わが心のボルチモア

わがこころのぼるちもあ|Avalon|----

わが心のボルチモア

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レビューの数

7

平均評点

71.2(59人)

観たひと

108

観たいひと

7

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1990
公開年月日 1991/1/11
上映時間 127分
製作会社 ボルチモア・ピクチャーズ・プロ作品
配給 トライ・スター映画=コロムビア/トライ・スター映画
レイティング
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

ボルチモアに住む東欧移民の一家の3世代にわたる時の流れを通してアメリカン・ドリームの変遷を描くドラマ。監督・脚本は「レインマン」のバリー・レヴィンソン、製作はマーク・ジョンソンとレヴインソン、撮影は「太陽の帝国」のアレン・ダヴュー、音楽はランデイ・ニューマンが担当。出演はアーミン・ミューラー・スタール、ジョーン・ブローライトほか。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

東欧育ちのサム・クリチンスキー(アーミン・ミューラー)が初めてアメリカの土地を踏んだのは1914年、折しも独立記念日だった。それから数十年、先に来ていたゲイブリエルら兄弟と共に壁紙職人としてボルチモアのアバロン通りに定住の地を見い出した彼は同じ移民の妻のエヴァ(ジョーン・プローライト)との間に息子ジュールス(アイダン・クイン)をもうけ、今やその息子と妻アン(エリザベス・パーキンス)との間にサムの孫マイケル(イライジャ・ウッド)が生まれ、サムは彼に昔の苦労話をするのが習慣になっていた。ジュールスはいとこのイジー(ケヴィン・ポラック)と共にTVのディスカウント・ショップを開き、やがてそれが成功して、大型家電デパートK&Kへと発展する。一方家庭ではアンと姑のエヴァの間に不和が絶えなかったが、アンは2人目の子供を生む。感謝祭の晩、毎年開かれる一族の家族会でのささいなトラブルからサムは兄たちと袂を分かち、やがて収容所から奇跡の生還を果たしたエヴァの弟のシムカの家族と一緒に住むようになる。そんなある日、K&Kが漏電から全焼し、ジュールスは全てを失なう。更には闘病生活を続けていたエヴァがついに他界し、サムの、そしてジュールスの育ててきたアメリカン・ドリームは音を立てて崩れてゆくようだったー。それからまた10数年が経ち、すっかり老人になってしまったサムのもとを成人したマイケルとその息子が訪ねてくる。そのひ孫に向かってサムは「1914年、私はアメリカに渡った。それまでこんな美しい場所は見たことがなかった」といつもの口癖をつぶやくのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1991年2月上旬号

特集 わが心のボルチモア:

外国映画紹介:わが心のボルチモア

1991年1月下旬号

グラビア:わが心のボルチモア

2022/08/28

70点

選択しない 


ユダヤ系版ゴッド・ファーザーか?

主人公サムがアメリカに移住してきたところからストーリーは始まります。ボルチモアの街は「4th of Juil」で盛り上がり、花火を上げて祝賀ムードの真っ只中でした。
1916年という時代設定なのですが、映像を見るととてもそんな風に見えない。アメリカの豊かさが伝わり、そりゃ夢や希望を持って多くの移民たちがやって来るわけだと思いました。

その後、アメリカに居付いたサムに子供が生まれて、育て上げて、孫も出来た。兄弟の家族も含めると大変な大家族になった下りへと入る。そこのシークエンスは圧倒的な数の大家族で壮観の一言。
家族の絆を深めるためにする家族の寄り合いは、それぞれの思惑があり不穏な空気が漂うことも。なんとなくだが、ユダヤ系版のゴッド・ファーザーみたいに感じました。そんなに緊張感があるわけでないが、兄弟のイザコザがあるという面では似てるような気がします。
但し、前半は冗長すぎて退屈ではありました。兄弟が仲が悪いてよく聞く話だし、ありふれてるかなというのが正直に思うところです。

後半に入ると話は加速して面白くなります。
エピソードの雨あられで、ユダヤ系移民特有の描写は興味深いものがありました。
サムの妻エバの弟がヨーロッパからアメリカにやって来るシーンは強制収容所の話が出たりして、ユダヤ人の苦難の歴史を小刻みに描写しています。サムの孫たちがナチスの鍵十字のマークが付いた模型飛行機を焼くシーンはユダヤ人としての主張が孫にまで伝わった証だと思います。
またサムの子供が立ち上げたディスカウントストアは大当たり。その当たりは商売上手の民族のイメージをストレートに描出してる
と思います。
ユダヤ系の多いハリウッドらしいと言えばそうかもしれません。

そんなサムの大家族ですが、日本で核家族化
進んだのと同様に時代の波と共に分散していきます。昔の賑わいがなくなっていく様子は、小津安二郎監督の「東京物語」を思い出したりもしました。サムの妻が亡くなった下りなんかは。オマージュにしか私は見えませんでした。

その他にも、サムの孫マイクが蜂に刺されたり、市電が脱線したりと、サブストーリーも充実して見ごたえはありました。
しかし、如何せん地味なのが辛いところでもありました。
ラストの終わり方はかなり寂しい。人間死ぬ時は孤独と言うが暗喩してるだけだったのだろうか?
それならば、バリー・レヴィンソン監督の目線は結構厳しいですね。

2021/07/19

2021/07/30

70点

レンタル 
字幕


クリチンスキーを改名する若い世代。

ネタバレ

サム・クリチンスキーは1914年に東欧からアメリカに移民した。ちょうどメリーランド州ボルティモアの
アバロン通りに着いたのが、7月4日の独立記念日で、花火が舞うお祭り騒ぎ。あまりの美しさに茫然
自失してしまう。先行して移民した兄たちと同様に壁紙職人として働く。
サムはエヴァと結婚して子供をもうけ、着実にアメリカ生活を築く。一族は定期的に集まり、郷土からの
移民を援助する。
なんだかんだと言って、アメリカはヨーロッパからの移民が早い者順でカーストの上部を埋めていく。
20世紀初頭の移民は、先行するWASPにはかなわないが、アメリカンドリームの参加者として認められる。
アジアからやって来る移民や、メキシコ国境を渡る移民、さらにはアフリカ系は論外の扱い。

サムは子孫繁栄の願いが叶い、子や孫に囲まれ、1914年のまばゆい日を回想するのがお得意の技。
そして1950年代、サムの息子ジュールスは従兄弟とともにテレビ受像機を売る店をオープンした。
ディスカウント方式で地域一番の安値をアピール、これが時流に乗り大ヒット。
三台目のマイケルは純粋のアメリカの悪童となった。物怖じしない豊かな家の子、大型化する父親の
店の地下室で遊ぶ。模型の戦闘機に火をつけて遊ぶところは無邪気なシーンだが、悲劇も予兆させる
巧みな伏線となった。

クリチンスキー一家の暗転。新店のオープニングは大成功したが古い建物の漏電で出火、店はあえなく
全焼となった。店の火災保険は寸前で解約、すべての資金は新店オープンに賭けていたのだった。
マイケルは自分の地下室での火遊びが原因と思い込んだ。祖父に相談すると、父親に正直に打ち
明けなさい、と諭した。ワシントンの故事を思い起こさせる。こんなところにもアメリカンドリームを支える
教科書的なメッセージを感じる。

バリー・レヴィンソン監督のオリジナル脚本で、自らの出自をテーマに移民三代記を描いた。完璧な
時代考証で叙事詩を歌い上げる。映画ならではの贅沢な時間を過ごすことが出来た。

2016/08/28

2016/08/29

85点

テレビ/有料放送/WOWOW 
字幕


今日は祖父の人生に思いを馳せたい

ネタバレ

ブログ・ケンタウロスの巣(http://blog.livedoor.jp/kentaurs696/archives/1060694255.html)より

本当にアメリカは1950~60年代を舞台とするノスタルジック溢れる年代記が上手いですよねぇ。
何だかんだ言ってこの頃アメリカが一番元気で、イケイケだったからかもしれません。
これらの年代で思いつくものといえば、だいたいアメリカですしね。

時代を遡れば遡るほど、家族は大家族が当たり前で、親戚も含めて家族でした。
自分が子供だった頃を思い返してみても、親世代の兄弟は人数が多く、ということは伯父母・叔父母も従兄弟姉妹も沢山いました。年末年始やお盆などはそういった親戚家族が集まってワイワイやっていたものです。
今でもそういった付き合いはありますが、少子化もあって絶対的な人数が少なくなってきてますよね。

そんな中で親は勿論ですが、特別な関係性だったのは祖父母です。
特に昔は伝統や知識を伝える師匠と弟子のような関係性もあったと思います。

今作ではサムが1910年代にアメリカ・ボルチモアの地にやってきたところから幕が開き、老人ホームで曾孫に会うまでの数十年間が描かれているので、サムが狂言回し的な役割を担っています。
その中で大きなウェイトを占めるのは、やはり孫のマイケルとの繋がりでしょう。

よく孫は自分の子供よりも可愛いと言い、それは親としての責任が無いからとも言います。
しかし、サムとマイケルの関係には無責任さというものは感じられません。
勿論サムはマイケルのことを無条件に愛していると思いますが、そこにはサムからの歴史や道徳、尊厳といったものの伝達があるからでしょう。
だからこそサムが同居してる家から引っ越して行く時に、マイケルが飛びついて別れを惜しむ姿に目頭が熱くなるのです。
また、父のデパートが火事になったのを自分のせいだと思ったマイケルが一人走って向かったのはサムの元。そしてサムは代わりに謝ったり庇ったりすることはせず、自分で父親に謝るように諭します。
きっとマイケルもサムにただ助けを求めるために会いに行ったのではなく、正しい責任の取り方を教えてもらいにいったのだと思います。

それにしてもマイケルを演じるイライジャ・ウッドの可愛いことといったら!お人形のようとは彼のための言葉のようじゃないですか。可愛いだけじゃなく、利発さと聡明さも感じさせるスーパー子役だったんですねぇ。
「ロード・オブ・ザ・リング」のフロドを経て、今や猟奇殺人者をも演じる性格俳優の一人です。

自分がまだ生まれてもいない時代からの数十年を描いていますが、根底には常に家族や親戚との関係があり、それはどれだけ時代が変わろうとも普遍的なものなのでしょう。
観ていて、まるで自分がその時代を生きていたかのような錯覚さえも感じるような気になってきました。
尊敬するお祖父ちゃんがいたり、いつも遅刻してきて平然としてる伯父さんがいたり、従兄弟と一緒に火遊びをしてみたり…
これからまた時代が移り変わっても、どこか自分を重ねてみることができる、そんな1本だと思います。

2015/10/30

2015/10/30

90点

選択しない 


変わってゆく寂しさ

時の流れとともに変わってゆくもの、こうセンチメンタルな気分になり、昔と今とは違うんだからってあっさり片づけられないものはありますね。変化してゆくスピードってのが日々早まってとまどうこと多い昨今ですが、大事にしなきゃならないってものも必ずあるはずですよね。

2015/09/11

2015/09/11

75点

テレビ/有料放送/WOWOW 
字幕


家族

 1914年に東欧からアメリカへ移住してきたクリチンスキーとその家族の三代にわたる物語。一族が一緒に暮らした時代から、郊外の一戸建てに引っ越し、さらに親子が別居して核家族化していく家族の移り変わりが描かれる。親戚とか家族というのは、いればいたで煩わしいことも、争いの元になることもあるが、いなくなれば寂しくなる。この作品を観て、私自身が身近な人を送ることに切実な気持ちを抱くような年齢になってきたことに今さらながら気づかされた。

2013/11/02

2014/10/20

72点

レンタル/DVD 
字幕


派手さはなく、地味なんだけど、懐かしい

古き良き時代のアメリカ。

アメリカに渡った移民の三世代に渡るヒューマンドラマをユーモアや悲哀を交えながら描いている。

派手さはなく、どちらかというと地味な映画です。

親族が集まる団欒のシーンがあるんですが、わたしは子供の頃、親族の集まりが大の苦手だったな、あ、今もか、ってのも思い出して、なんとなく懐かしくなった。

多分、誰が観ても、そんな郷愁を誘う映画だと思う。

監督は『ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ』や『グッドモーニング,ベトナム』『レインマン』などのバリー・レヴィンソン監督。