ローマの休日

ろーまのきゅうじつ|Roman Holiday|Roman Holiday

ローマの休日

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レビューの数

170

平均評点

85.6(1343人)

観たひと

2264

観たいひと

133

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ラブロマンス / ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1953
公開年月日 1954/4/27
上映時間 118分
製作会社 パラマウント映画
配給 パラマウント映画会社
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/スタンダ-ド
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演グレゴリー・ペック Joe_Bradley
オードリー・ヘップバーン Princess_Anne
エディ・アルバート Irving_Radovitch
ハートリー・パワー Mr.Hennessy
ハーコート・ウィリアムス Ambassador
マーガレット・ローリングス Countess_Vereberg
チュリオ・カルミナチ General_Provno
パオロ・カルリーニ Major_Delani(The Baker)
Claudio Ermelli Giovanni
Paola Borboni Charwoman
アルフッド・リッツォ Taxicab_Driver
Laura Solari Hennessy's_Secretary
Gorella Gori Shoe_Seller

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「偽りの花園」「黄昏(1951)」のウィリアム・ワイラーがローマに出向いて製作監督した1953年作品で、王女と新聞記者の恋愛を描くコメディ。初公開時のクレジットでは、原作はアイアン・マクラレン・ハンター、脚色は原作者と「死せる恋人に捧ぐる悲歌」のジョン・ダイトンとの共同となっていたが、後年、原案・共同脚本をダルトン・トランボが担当したと明らかにされた(「製作50周年記念デジタル・ニューマスター版」のデータを参照)。「ギャングを狙う男」のフランク・プレイナーと「禁断の木の実」のアンリ・アルカンが協力して撮影監督にあたり、「アンリエットの巴里祭」のジョルジュ・オーリックが音楽を担当した。主演は「愛の決断」のグレゴリー・ペックと、初主演のこの映画でアカデミー主演女優賞を得たオードリー・ヘプバーンで、これに「黄昏(1951)」のエディ・アルバートがつきあい、以下ハートリー・パワー、ハーコート・ウィリアムス「36時間」、マーガレット・ローリングス、チュリオ・カルミナチ「悪魔の美しさ」、パオロ・カルリーニなど英伊の俳優が助演している。なお、「貴方は若すぎる」の監督ピエロ・ムゼッタが助監督としてスタッフに加っている。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

ヨーロッパの各国を親善旅行中のある小国の王女アン(オードリー・ヘプバーン)がローマを訪れたとき、重なる固苦しい日程で王女は少々神経衰弱気味だった。侍医は王女に鎮静剤をあたえたが、疲労のためかえって目が冴えて眠れなくなって、侍従がいないのをよいことに王女はひとりで街へ出て見る気になった。が、街を歩いているうちに薬がきいてきて広場のベンチで寝こんでしまった。そこへ通りかかったアメリカの新聞記者ジョー・ブラドリー(グレゴリー・ペック)は、彼女を王女とは知らず、助けおこして自分のアパートへ連れ帰った。翌朝、彼女が王女であることを知ったジョーは、これこそ特ダネ記事をものにするチャンスと思い、ローマ見物の案内役をひきうけた。アン王女はジョーの魂胆も知らず、まず床屋で髪を短く切って、1日中のびのびと遊び歩いた。ジョーの同僚のカメラマン、アーヴィングは、隠しもった小型カメラでぬけ目なく王女の行動をスナップした。一方、王女失踪で大使館は上を下への大騒ぎ、しかし、世間に公表するわけにも行かず、本国から秘密探偵をよびよせて捜査に当らせた。夜になってようやくアン王女が遊覧船の上でジョーとダンスを楽しんでいるところを発見した秘密探偵たちが、王女を連れ戻そうとすると、止めに入ったジョーと争うことに。ジョーとアン王女は河にとびこんで追手の眼を逃れることができたが、その間に、2人の胸には深い恋ごころが起っていた。河べりの闇の中で、2人は熱い接吻をかわした。だが、この恋はとうてい望みがない、ジョーはアン王女を大使館に送りとどけ、特ダネ用のメモをこなごなに引きさいた。数日後、アン王女の新聞記者会見が大使館で行われたとき、アーヴィングはあのとき撮影したフィルムをそっと王女に渡した。そして、ジョーとアン王女とは、目と目を見合わせ、無言の別れを告げあったのであった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2010年3月下旬号

午前十時の映画祭:「ローマの休日」「昼下りの情事」

1954年5月下旬号

外国映画批評:ローマの休日

1954年4月下旬号

今年の輸入映画:「モガンボ」と「ローマの休日」の一騎討

外国映画紹介:ローマの休日

1954年4月上旬春の特別号

作品研究:ウィリアム・ワイラー作品 ローマの休日

2025/10/11

2025/10/11

-点

映画館/東京都/イオンシネマ多摩センター 
字幕


かくしごと

「何処の地もそれぞれに...ローマです。何と申しましてもローマです。私は彼の地を生涯忘れることはないでしょう」

午前十時の映画祭15にて鑑賞。
マッカーシズムの嵐が吹き荒れる中、"ハリウッドに最も嫌われた男"ダルトン・トランボがコッソリ書いた脚本を、名匠ウィリアム・ワイラー監督が全編ローマロケで映像化することになった。そこに綺羅星の如く現れた一人の無名女優。緊張気味にスクリーンテストを受ける彼女の姿を見てワイラー監督は確信する、「やがて世界中が彼女に恋をすることになるだろう」。
古典にしてラヴ・ロマンスの頂点。何度も観た映画なので今更言うこともないのだが、何度観ても良いものは良い。「美を盛り立てる」ハリウッド式足し算に対し、「美そのものを輝かせるために余計な部分を削ぎ落とす」引き算の発想でオードリーはスクリーンに突然現れた。その当時の観衆の衝撃たるやいかばかりか。
自分にとってもハリウッド史上最も好きな女優は間違いなくオードリー・ヘップバーンなのだが、自分は少し天邪鬼なところがある。個人的に好きなオードリーは大体ミドル〜ロングヘアなので、本作のショートボブはハッキリ言って切る前の方が好きだったりする。より厳密に言えば、マリオに髪を切ってもらう前に前髪を全部垂らすオードリーが一番いい。あの時の唇ツンと尖らせて何か企む表情が見え隠れする感じがいいのだが、恐らく誰にも伝わらない。
そしてスペイン広場で14時40分〜16時55分まで2時間以上も溶けずに粘り続けた不屈のジェラートにも触れねばなるまい。デジタルリマスターにあたって、スペイン広場の時計は修正されたと聞いていたが、今回はオリジナルのままの上映で個人的にはちょっと嬉しかった。
最後に少しだけ想像を巡らせてみる。もしアン王女のWikipediaがあったとして、この欧州親善旅行はどのように記載されたのだろうか。「イタリア滞在を巡る謎」などと項目が設けられただろうか。「王女時代の欧州外遊において、ローマ滞在時に急病のため1日だけ予定を全てキャンセルしたが、
・同日にローマ市街の各所で王女とよく似た容姿の女性が目撃されたこと
・同日夜にサンタンジェロ城付近のダンスパーティーで同国の秘密警察と思われる人物8名が乱闘騒ぎによって逮捕されていること
・同日深夜、重病と思われていた王女が突如奇跡的に回復したこと
などから、一部専門家からは疑問が呈されている。」
なんて書かれたんだろうか。
いずれにしても思い出はモノクローム、真相は本人のみぞ知る(ハズ)。
少なくとも、このローマ滞在時の急病からアン王女は一変し、女王即位後も国民のみならず全世界から愛されたであろうことを願ってやまない。

2025/10/03

2025/10/03

90点

映画館/神奈川県/TOHOシネマズららぽーと横浜 


休日は楽しむべきもの

とても好きな映画であるんだが、
結論としては、オードリー・ヘプバーンのアイドル映画。

馬鹿にしてはいない。映画はエンターテイメントである。

赤狩りの歴史とかで深読みすると面白味が半減する。
全編ローマで撮影されたことを喜び、
知っていても知らないことにして、楽しむことを優先する映画。

2025/09/25

2025/09/25

86点

映画館/東京都/TOHOシネマズ日本橋 
字幕


午前10時の映画祭にてスクリーン鑑賞

何度見てもよい。スクリーン鑑賞は初めてだったがオードリーがほんと輝かんばかりに素晴らしい。まさにスターが生まれた瞬間に立ち会っている感あり。当時のローマの風景も歴史的な価値あり。

2025/08/09

2025/08/10

72点

選択しない 

言わずと知れた不朽の名作。
コメディタッチで意外と観やすいんですよね。

ヨーロッパを周遊中の某国の王女アン(オードリー・ヘプバーン)は、常に侍従がつきまとう、格式ばったがんじがらめの生活に嫌気が差し、滞在中のローマで大使館を脱出。街中で彼女と偶然出会ったアメリカ人新聞記者ジョー(グレゴリー・ペック)は、大スクープのチャンスとばかりに、彼女が王女だとは知らないふりをしてガイド役を買って出る。ジョーは観光気分にはしゃぐアンの姿をカメラマンの同僚アービング(エディ・アルバート)に撮影させるが、束の間の自由とスリルを満喫するうちに、アンとジョーの間には強い恋心が芽生え始めて…。

何と、オードリー・ヘプバーンは本作が初主演作だったんですね。
彼女の美しさ、可憐さ、魅力が全編から放たれ、ドタバタなラブコメと相まってハッピーな気分。
モノクロとなったのは制作費の影響のようですが、それがむしろいい味に。
繰り返し見たくなる、ローマの観光案内にもうってつけの名作。

2024/08/06

2024/08/06

60点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


朝ドラオードリーに触発される、1953年の作品


2024/07/26

2024/07/26

90点

その他/録画BSプレミアム 
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赤狩り

ネタバレ

 かなり、コメディ色の強い、でも、ちゃんとした映画だった。

 アン王女(オードリー・ヘップバーン)が、王宮を抜け出し、新聞記者のジョー(グレゴリー・ペック)達と一日だけローマの街を自由に楽しむ、という夢のような話。

 新聞記者は、身分を隠してゴシップを記事に載せようかと思っていたし、アン王女も自分の身分を隠して自由を味わおうとしてた。でも、新聞記者はゴシップを載せることはせず、王女も新聞記者とのロマンスを終わりにして仕事に戻る。

 この映画は、そういう、人間の尊厳とは何か、と問いかけた話だろう。脚本は、赤狩りで、自分の名前を出せなくなっていたダルトン・トランボ。赤狩りによって、左翼系の人間は仕事が奪われ、仲間を密告しないと彼のように投獄されていた。

 そういう彼だからこそ、人の信頼とは何かを問いかけたのでは。スキャンダルを売り物にするのか、または、それを胸に秘めておくのかという選択によって。

 また、この映画の中で、“真実の口”によって、アン王女もジョーも自分の身分を隠していることを意識して、緊迫する。ダルトン・トランボが、本当のことや、仲間の名を言わされそうになり、それを拒否して、投獄された。この脚本は、真実を言うことが危険な状況になっていた当時のことと重なっているのではないかと思った。

 なかなか凄い作品だったと思う。