こちら平幹二朗&栗原小巻版《NINAGAWAマクベス》のレビューです
東宝のマークから始まる。4:3のスタンダードサイズ。
旧いタイプの劇場中継の舞台映像化。1985 年の舞台。
ブラームス弦楽六重奏、《恋人たち》のテーマが何度か流れるが、どうなんだろう?バーバーの《弦楽のアダージョ》も色が付きすぎちゃうと思う。
ここまで狂気じみた栗原小巻、初めて見た。
デイヴィッド・パウントニーのヴェルディ《マクベス》の糞演出の後では、仏壇舞台や日本の戦国時代など本当に頭がいいと思う。
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ここまで4年前に30分ほど見て書いた。
半世紀ぶりぐらいにテキスト読み返し(昔読んだのは福田恒存訳、今回は松岡和子訳)最初から通して見たのだが、これは日本人が演じる旧いタイプのシェークスピアでかなりつまらないし、くさい。
装置、衣装はたしかにユニークで面白いが、それは本質的なことじゃない。
✖️音楽が変!場面転換やバンクォー殺害の場にブラームス弦楽六重奏のあの有名な変奏曲のテーマが流れる。マクダフの妻と小さな子供と赤ん坊殺しにもこの音楽!終幕の戦いの最中にはバーバーの弦楽のためのアダージョ、そしてマクベスの死にフォーレ、レクイエムのピエ・イエズス!選曲がダサ過ぎる。映画でも有名クラシックの安易な使い方にウンザリさせられるが、もっと色のついてない曲を選べよ、と言いたい。
△栗原小巻、実は最近、昭和の懐かしいドラマ「三人家族」「二人の世界」を見て好感を持っている。いかにもな良家の令嬢という印象の彼女が典型的毒婦を平然と演じてるのがいい。吉永小百合にできるだろうか、こういうこと。なぜ誰もオファーしないのかな?ま、それは別の話だが。
▼この舞台にのれないのは直近で文学座「夏の夜の夢」、小栗旬「間違いの喜劇」を堪能したせいじゃないだろうか?昭和のシェークスピアって大仰なんだよ。「シェークスピアでござい」感が強くて神棚に祀ってあるものを拝め!と言われているよう。普通の芝居を見てる感じがしないのだ。
田中裕子のも見てみよう。