【あらすじ】
盗賊団が馬車を襲撃しているところを目撃したサルタナ(ジョージ・ヒルトン)。しかし金品を奪わずに去っていくので不審に思うと、袋に詰められたのが砂金ではなく、ただの砂だった。そこで、盗賊団が去っていった町へやってくる。その町は金鉱の利益をほしいままにするスペンサー(ピエロ・ルリ)一味が牛耳る町だった。そのスペンサーの手下である盗賊団、酒場の女主人と金の亡者たちの町へ女ものの日傘をさした白づくめの気障なガンマン、サパタがやってくる。サルタナ、スペンサー、サパタ(チャールズ・サウスウッド)の三つ巴で騙しだまされの闘いが始まる。スペンサーはサルタナの指示にしたがって、サパタに仕事を頼むように仕向けるが、サルタナとサパタが協力して盗賊団を一掃、女主人がサルタナに金の山分けを条件に手を組む。盗賊団をやっつけた後でサルタナはサパタを射殺する。女主人はサルタナをだまして金をすべて奪おうとするが、撃たれたふりをしていたサパタが女主人の手下どもをやっつけた。
【レビュー】
盗賊団が襲った馬車に仕掛けたダイナマイトの導火線の火を消すのに投げた水筒を銃で打ち抜き、その水が導火線にかかる、という冒頭の場面からしてマカロニっぽい凝った見せ場を持ってくる。サルタナがテーブルクロスに大きいパンを置いている。銃は背後にガンベルトと一緒にかけてある。そこへ襲ってきた敵をやっつける。パンに大きな穴が開いている。サルタナが小さい銃を持っていた。と言った具合の凝り方こそがマカロニ・ウェスタン。本場ものの情緒はないけれど、荒唐無稽だろうが何だろうが面白く見せることに徹している。サパタもご婦人用日傘に白づくめのキャラが立っている。ドンデン返しがいくつかあったりして娯楽色たっぷり。またマカロニによくある復讐話じゃないから変に陰惨や重い雰囲気にならずにいるのも良い。