主人公サムがアメリカに移住してきたところからストーリーは始まります。ボルチモアの街は「4th of Juil」で盛り上がり、花火を上げて祝賀ムードの真っ只中でした。
1916年という時代設定なのですが、映像を見るととてもそんな風に見えない。アメリカの豊かさが伝わり、そりゃ夢や希望を持って多くの移民たちがやって来るわけだと思いました。
その後、アメリカに居付いたサムに子供が生まれて、育て上げて、孫も出来た。兄弟の家族も含めると大変な大家族になった下りへと入る。そこのシークエンスは圧倒的な数の大家族で壮観の一言。
家族の絆を深めるためにする家族の寄り合いは、それぞれの思惑があり不穏な空気が漂うことも。なんとなくだが、ユダヤ系版のゴッド・ファーザーみたいに感じました。そんなに緊張感があるわけでないが、兄弟のイザコザがあるという面では似てるような気がします。
但し、前半は冗長すぎて退屈ではありました。兄弟が仲が悪いてよく聞く話だし、ありふれてるかなというのが正直に思うところです。
後半に入ると話は加速して面白くなります。
エピソードの雨あられで、ユダヤ系移民特有の描写は興味深いものがありました。
サムの妻エバの弟がヨーロッパからアメリカにやって来るシーンは強制収容所の話が出たりして、ユダヤ人の苦難の歴史を小刻みに描写しています。サムの孫たちがナチスの鍵十字のマークが付いた模型飛行機を焼くシーンはユダヤ人としての主張が孫にまで伝わった証だと思います。
またサムの子供が立ち上げたディスカウントストアは大当たり。その当たりは商売上手の民族のイメージをストレートに描出してる
と思います。
ユダヤ系の多いハリウッドらしいと言えばそうかもしれません。
そんなサムの大家族ですが、日本で核家族化
進んだのと同様に時代の波と共に分散していきます。昔の賑わいがなくなっていく様子は、小津安二郎監督の「東京物語」を思い出したりもしました。サムの妻が亡くなった下りなんかは。オマージュにしか私は見えませんでした。
その他にも、サムの孫マイクが蜂に刺されたり、市電が脱線したりと、サブストーリーも充実して見ごたえはありました。
しかし、如何せん地味なのが辛いところでもありました。
ラストの終わり方はかなり寂しい。人間死ぬ時は孤独と言うが暗喩してるだけだったのだろうか?
それならば、バリー・レヴィンソン監督の目線は結構厳しいですね。