フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法

ざふろりだぷろじぇくとまなつのまほう|THE FLORIDA PROJECT|THE FLORIDA PROJECT

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法

amazon
レビューの数

124

平均評点

75.1(646人)

観たひと

928

観たいひと

130

(C)2017 Florida Project 2016, LLC.

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ヒューマン / ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 2017
公開年月日 2018/5/12
上映時間 112分
製作会社
配給 クロックワークス
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット デジタル
メディアタイプ ビデオ 他
音声 5.1ch

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

第90回アカデミー賞助演男優賞ノミネートほか多数の映画賞を席巻したドラマ。フロリダのディズニー・ワールドの外側にある安モーテルで、母ヘイリーと暮らす6歳のムーニーは夢のような日々を送っていた。だが、ある出来事によって現実が影を落とし始める。監督・共同脚本は、「タンジェリン」のショーン・ベイカー。出演は、本作で放送映画批評家協会賞最優秀若手俳優賞などを受賞した子役のブルックリン・キンバリー・プリンス、「オリエント急行殺人事件」のウィレム・デフォー。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

6歳のムーニー(ブルックリン・キンバリー・プリンス)は、フロリダのディズニー・ワールドのすぐ外側にある安モーテル“マジック・キャッスル”でママのヘイリー(ブリア・ヴィネイト)と暮らしている。ある日、隣のモーテルに同年代の女の子ジャンシー(ヴァレリア・コット)が越してきたと聞くと、仲良しの男の子スクーティ(クリストファー・リヴェラ)たちとモーテルに向かい、彼女のおばあちゃんの車にいたずらをして大目玉をくらう。ムーニーたちはジャンシーを仲間に加え、安モーテルや土産物店が立ち並ぶハイウェイ脇のエリアを探索。マジック・キャッスルに戻ると入室禁止の部屋に忍び込み、モーテル中の電気をストップさせる。モーテルの管理人ボビー(ウィレム・デフォー)はムーニーたちを叱るが、子どもたちは悪びれる様子もない。ムーニーは失業したヘイリーを助けるため、ダイナーで働くスクーティの母アシュリーからワッフルをもらったり、教会のフードドライブで食料をもらったりしていた。次の仕事が見つからないヘイリーは、リゾートホテルの前でニセの香水を売り始める。ある日、ムーニー、スクーティ、ジャンシーは古い空き家だらけのエリアへ冒険に出かける。荒れた家で暖炉を見つけたムーニーは、ライターを持っていたスクーティに火を点けてほしいと頼む。3人は親には内緒の約束をして別れる。モーテルに戻ると、ヘイリーが火事に大はしゃぎしていた。スクーティの様子がおかしいことに気づいたアシュリーは真相を知り、ムーニーと遊ぶことを禁ずる。スクーティ親子の態度が変わったことに気づいたヘイリーはアシュリーを問い詰めるが、理由は分からない。モーテルに居住は許されないというルールのため、ヘイリーとムーニーは月1回、向かいのモーテルに滞在する。しかし10ドルの値上げを言い渡されトラブルに。行き場がなくなった二人を受け入れてくれたのは、ジャンシーのおばあちゃんだった。香水売りも取り締まられたヘイリーはある決意をする。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2018年8月上旬特別号

読者の映画評:「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」川久保圭子/「万引き家族」井口祐介/「心と体と」

2018年6月上旬特別号

REVIEW 日本映画&外国映画:「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」

2018年5月下旬号

「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」:インタビュー ショーン・ベイカー[監督]

UPCOMING 新作紹介:「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」

2024/11/27

2024/11/27

90点

VOD/U-NEXT 

・U-NEXTの配信が一旦終了するので、6年ぶりの鑑賞 なぜだか自分のツボにはまる作品 ムーニーを見ているだけでただ楽しく切ない

・絵づくりルックの良さ、説明なくすんなり入る脚本、エモーショナルな演技と内容 すばらしい
・母ヘイリーの生活やたばこ、身なりなどとってもだらしないが、娘ムーニー対する一途さが日常のやり取り(スコール下の戯れ、児童家庭局に引き取られる朝のホテル食い逃げ)から感じ取れる 友人を殴ったり短絡的に激怒したり、フロントに怒りに任せて生理用品をぶつけたりするがとにかく魅力的
・管理人ボビー(デフォー)の怖くてまじめだが、住んでいるみんなの心に寄り添う気持ちが感じられる 子供に近づく不審者を追い出す所はかっこよすぎる ヘンリー、ムーニーへの仕方なくもあるが愛の溢れる対応、ルール上連続滞在できない中での、ほかのホテルを説得する場面もよい
・子役たちの自然すぎる日常 貧困な環境だが無邪気に時には大人を小バカにし、生き生きと生き抜く姿は胸を打たれる 悪口(プールのトップレスのおばさん)やひどい行動(車につば、金を恵んでもらってのアイス)などやること成すことクソガキ行動だが、いつまでも見られる 特に、ムーニーの演技は驚異的
・放火の発覚から、母の親友との関係が悪化し、貧困が徐々に迫るが娘目線で描かれ悲壮感は漂ってない 一方、何度もムーニーの入浴シーンが続くが、最後に母売春中とわかる所が切なくうまい
・ディズニーワールドの入場パス腕輪が売春中に盗んだもので、盗まれた側の演技とデフォーの対応(家族旅行中のことだから内密にしろ)から理解できるのは◎ この場面のヘイリーの客に対する挑発的で馬鹿にした対応も最高
・映画全体のルックは素晴らしい 遠景で子供たちが通り過ぎる街の美しさ モーテルやフロリダの空などのビビットで広がる空間、花火を見る家族、とにかくエモい また、ヘリがやたらと飛び交い、貧富の境界として表現も巧み
・ラストのムーニーが友達ジャンシ―に別れを告げに行くシーン うまく説明ができずでも内心最後の別れを悟ったムーニーの涙と理解したジャンシ―、ディズニーに二人で手を取り合って走るシーン、セリフなどで説明の無かったディズニーワールドが最後に目の前に出てきてハッピーではないものの良いラスト
 

2024/08/01

2024/08/01

30点

テレビ/有料放送/ザ・シネマ 
字幕


理解出来ない世界

我が国に於いても産まれた子どもはとても大切だ❗しかしまともに育てることの出来ないシングルマザーを放置する訳には行かない。早めの厳しい対応をせざる得ない。国の宝を守る為に‼️

2024/01/04

2024/01/05

70点

映画館/東京都/キネカ大森 


希望格差社会

ディズニーワールド近くのモーテルで暮らす母娘。
貧困シングルマザー。けど、ありがちな虐待とかは無い。

親も子も、毎日楽しく気楽に生きている。
モーテルで暮らす他の家庭も似たり寄ったり。
貧困から抜け出す術を知らない。

偽物の香水を売ったり、売春の客のものをくすねたり、そうこうするうちに、児童養護施設の職員がやってきて、母娘を引き離そうとする。
泣き叫ぶ母娘。

日本にもある話で、貧困は親から子へと連鎖し、抜け出す術がない。子にしてみると、未だ貧困であるという認識すらない。

「希望格差社会」という言葉を聞いたのはもう20年以上前だ。
その本を読んで、問題の底深さを痛感したのだが、
そっから格差は開く一方である。

子供が本当に無邪気なのが、哀しく見える。

2023/05/23

2023/05/23

60点

テレビ 
字幕


子どもたちの視線に住み着く人々

ピンクともパープルとも言えない外壁で,3階建の建物に人々は住まいしている.隣の建物にも人々が住んでおり,その2階通路から駐車場に駐車してある車のフロントガラスに向かって唾を吐きかけている.車からの視線に応じ,大掛かりで目立つ意匠を店構えが並ぶ.ここはフロリダで,子どもたちは夏休みを持て余し,その保護者たちも子どもたちに手を焼いているようで,あまり保護も養育も躾もしていない.モーテルを管理するビリー(ウィレム・デフォー)も外壁の塗装から,モーテルの会計,共用部から敷地内の警備までさまざまに建物の世話を焼かなければならない.子どもたちははしゃぎ,騒ぎ,アイスクリームを食べている.ここは観光地で,この界隈にまともな食事は感じられず,人々の相互の貸し借りの関係の中で,飲食業にたずさわる者たちから回されているようにも感じる.ファストフードのほか,土産物やファンシーグッズが売られれている店が並ぶ.ヘリが飛び,車が乗りつけられ,人々は踊っている.
子どもたちは空き家を放火する.そこはフロリダらしく雨が降り出す.地平線近くに夕日が沈み,ビリーがとりあえずタバコを吸い出すと,モーテルの照明が薄暗さに反応し,自動で点灯する.火事が起こると,野次馬として人々は集まり,その火事を評し,感慨に浸っているようでもある.
母らしきヘイリー(ブリア・ヴィネイト)と子らしきムーニー(ブルックリン・キンバリー・プリンス)はそこに住み着いている.生計も関係も不安定であり,助け合いや友だちもいつまでも続くわけではない.ワールドへ入場するためのマジックバンドは盗まれ,売られ,その金が母子のその日暮らしを成り立たせている.キャメラは,そうした生活の断片を捉え,諍いを捉え,彼女らのジャンプやダンスの運動を追いかけようとしている.騒がしい音楽のほかにも,物が割られ,投げつけられ,ヘリがプロペラを鳴らし,車に轢かれ,人が人を殴る音などが聞こえてくる.人々の声もそうした衝突,破壊,落下などと地続きにあるように感じられる.子どもたちは,こうした事件の視線で人々の間に立ち入りながら見つめているように思える.

2023/03/23

2023/03/23

65点

テレビ/無料放送/その他 
字幕


子供が主演でこれほどイタい作品も珍しい。
安モーテルでその日暮らしを続ける下層階級の人々。すぐ近くには夢の国のディズニーワールドという何とも皮肉で厳しい現実。
心根はピュアでも普通の大人としての生活が出来ない母親に育てられている娘は、こちらは大人顔負けのしぶとさと図太さをいつのまにか身につけている。しかし、それは本当は弱くて寂しい純粋な心を隠す張り子の鎧でしかない。
貧富の差の激しい現実は純粋さだけでは許してくれない辛辣さと冷酷さを突き付けて来る。

2023/03/13

2023/03/13

-点

テレビ/無料放送/その他 
字幕


友達いるし元気やし

叱ってくれる大人も居てるし
守ってくれる大人も居てるし
お仕事してる大人も居てはる