ソ連の原子力潜水艦レッドオクトーバーがアメリカの大西洋側沖に突如として現れた。
レッドオクトーバーを先頭ににソ連の潜水艦100機の大艦隊がアメリカに向かって押し寄せて来る。
すわ!米ソの大規模戦闘の始まりか!?そんな感じが、本作のオープニングです。
レッドオクトーバーの艦長ラミウスを演じるのはショーン・コネリーだ。シブくてカッコ良い。彼の勇姿を見るだけでも、本作を観る値打ちがある。これほど貫禄のある演技をする俳優さんはなかなかいない。
本作の中盤で明らかになるのだが、レッドオクトーバーの目的はアメリカへの亡命。しかしアメリカ側にそれを知る由などない。アメリカの潜水艦シカゴがレッドオクトーバーの追撃を始める。ソナーで、レッドオクトーバーの位置を探知しようとするが、プロペラを使わずにキャタピラーというシステムで潜航してる時の音を消し尻尾を掴ませない。
レッドオクトーバーは着々とアメリカ海岸に近づいていくのである。
一方のアメリカ側はラミウスの亡命の可能性を考え始める。きっかけになったのは、アレック・ボールドウィン扮するジャックの進言だ。戦闘を避けるためには、ジャックがラミウスとコンタクトする必要がある。ここからの米ソの駆け引きがなかなか面白い。
防衛のためにレッドオクトーバーに攻撃しようとするアメリカ潜水艦シカゴの艦長(スコット・グレン)、ラミウスを亡命させるためにシカゴの攻撃を止めようとするジャック、どちらが先んじるのか見応えは十分にありました。
潜水艦ムービーでお約束の魚雷のシーンも面白かった。魚雷が潜水艦に接近するに比例して、思わず力が入ってしまう。
これがあるから、潜水艦ムービーに外れなしという格言が映画ファンの間で広がったのだと思います。
果たしてラミウスは亡命に成功するのか、否か?未見の方には観てほしい映画です。
米ソ冷戦下での「アメリカ万歳!」てところが鼻につきますが、エンターテイメント性に優れた良作だと思います。