さくら病という、人間がさくらになってしまう病気が蔓延した世界を描く。
ホラーでもなく、パニック映画でもない。
掴み所がないと思っていましたが、ヒューマンドラマとして見るのが良いと思いました。
また、このさくら病は放射能汚染か何かのメタファーかと思ったのですが、見ていてる限りではそうにも見えない。
上映後のトークショーで何も表現していないというのを聞いて、自分の想像力が乏しかったのではないと確認出来て良かったです。
そもそも、さくらを題材にして、人間の死について語っているのが面白いです。
さくらといえば儚いとかあるかもしれませんが、やはりキレイだとか、花見だとか華やかな印象がある。
しかし、桜の木の下には死体が埋まっているなんてことも聞いたことがあるので、そんなさくらの別の面を表しているのが面白かったです。
また、ソメイヨシノは自ら繁殖することが出来ない。
なので、その美しさで人間を支配しながら繁殖していくという解釈が興味深かったです。
さくら病にかかった奥さんと旦那によるストーリー。
奥さんの両親や弟も、さくら病でさくら病で亡くなっている。
奥さんの幼少時代も掘り下げるのですが、ストーリーにほとんど繋げることが出来ません。
また、オープニングに登場する、女がさくら病に犯されたカップルはなんだったのか。
単なるさくら病の説明要員だったのか。
最後に満開の桜の下で「いつか迎えに来て」という旦那に、ようやく死を迎えるものを送る作品なんだとわかりました。
正直なところ、監督の意図しているところは、あまり理解していないと思います。
客を信じているのか、置いてきぼりにしているのかわかりませんが、監督ワールド全快の作品かと思いました。
さて、この日はトークショー付き。
監督(カメ止めのTシャツを着ていた)と劇場トイレで横並びになった「カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督が登壇。
上田監督からは初見だったらしく、感想が難しいと言っておりました。
上田監督からは、なんで人がさくらになるのを撮ろうと思ったのか?と質問したところ、
元々、さくらで撮ろうとは思っていたそうです。
ある日、人体からさくらが出たら面白いだろうということで作ったそうです。
去っていく人を追うようなものを撮りたいとのこと。
さくらと死の相性の良さや、ビジュアルでもキレイだからとありました。
さくらを何かに置き換えている訳ではないとありました。
花が咲いた瞬間が死を表しているとのこと。
設定的には、病に関しては何かを決めないと決めていたそうで、その辺はフワフワしているとのこと。
さくらになって死にいたるまでも、人によって違うとのこと。
上田監督からは不親切(苦笑)とあり、監督からは客がどこまで着いてこれるかとありました。
災害なんて何が起こるのかわからないので、この病気もあえて決めなかったそうです。
ラストシーンまでは何をやっているのかわからなくても、最後でわかってもらえるようなことをやりたかったとありました。
自分の中でまっすぐに変に突き進んで、変態だと上田監督からありました。
ティム・バートンやスピルバーグが好きと監督からあり、BTTFのようなSFが好きとありました。
上田監督から全然イメージつかないと、突っ込みが入っておりました。
最後はさくらのキャストと、なぜかカメ止めのキャストも登壇して記念撮影して終わりました。