エリック・ロメール
|Eric Rohmer| (監督/脚本/編集/出演)
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本名 |
- |
出身地 |
フランス、チュル |
生年月日 |
1920年3月21日 |
没年月日 |
2010年1月11日 |
略歴▼ もっと見る▲ 閉じる
【作家主義による遅れてきたヌーヴェル・ヴァーグ派】フランス、中部のチュル生まれ。大学で文学を学んだ後、パリの高校で教壇に立つ。1947年には小説『エリザベス』を発表している。映画にも興味を持ち、48年ごろから映画評論家になるべく『レ・タン・モデルヌ』『ラ・レヴュー・デュ・シネマ』『アール』などに批評を寄稿。50年にはジャック・リヴェット、フランソワ・トリュフォーらと『ガゼット・デュ・シネマ』を創刊してエリック・ロメールのペンネームを用いるようになり、次に57年から63年まで、アンドレ・バザンの後を継いで『カイエ・デュ・シネマ』の編集長を務める。57年と言えばクロード・シャブロルが「美しきセルジュ」を製作した年で、以降、フランスにヌーヴェル・ヴァーグ旋風が巻き起こり、その理論派の後方支援の一人として活躍するのである。57年にシャブロルとの共著『ヒッチコック』を出版している。50年から16ミリの短編を何本か撮っていたが、59年初の長編「獅子座」を発表。シャブロル、トリュフォー、ジャン=リュック・ゴダールなどと比べると、ヌーヴェル・ヴァーグ派としては、彼らより年齢が10歳ほど上で派手な印象はないが、作家主義を強く打ち出した映画理論はヌーヴェル・ヴァーグの支柱となった。【軽妙な会話と洗練されたタッチ】62年の「モンソーのパン屋の女の子」からスタートする〈6つの教訓物語〉は、「シュザンヌの生き方」(63)、「コレクションする女」(67)、「モード家の一夜」(69)、「クレールの膝」(70)、「愛の昼下がり」(72)と続く。中でも「モード家の一夜」は日常の中の男女関係の微妙なニュアンスを描き好評を得ている。身に覚えのない妊娠をした婦人が父親になる男を公募する「O公爵夫人」(76)はカンヌ映画祭審査員特別賞受賞。次の〈喜劇とことわざ〉シリーズは、「飛行士の妻」(81)、「美しき結婚」(82)、「海辺のポーリーヌ」(83)、「満月の夜」(84)、「緑の光線」(86)、「友だちの恋人」(87)の6作。「海辺のポーリーヌ」は海辺に集まった6人の男女の虚々実々を描き、ベルリン映画祭監督賞、「緑の光線」は夏休みを一人で過ごす少女のさすらう姿を日記風に描き、ヴェネチア映画祭金獅子賞を受賞。そして〈四季の物語〉シリーズは、「春のソナタ」(89)、「冬物語」(91)、「夏物語」(96)、「恋の秋」(98)と続き、シェイクスピアをベースにした「冬物語」でベルリン映画祭国際評論家連盟賞受賞、いずれもロメールらしく、男女の恋愛模様が軽妙な会話を通して展開し、洗練されたタッチで描いた作品群である。2006年には「我が至上の愛~アストレとセラドン」を撮った。このとき86歳、まだまだ健在である。
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