平安時代を舞台にした、伴大納言絵巻を題材にした時代劇ミステリーコメディ。
いかにもレンタルですというような着物はいいのですが、コメディの割り全く笑えないのが残念な作品でした。
この応天門の変には絵巻があり、そこに謎の人物が描かれているというもの。
この人物は誰なのかというミステリーを軸に、左大臣と大納言の権力争いを描いたストーリー。
主演は柳沢慎吾さんで、この時点でコメディが確定。
また、演技よりも素の柳沢慎吾さんを期待したものと思われ、これには十分にこたえていると思います。
特に結末の大納言に向けていう「あばよ」は期待通りの台詞でした。
宿敵となる大納言を演じるのは狂言師の和泉元彌さん。
これがコメディなので本気で演技しているとは思えないのですが、完全に演技が浮いちゃっている。
劇中におまるに手を入れるシーンがあるのですが、文字通りの臭い演技でした。
ミステリーという点では、権力争いの果てに応天門に火をつける。
この犯人は左大臣なのか、大納言なのか。
2人共犯人ではなく、犯人をほのめかした終わり方となっている。
そんなところはいいのですが、ストーリー構成がほとんど左大臣と大納言のやり取りのため、動機がなぜ?という新たなミステリーが生まれただけでした。
小規模作品のためあまりケチをつけたくないのですが、1,800円払って観る作品ではなかったです。
さて、この日は舞台挨拶付き。
監督と咲良さん、元経役と民衆役の若手2名が登壇。
咲良さんからカツラが馴染まなくて大変だったとありました。
スタッフも担当したので、役との切り替えが大変ともありました。
柳沢慎吾さんは休憩中も話して騒がしかったとありました。
元経からはちょうど1年前の撮影で、裸足で寒かったとありました。
また、着物を踏んで破いてしまったともありました。
民衆の方はミックスチャンネルというアプリで勝ち上がって採用され、演技経験もなくアドリブがつらかったとありました。
アフレコで消したけど、「ヤバイ」といってしまったともありました。
最後に監督から公開中にも関わらず、劇場限定で本作のDVD販売の宣伝もありました。
利益は劇場上映よりあるそうですが、利益の一部を劇場にも分けるとありました。