PLAN75

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PLAN75

レビューの数

120

平均評点

73.0(553人)

観たひと

758

観たいひと

54

(C)2022『PLAN75』製作委員会 / Urban Factory / Fusee

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル SF / 社会派 / ヒューマン / ドラマ
製作国 日本
製作年 2022
公開年月日 2022/6/17
上映時間 112分
製作会社 『PLAN 75』製作委員会(ハピネットファントム・スタジオ=ローデッド・フィルムズ=鈍牛倶楽部=Urban Factory=Fusee)(企画・制作:ローデッド・フィルムズ/制作協力プロダクション:SS工房)
配給 ハピネットファントム・スタジオ
レイティング 一般映画
カラー カラー
アスペクト比
上映フォーマット デジタル
メディアタイプ ビデオ 他
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督早川千絵 
脚本早川千絵 
脚本協力ジェイソン・グレイ 
エグゼクティブ・プロデューサー小西啓介 
水野詠子 
國寶瑞恵 
石垣裕之 
フレデリック・コルヴェ 
ウィルフレド・C・マナーラン 
プロデューサー水野詠子 
ジェイソン・グレイ 
フレデリック・コルヴェ 
マエヴァ・サヴィニャン 
コ・プロデューサーアレンバーグ・アン 
撮影浦田秀穂 
美術塩川節子 
音楽レミ・ブバル 
録音臼井勝 
サウンドデザインフィリップ・グリベル 
照明常谷良男 
編集アンヌ・クロッツ 
スタイリスト岡本華菜子 
ヘアメイク宮谷三千代 
キャスティング細川久美子 
ラインプロデューサー古賀奏一郎 
制作担当金子堅太郎 
助監督近藤有希 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演倍賞千恵子 角谷ミチ
磯村勇斗 岡部ヒロム
たかお鷹 
河合優実 成宮瑶子
ステファニー・アリアン マリア
大方斐紗子 
串田和美 

場面 ▼ もっと見る▲ 閉じる

予告編 ▲ 閉じる▼ もっと見る

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

是枝裕和が総合監修を務めたオムニバス「十年 Ten Years Japan」の一編を元に、出演者を一新した早川千絵の初長編。超高齢化社会に対応して日本政府が導入した75歳以上の高齢者が自ら死を選ぶ制度“プラン75”に翻弄される人々の物語。出演は「男はつらいよ お帰り 寅さん」の倍賞千恵子、「ヤクザと家族 The Family」の磯村勇斗、「サマーフィルムにのって」の河合優実。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

世界の中でも速いスピードで高齢化が進んだ日本では、超高齢化社会に対応すべく、75歳以上の高齢者が自ら死を選び、それを国が支援する制度“プラン75”が施行されることになった。制度の運用が始まってから3年。“プラン75”を推進する様々な民間サービスも生まれ、高齢者の間では“自分たちが早く死ぬことで国に貢献すべき”という風潮がにわかに広がりつつあった。78歳の角谷ミチ(倍賞千恵子)は、夫と死別後、ホテルの客室清掃の仕事をしながら長年、独り暮らしを続けてきた。市役所の“プラン75”申請窓口で働く岡部ヒロム(磯村勇斗)や申請者のサポート業務を担当する成宮瑶子(河合優実)は、国が作った制度に対して何の疑問も抱かず、日々業務に邁進していた。また、フィリピンから出稼ぎに来ていたマリア(ステファニー・アリアン)は高待遇の職を求め、“プラン75”関連施設での仕事を斡旋される。そんなある日、ミチは職場から高齢を理由に退職を余儀なくされる。職を失い、住む場所さえ失いそうになったミチは、“プラン75”の申請手続きを行うか考え始める……。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

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REVIEW 日本映画&外国映画:「PLAN 75」

2022年6月下旬号

UPCOMING 新作紹介:「PLAN75」

2024/03/12

2024/03/12

72点

テレビ/有料放送/日本映画専門チャンネル 


否定的な意見が多いようですが

権利としての安楽死は考えて行くべきと思う。

2024/02/29

2024/03/09

75点

レンタル/千葉県 


ディストピア

高齢化社会をディストピアと設定して政府により75歳になったら死ぬ権利(政府が希望者に安楽に殺してくれる)を選択できる制度をめぐってのドラマ。
ちなみに安楽死は病気等その苦痛や回復する見込みがない限定的な場合に本人の意思に基ずき医師が生命装置を外すので本作の背景となる問題意識とはかなり異なると考える。
本作はまさに人の弱みに付け込んだ合法的殺人(国家的)をクールに事務的に処理している様を描いている。
決して苦痛を取り除くためではなく、国家財政を名目とした自殺幇助罪を行政事務としてこなす話だ。
ヒロインは78歳だがホテルの客室清掃員として仕事をきちんとこなし、1人暮らしをしている。
彼女は仕事仲間を通じてコミュニテイがあり、仕事を通じて生活のリズムと生計をたてている。
ところが仕事仲間の作業中に倒れたことから、高齢者を雇用することのリスク(会社・商売の評判)を避けるため高齢者を一律に解雇する。
このような解雇が労働法上許されないのでは?と疑問に思うが、子の解雇によってヒロインは多くの者を失うことになる。
しかも住居の団地も老朽化を理由に解体されることになり、移転先を探すことになるが職を失った高齢の彼女は移住先を見つけるのも難しい。
公営団地は本来経済的社会的弱者保護のための施設なのだから、行政ももっと丁寧な対応をするとは思うが…。
更に連絡の取れなくなった友人宅に様子を伺いに行ったところで友人の孤独死に遭遇する。
毎日の徒労感、空虚感が重なりついに彼女は死ぬ権利を選択する。
そこから支度金として10万が与えられ、死ぬ日までにコールセンターで15分の通話ができる。
ここで若い話し相手がヒロインの要望を受けて一緒にボーリングをしてメロンソーダを愉しむ。この行為は禁止されていることだが、好感の持てるヒロインの話ぶりに応じたのだ。
この禁止ルールは死ぬ決意をした高齢者の決意を翻意させないように情が映らないように仕向けたルールだ。
このルールの裏側にある効率を最優先して人間性を排除する仕組みはナチスのアイヒマンの行った収容所での大量虐殺と同根である。
実際に生身のヒロインと会い、人柄を知った彼女にはこの制度の非人間的な合理性に気ずいていく。
また市役所でこの制度の窓口として明るく働く若者も、数少ない親族である叔父が申請にきたことから、叔父の生活に関心を持ちは始め情が移っていく。
死ぬ日に施設に叔父を救出に行くが、既に死にせめて集団で埋葬されるのではなく葬儀をしようと叔父の死体を運び出すのも彼の人間性の回復なのか?
長生きが国家目標だった国がいつの間にか本作のようなディストピアをリアルに感じさせることになろうとはあまりにもブラックだ。

2024/03/09

2024/03/09

70点

テレビ/有料放送/日本映画専門チャンネル 


あり得るけどあり得ない。
人命だから。

2024/03/06

2024/03/06

70点

テレビ/有料放送/日本映画専門チャンネル 


姨捨システム

高齢者問題を皮肉って描いた、日本版「ソイレントグリーン」。ソイレントグリーンのように死体を食料にするわけではないが、“75才を区切りとする”高齢者に安楽死を与えることができるという法律が施行される。これでは現代の姥捨て山に他ならない。
倍賞千恵子が歳相応の老いを見せるが、芝居は若々しい。役所のプラン75担当の岡部ヒロム(磯村勇斗)と叔父の最後の交流も泣かせる。また外国人労働者マリア(ステファニー・アリアン)が死体処理施設で働く経緯も分かりやすい。こんなところにも日本の労働問題をそっとはめ込んでいるところが心憎い。
結局生き延びた倍賞はこれからどうやって生きていくのだろうか。

2024/03/03

2024/03/03

75点

テレビ/有料放送/日本映画専門チャンネル 


とても重いテーマである。このような思い切った政策が必要になる時がいつか来るのかもしれない。

2024/02/29

2024/02/29

70点

テレビ/有料放送/日本映画専門チャンネル 


高齢化社会、格差社会

ネタバレ

(70点)とつけたが、もっと低い点をつけたかった。考えさせられるいい映画だったと思わない未来を望むからだ。

役所の男性も高齢者施設で働く外国人も高齢者の話し相手になる先生も若者一人一人はみんなお年寄りにやさしい。それでも社会のシステムはやさしくない。

若者の負担になる高齢者が死を選んでも若者の心を傷つけている。病気の子どもを持つ母親は子供のために強くならなければならないと言われ、お金のため正反対の仕事をはじめる。強くならなくても子供の命が守られる社会になればいいのに。ささやかな幸せすら脅かされる。ひとりひとりはやさしいのにどうしてこんなことにと思わずにいられない。

若者たちは踏みとどまりどうにかしたいと行動するのだけれど、おそらくいづれ諦めるのだろう。若くない私にはそれがわかるからつらい。

「孫のためなら死ねる」というセリフは孫に会えない人や孫のいない人に対してのマウントでもあったように思う。孤独が人に死を選ばせる。誰かのためにではないのだ。

どの年代の人であろうと、みんな生きたいと思っているのはわかっている。

みんなで豊かになれれば、みんな幸せになれるのにと思う。