怪獣伝説を描きたかったようで、明治42年の九州の山奥という設定。湖があり、題名のごとく狭霧の國
となる。佐藤大介監督は脚本、撮影、編集、美術を担当するワンマンスタイル。Eiga800ponさんも指摘
しているが、堀貴秀監督の「JUNK HEAD」に通じる個人パワーの意地と誇りが感じられる。
基本は人形劇で、ミニチュアと着ぐるみの怪獣で幻想的な映像が続く。
主人公栄二が九州の山奥の実家に帰る。屋敷には失明して婚家から離縁された従妹の多紀理と出会う。
多感な多紀理は湖で孤独を慰める。後をつけていた栄二は、湖に住む首長竜を目撃する。霧と鳥居で
村の守護神のような気もさせる。しかし村人は、首長竜が暴れては困るので、多紀理を生け贄にする
計画を立てる。勝手な村人の思いに首長竜は破壊力を見せつける。村の家をつぶし、明治の象徴の
石造りの橋を破壊する。破壊から免れた栄二と多紀理は抱き合い、平和を誓う…。
ウィキペディアを読むと、佐藤大介監督も怪獣の造形を担当した村瀬継蔵も、東宝の怪獣映画の仕事
仲間。裏方同士、クラウドファンディングで資金を集めて、自分たちの怪獣映画を作ったことは特筆に
値する。音楽は既成の曲を使ったようだが、英詩の歌もあり上々の雰囲気を作り出した。尺は短いが、
観客の満足度は高いはず。