョー主演で、松たか子、満島ひかる、森山直太朗、高石あかりなどの俳優陣も魅力の作品だ。
雨が降らず、茹だるような夏の長崎が舞台だ。長崎の夏は、日差しが強くて蒸し暑い。特に8月9日の原爆投下の日は日差しが強烈だ。男は幼い息子を亡くし、さらに勤め先の造船所の閉鎖から仕事も失い、おまけに妻も元同僚に奪われる。新たな仕事をさがす気にもなれず自堕落に過ごしている。
そこへある日、男の妹が17歳の娘を預けて去っていく。その姪も、男を追って去っていく母に捨てられた喪失感で呆然としている。
本作は、互いに喪失感を抱えた男と姪の不器用な同居生活を描いている。乾いた日常の中でそれぞれの痛みを抱える二人が小さな希望を探し始めていく物語である。
「ここは、ピカって光って、一度は全てが失われたところだよね」との姪の台詞がある。それは、一度は全部失ったところから、今の長崎がある。だから、今、幾つものものを失った人生ではあるが、大したことではないのではないか、と。全てを喪失した絶望から小さな希望へと発想を転換していく言葉のように感じた。
二人が、久しぶりに降った雨に大喜びしていくシーンが印象的だ。小さな幸せを喜べること。元気が出てきた証拠である。
男は、姪との生活の中で、徐々に元気を取り戻し、仕事探しを始める。やっと見つけた仕事が中華料理店である。しかし、仕事中に包丁で手の指3本を切断してしまう。
そこへ妹が再び訪れ、新しい男を追ってカナダに行くので、娘を連れて行くと言う。
男と姪との生活は一夏で終わる。別れの日、姪は自分の帽子を男に差し出す。男はその帽子をかぶって、何か吹っ切れたように歩み出す。青空に、指3本を切断した手のひらをかざす。「まだ2本の指がある」と明るく言う男の言葉に胸打たれた。
失われたものを数えても嘆いても仕方がない。今ある、ありのままの姿で、小さな希望を見出していく。そんなメッセージを男の言葉と姿から受け取った。
男は、去り行く妹に、「いつでも帰っておいで」と声をかけた。そこには、もう喪失感に負けない、無様でもみっともなくても、生きて生きて生き抜いてみせる、との力強さを感じた。

2026/06/10

2026/06/10

63点

テレビ/有料放送/WOWOW 


長崎

よかたい
しょんなかたい

2026/04/15

2026/04/25

70点

レンタル/神奈川県/ゲオ/ゲオ大和中央店 


長崎は今日も慈雨が降る。

ネタバレ

原作は戯曲。舞台は長崎なので現地ローケションの映画はアドバンテージを得ることができるかもしれ
ない。渇水状態の熱い夏。坂の上から見下ろす造船所のクレーンは停まったまま。小浦治(オダギリジョ
ー)は長らく造船所に勤めていたが不況で馘首となっていた。幼い息子を亡くしたことで、万事無気力。
妻の恵子(松たか子)とも別居となってしまった。

治の妹の阿佐子(満島ひかり)が、17歳の娘優子(高石あかり)を連れてやって来た。阿佐子は博多の
男の支援でスナックを開く。店が軌道に乗るまで優子を預かって欲しいと頼み込む。むさ苦しい治と女子
高生優子との同居生活が始まった。ところが優子は学校へは行かない。スーパーのアルバイトに出る。
その職場では先輩社員の立山からなにかと誘われるようになる。治は造船所時代の同僚を訪ねる。持田
(光石研)はタクシー運転手になっていた。警備員となった同僚もいる。新しい職を得た仲間たちが酒宴
を開いて治も招く。持田と陣野は酔っ払って治の家に泊まってしまう。治もようやく就職活動をするように
なった。ところが悲劇が起きた。交通事故で持田が死んでしまったのだ。葬式の準備の進む持田の家に
立ち寄った治は、事故原因が居眠り運転と聞いて暗澹とする。そこに陣野の妻が血相を変えて治に詰め
寄った。陣野の夫と治の妻の恵子の不倫をなじっていたのだ。別居以来、恵子の行動には無頓着だった
が、不倫関係を暴かれて治は愕然とする。
一方、優子は職場の先輩立山との仲が進む。治の家で立山が優子に肉体関係を迫る。優子は今ひとつ
盛り上がらない。その家で治が恵子の不倫に怒りを爆発させる。亡くしたとはいえ息子まで出来た二人の
関係は何だったのか、虚脱感が治を襲う。優子はそんな治に同情的、そして待ちに待った雨が降る。

プー太郎のオダギリジョーがいい味を出している。環境の変化についていけない不器用な治。時代の波を
器用にかき分ける周囲の人間から、取り残される心優しい男、そして放任される優子。佳作です。

2026/04/09

2026/04/09

70点

レンタル 


なんだかぐちょぐちょしてますが

玉田真也監督です。殺し屋じゃない高石あかり。いいですね。というか、キャストがいいですね。それぞれがなんだか変な繋がり方していて、もっとドロドロしていいのに、なんだか爽快さも感じてしまう。決して幸せではない境遇の人たちだと思うのに、変な悲壮感もなく。やっと降った雨で全て流されたか。最後もむしろ爽やか。そして長崎の坂はただ歩いているだけで絵になる。

2026/04/07

2026/04/07

75点

テレビ/有料放送/WOWOW 


結局何の解決にもならない話が切ない

長崎から離れられない兄、根無し草のようで軽やかにあちこちを転々とすることに躊躇しない妹。それに翻弄されているけど案外嫌そうでもない、その娘。この中でいちばん不幸なのはオダギリジョーなんだよなあ、きっと。ひと夏の姪との共同生活を丁寧に描いている作品で、でも結局それを経ても一歩を踏み出せないところは、それが現実って感じで、切ないねえ。それにしても高石ひかりさんがものすごく良くて驚いた。朝ドラでは屈託のない女の子だったけれども、ここでは屈託のみという感じで、真反対なキャラを演じ分けていて、とてもとても素晴らしい。そりゃあ、高橋文哉くんの手には負えない罠。

2026/03/07

2026/03/12

75点

選択しない 


渇きを潤す雨

ネタバレ

 まだ幼い一人息子を事故で失い、なおかつその後荒んだせいか妻(松たか子)もよそに男を作って出て行ってしまい、一人暮らしをしている小浦が主人公。時代のせいか造船所も廃業、職を失い仕方なく厨房に立っているという何だか踏んだり蹴ったりの男をオダギリ・ジョーが演じている。時にヤケになることもあるけど黙々と暮らしている彼の背中には寂しさがこびりついている感じ。
 そこに尻軽な妹・阿佐子(満島)が娘を預けにくる。身勝手を絵に描いたような阿佐子に振り回されて育ったらしい優子(高石あかり)は愛情を知らないで育った感じ。何事にも無関心ふう。
 映画の宣伝惹句に「愛を失った男、愛を見限きった女、愛を知らない女」とあったけど初めにそういう設定ありきのドラマ(戯曲)だったんだろうなと。というのもフツーのドラマとしては少々作り物めいたところを感じたので。この中で「愛を見限った女」にあたる松たか子演じる恵子の存在は薄く、映画は「愛を失った男」と「知らない女」の物語だったような気がするが。確かに弱音を吐く小浦を上から睨みつける恵子の目線は怖かったけど。
 ふたりがカラカラに乾ききったひと夏を過ごすうちにそれぞれの欠けた部分を補い合う物語だったように思う。小浦は愛情の対象を、優子は愛されることの何たるかをそれぞれを相手に補填したのではなかろうか。終盤の突然のどしゃぶりシーンはその乾きが癒される瞬間だったか。ちょっと演劇的過ぎた気がしないでもなかったけどわかりやすい演出だったと思う。