なんて興味をそそるタイトルだろう。
そうか? そうかもしれん。いやいや、そんなことないだろう。おそらく男はそんな自問自答を繰り返しながら鑑賞することだろう。
ショッピングモールにあるらしい寂れたメリーゴーラウンド、可愛さよりも不気味さが勝るキグルミ、色とりどりの風船、DJ 後藤まりこの手になるノイジーな曲の数々、インディーズ色濃厚な手触りにめっちゃ面白そうと期待は高まったが、うーん、なぜかノレない、ハマらない。
なぜだろう? これが意外と難しい。
一つ一つのエピソードはそれぞれ面白かった。
先に書いたメリーゴーランドや色とりどりの風船の使い方、キグルミのテイストなんかは大好きだし、midori好きだったわたしとしては音楽、主題歌担当にDJ 後藤まりこの名前を見つけた時は大喜び、期待に違わぬ曲ばかりで嬉しかった。
なのに、なぜ?
あれこれ考えて、まずひねり出した答えの1つが、あの興味をそそるタイトルと内容の相違。“男の優しさは全部下心”とは同僚が口癖のように言う言葉だが、彼女に優しさ的なものを見せるのはこの同僚と、実際下心まみれではあるがゲス野郎の映画監督くらいなもので、他の面々はせいぜい荷物を持ってあげるくらい、逆にそこには下心なかったろうっていうね。
それと、登場人物にリアリティを感じられなかったところか。実際にいそうかどうかという話ではない。この作品世界において、彼らが生きている、存在しているという気配が希薄。表面的というのか。物語を進めるためだけに現れては消えていく存在のよう。でももしかしたらこれは意図的にそうしているのかもしれない。だとしたら、完全にわたしにはミスマッチの作品ってことになってしまうのだが…。
あの幽霊とその彼氏の描き方、飲み食いしては口からぼとぼと溢れるとことか、耳許で囁いて原稿を書かせるとことか、ホント大好き。
あと、『地下鉄のザジ』を思い出させるラストの台詞とか、好き。
好きがいっぱいだっただけに不完全燃焼の印象なり。