ビリーブ 未来への大逆転

びりーぶみらいへのだいぎゃくてん|ON THE BASIS OF SEX|ON THE BASIS OF SEX

ビリーブ 未来への大逆転

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レビューの数

96

平均評点

76.2(509人)

観たひと

705

観たいひと

75

(C) 2018 STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC.

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 社会派 / 伝記 / ヒューマン / ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 2018
公開年月日 2019/3/22
上映時間 120分
製作会社
配給 ギャガ
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声 5.1ch

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督ミミ・レダー 
脚本ダニエル・スティエプルマン 
製作総指揮ダニエル・スティエプルマン 
製作ロバート・W・コート 
ジョナサン・キング 
撮影マイケル・グレイディ 
美術ネルソン・コーツ 
音楽マイケル・ダナ 
主題歌KESHA
(『Here Comes The Change』((ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル))
編集ミシェル・テゾーロ 
衣装アイシス・マッセンデン 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演フェリシティ・ジョーンズ Ruth Bader Ginsburg
アーミー・ハマー Martin Ginsburg
ジャスティン・セロー メル・ウルフMel Wulf
キャシー・ベイツ Dorothy Kenyon
サム・ウォーターストン Erwin Griswold
スティーヴン・ルート Professor Brown
ジャック・レイナー Jim Bozarth
ケイリー・スピーニー Jane Ginsburg

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

史上初の男女平等裁判に挑んだ女性弁護士をめぐる実話を「博士と彼女のセオリー」のフェリシティ・ジョーンズ主演で映画化。1970年代。夫からある訴訟の記録を見せられたルースはその訴訟が、歴史を変える裁判になることを信じ、自ら弁護を買って出るが……。共演は「君の名前で僕を呼んで」のアーミー・ハマー、「ミザリー」のキャシー・ベイツ、「ガール・オン・ザ・トレイン」のジャスティン・セロー、「女神の見えざる手」のサム・ウォーターストン。監督は「ディープ・インパクト」「ザ・エッグ ロマノフの秘宝を狙え」のミミ・レダー。脚本は、主人公ルースの甥であるダニエル・スティエプルマン。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

アメリカの貧しいユダヤ人家庭に生まれたルース・ギンズバーグ(フェリシティ・ジョーンズ)は、すべてに疑問を持てという亡き母の言葉を胸に努力を重ね、名門ハーバード法科大学院に入学。だが1956年当時、500人の学生のうち女性は9人、女子トイレすらそこにはなかった。家事も育児も分担する夫マーティ(アーミー・ハマー)の協力のもと、大学を首席で卒業したルースだったが、法律事務所で働くことは叶わなかった。当時は女性が職に就くのが難しく、自分の名前でクレジットカードさえ作れなかった時代。やむなく大学教授になったルースは、70年代になってさらに男女平等の講義に力を入れ始めるのだった。そんなある日、弁護士の夢を捨てきれないルースに、マーティがある訴訟の記録を見せる。ルースはその訴訟が、歴史を変える裁判になることを信じ、自ら弁護を買って出るのだが……。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2019年4月上旬号

UPCOMING 新作紹介:「ビリーブ 未来への大逆転」

REVIEW 日本映画&外国映画:「ビリーブ 未来への大逆転」

2022/03/04

2024/03/31

68点

選択しない 

女性差別という理不尽な壁。壁を破るのはいつも弱い立場に立たされている側の人だよな、という事実にはっとさせられる作品。

後にアメリカで最高裁判事を務めることとなるルース・ギンズバーグ(フェリシティ・ジョーンズ)は、貧しいユダヤ人家庭に生まれ、努力の末に名門ハーバード法科大学院に入学する。夫マーティン(アーミー・ハマー)の協力のもと彼女は大学院を首席で卒業するが、女性であることを理由にルースを雇い入れる法律事務所はどこにもなかった。やむなく大学教授となったルースは、男女平等の講義に力を入れながらも、弁護士への夢を捨てきれずにいた。やがてある訴訟記録を目にし、それが歴史を変える裁判になると信じたルースは自ら弁護を買って出るが…。

邦題はクサいし、展開も前半で読めてしまったものの、芯の通った力作でした。

2023/08/20

2023/08/21

70点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/レンタル/タブレット 


今となっては

つい最近まで、このような男女差別が堂々と罷り通っていたアメリカの現実に驚き。ルーズ・ギンズバーグの功績は、どれだけ賞賛されてもいい。
映画的には、ちょっと難しい。法的なせめぎ合いを楽しめる人には興味深くおもしろいだろうけど、普通の感覚でみてるとついていけないかも。

2023/07/22

2023/07/22

72点

VOD/Hulu 


もっとうまくやれたはず

題材はいいのだからもっとうまくやれたはずというのが第一印象。悪くはないのだが色々な部分でちょっとずつ足りない、ゆえに満足度が上がらないという感じ。現存する人物を扱う難しさはあるだろうがもう少しがんばって欲しかった。あと主役のキャラ作りがイマイチなのに対し、脇役の夫がよく出来すぎ。男(夫)嫌いに振り切り過ぎないようとの配慮かもしれないが、おかげで主役がかすんでしまった。邦題がまずいのもマイナスポイント。

2023/04/28

2023/04/28

72点

VOD/U-NEXT 
字幕

女性の権利を訴えた人々と実話映画は色々ありますが、これもその1つ。
女性権利に限った事ではないですが、歴史の中では、のほほーんと生きてる私達とは違って、こうして問題意識を持ち、信念をもって社会を変えようという人達が本当に沢山いたのだなあと、映画を通して思い知らされる事が多いです。
そして、万国共通どこの国も、こういう歴史を辿ってきたんだなあと。
が、そんな中で日本は遅れをとっているというか、お偉いさん達の都合のいいほうへいいように利用されているなと感じました。
映画はレディースデイ、電車は女性専用のみ、女性に手厚いようにも見えますが、この作品を見ると、女性に良くするだけではなく、男女が同じにならなくてはなる事が大事なのだなと。
女性が働けるように、とかいいながら、実は税収とか、控除をなくさせるために動いてる日本のクソ政治家達にウンザリしてしまいますね。

男女差別をテーマとしているだけあって、ルースの夫が、この時代には考えられないほど家庭や育児に協力的な姿が眩しかったです。
フェリシティ・ジョーンズの、芯のある女性は好演ではありましたが、劇中でも言われていたように、最後のスピーチ以外はだいぶ頭でっかちで感情的な女性に見えてしまったのですが、ご本人もこんな感情的な感じだったんでしょうかね。

2023/01/14

2023/01/15

75点

その他/TSUTAYA DISCAS 
字幕


すべてに疑問を持て

映画の出来不出来より、実在の人物ルース・ベイダー・ギンズバーグ女史の生き方に感動した。彼女は、映画での裁判の勝利のあと後年は連邦最高裁判所の判事まで勤めたが映画公開の後の2020年に亡くなっていました。
あの民主国家のアメリカで1970年当時にもこんな男女差別の法律がまかり通っていたことに驚きました。女性はクレジットカードが作れないとか、残業ができないとか。男が料理を作ってはいけないと法律化されていることにも。(日本でも男子厨房に入るべからずとの言葉はあったが)
私も1970年代前半に就職したが、日本でも多くの女性社員は働いていた。
このような男女差別に立ちあがったルース(フェリシティ・ジョーンズ)は、夫マーティ(アーミー・ハマー)の得意とする税金関係の訴訟の一例から、上告して闘い法律改正の蓋をこじ開けた。この一例と言うのがまたすごい法律。独身の男性が母親の介護を行っているが、当然働きながらだから、介護人を雇う。その費用を税金控除として申請するが却下されると言う事例。このような男女差別の事例の法律が数百も存在しており、その多くが100年前から改正されないまま。
日本でも民法などに探せばありそうだ。どなたか立ち上がれ。
ルースの母親の育て方が素晴らしかったのでしょう。母の言葉「すべてに疑問を持て」を娘ジェーンにも話して聞かせたが、この言葉はこの家族で伝わって行くことだろう。
ジェーンは、コロンビア大学のロースクールの教授を務めているようで伝統はつながっている。
夫マーティは、精巣ガンで生存率5%の宣告を受けたが、家族の介護などで回復して活躍。彼も後大学の教授を務めた。
実在の素晴らしい一家の物語でした。

2022/11/09

2022/11/09

83点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/レンタル/テレビ 
字幕


邦題が最悪だが映画は最高

『ビリーブ 未来への大逆転』On the Basis of Sex(性別による差別)2018

この邦題をつけた人は
『ドリーム 私たちのアポロ計画』Hidden Figures(隠された数字・人物)
『未来を花束にして』Suffragette(サフラジェット)と同じ担当者ではないか。男女平等を求める女性映画にはフワッとした優しげな邦題を付けた方がいいと判断したのだろう。よくよく女性を馬鹿にしている。閑話休題(ソレハサテオキ)

フロイント教授「裁定はその日の天気には左右されないが、時代の空気に左右される」

グリーン弁護士「女性、母親、ユダヤ系。よく面接にこぎつけたね。君は大変優秀だ。だが女房連中が嫉妬するから雇えない」

「『100年前に負けたって今負けるとは限らない』誰の言葉か知ってる?アティカス・フィンチだよ」

アティカス・フィンチは『アラバマ物語』の主人公。黒人差別と戦った弁護士。アメリカ映画ヒーローの歴代1位。演じたのはグレゴリー・ペック。

2020年に亡くなったアメリカ合衆国最高裁判事ルース・ベイダー・ギンズバーグの伝記映画。男女平等のために戦い続けた女性法律家。

ルースと夫マーティは所得税控除の裁判で政府を訴える。母の介護のために看護婦を雇ったがその費用の所得税控除が認められなかった。何故なら被告が独身男性だったから。控除が認められるのは女性だけとされていたからだ。介護は女性の仕事とされていたから。

政府を訴えたルース達を叩き潰すため政府側は一丸となって対抗策を練る。

「判事たちに未来のアメリカを想像させてやれ。判決を間違えれば子供が家に帰っても家に誰もいない。母親が働いているからだ」
「女に男と同じ仕事ができるものか。男の稼ぎがないと家族を養えん」
「給料が下がり離婚が増え社会基盤が崩れるでしょう」
「アメリカの家族の危機だと判事たちによく分からせろ」

政府側の役人や教授の言い分は統一協会の教義と驚くほど似ている。「男は労働、女は家庭」という家庭観を共有して統一協会がアメリカにも広がったのがうなずける。

ルース「急激な社会変革?私がハーバード・ロー・スクールに入学した時女性用トイレが無かった。100年前だったら私はこの法廷に立つことすらできなかった。たくさんの負の遺産をつみかさねて今がある。国に誤りを正す自由を認めてほしい。時代が変われば法律も変わるべきなのです」

行き詰まる裁判場面、力強いルースの言葉が法廷に響く。胸を打つ名場面だ。

ギンズバーグはたくさんの裁判を通して男女差別を撤廃して行った。そして素晴らしいのは1930年代(昭和一桁)生まれなのに夫マーティが男女平等を実行していた人物であること。料理をして育児をしてルースの才能を信じて支える。

全国の高校生に授業の一環として見せたいくらいだ。家庭連合の講演よりずっと有益。

そしてラストのご本人登場が最高だった。

追記
ルースとマーティ二人が仕事を十分に成し得たのは映画では全く登場しない人物のおかげだろう。それはベビーシッター。日本ではあまり普及しておらず仕事を持つ母親は保育園に入れなくて苦労をしている。ベビーシッターが全く登場しないところがかえって不自然だった。ここがこの作品のキズ。かな。