今でも「魔女狩り」という言葉は残っている。
ネタバレ
あのパージ・シリーズの新作か、と思って借りたが、まったくの別もの。原題は「WITCH HUNT」といって
21世紀のアメリカの魔女狩りが描かれる近未来ホラー映画。
魔女狩りなので、冒頭は魔女の火あぶりから始まる。どうだ、怖いだろ、と言うわけだが…。
近未来アメリカでは憲法修正○○条で魔法の取り締りが合法化となっている。つまり官憲が取り締まる
魔女狩りで、宗教的な背景はない。まあ超能力を持ったエイリアンが迫害されるパターン。その魔女を
迫害から守るためにヒロインの母親マーサが活躍する。ヒロインの女子高生のクレアはマーサのレジス
タンスのような行為が理解出来ない。同じ年頃の魔女フィオナと知り合って、深く共感するようになる。
魔女を題材に分断と排除のメタファーの物語かと思う。
二人は「テルマ&ルイーズ」のヒロインの運命に自分たちを重ね合わせるようになる。ラストシーンの
二人のクルマのダイブはどうなったのだろう。超能力があれば、落ちて破壊されることはないだろう。
監督は魔女を宗教的なしがらみから解放したが、それ以上のヴィジョンは示さない。シネフィル的感性で、
ラストシーンに興味をつなげる作戦で押してきた。すでに完成していたメキシコとの壁に、二人のクルマ
は激突寸前のストップモーションで終わる。これを撮りたかったのかな、魔女よりも…。