日日是好日(にちにちこれこうじつ)

にちにちこれこうじつ|----|----

日日是好日(にちにちこれこうじつ)

amazon
レビューの数

212

平均評点

75.5(1141人)

観たひと

1538

観たいひと

122

(C)2018「日日是好日」製作委員会

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 2018
公開年月日 2018/10/13
上映時間 100分
製作会社 「日々是好日」製作委員会(ハピネット=テレビ東京=東京テアトル=パルコ=朝日新聞社=TBSラジオ=テレビ大阪=イオンエンターテインメント=カラーバード=ベンチャーバンク=ハーベストフィルム=グランマーブル=ヨアケ)(製作幹事:ハピネット=ヨアケ/制作プロダクション:ヨアケ=ハーベストフィルム)
配給 東京テアトル=ヨアケ
レイティング 一般映画
カラー カラー
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督大森立嗣 
脚本大森立嗣 
原作森下典子
(『日日是好日 –「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』(新潮文庫刊))
プロデューサー吉村知己 
金井隆治 
近藤貴彦 
撮影槇憲治 
美術原田満生 
堀明元紀 
装飾田口貴久 
音楽世武裕子 
録音吉田憲義 
音響効果伊藤進一 
照明水野研一 
編集早野亮 
衣装宮本まさ江 
ヘアメイク豊川京子 
ラインプロデューサー伊達真人 
制作担当飯塚香織 
助監督小南敏也 
森井勇佑 
スチール三木匡宏 
題字赤松陽構造 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演黒木華 典子
樹木希林 武田先生
多部未華子 美智子
原田麻由 田所
川村紗也 早苗
滝沢恵 由美子
山下美月 ひとみ
郡山冬果 郡山冬果
岡本智礼 典子の弟
荒巻全紀 
南一恵 
鶴田真由 雪野
鶴見辰吾 典子の父

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

森下典子の人気エッセイを「光」の大森立嗣監督が、黒木華主演で映画化。20歳の大学生・典子は、突然母親から茶道を勧められる。戸惑いながらも従姉妹の美智子と共に、タダモノではないとうわさの茶道教室の先生・武田のおばさんの指導を受けることになるが……。共演は「万引き家族」の樹木希林、「あやしい彼女」の多部未華子、「海を駆ける」の鶴田真由、「ばぁちゃんロード」の鶴見辰吾。撮影を「リバーズ・エッジ」の槇憲治、音楽を「羊と鋼の森」の世武裕子が務める。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

真面目で理屈っぽい20歳の大学生・典子(黒木華)。おっちょこちょいな自分に嫌気がさす典子は、ある日、母親(郡山冬果)から「お茶、習ったら」と突然勧められる。意味がわからず困惑する典子だったが、同い年の従姉妹・美智子(多部未華子)からも誘われ、二人は自宅近くにある茶道教室の先生を訪ねる。その先生は大きな家にひとりで暮らし、巷で“タダモノじゃない”とうわさの武田のおばさん(樹木希林)だった。稽古初日。典子と美智子を茶室に通した武田先生は、挨拶もほどほどに稽古を開始。折り紙のような帛紗さばき、ちり打ちをして棗を『こ』の字で拭き清める。茶碗に手首をくるりと茶筅を通し『の』の字で抜いて、茶巾を使って『ゆ』の字で茶碗を拭く。お茶を飲み干すときにはズズっと音をたてる。茶室に入る時は左足から、畳一帖を六歩で歩き七歩目で次の畳へ……。意味もわからない所作に戸惑うふたり。毎週土曜、そんなふたりの稽古は続いた。鎌倉の海岸。大学卒業を間近に控えたふたりは、お互いの卒業後を語り合う。美智子は貿易商社に就職。だが典子は志望の出版社に落ちて就職を諦めていた。就職後、美智子はお茶の稽古をやめてしまったが、出版社でアルバイトをしながらお茶に通う典子には後輩もできた。お茶を始めて2年が過ぎる頃、梅雨どきと秋では雨の音が違うことに気付く典子。冬になり、お湯の“とろとろ”という音と、“きらきら”と流れる水音の違いがわかるようになった。がんじがらめの決まりごとに守られた茶道だが、その宇宙の向こう側に、典子は本当の自由を感じ始めるのだった。お茶を習い始めて10年。いつも一歩前を進んでいた美智子は結婚し、ひとり残された典子は、好きになったはずのお茶にも限界を感じていた。中途採用の就職試験にも失敗。お点前の正確さや知識で後輩に抜かれ、武田先生には、そろそろ工夫というものをしなさいと指摘される。大好きな父(鶴見辰吾)とも疎遠な日々が続いていたある日、典子に転機が訪れる……。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2019年3月上旬特別号

読者の映画評:「日日是好日」関根和俊/「恐怖の報酬」岩下元行/「彼が愛したケーキ職人」坂田未希子

2019年2月下旬 キネマ旬報ベスト・テン発表特別号

2018年 第92回 キネマ旬報ベスト・テン&個人賞:日本映画ベスト・テン

2018年 第92回 キネマ旬報ベスト・テン&個人賞:読者選出日本映画ベスト・テン

2018年11月上旬号

REVIEW 日本映画&外国映画:「日日是好日」

2018年10月下旬号

映画を咲かせる二十代の女優たち:黒木華の魅力、30代以降の展望 「日日是好日」大森立嗣[監督]

UPCOMING 新作紹介:「日日是好日」

2024/05/19

2024/05/19

40点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


世紀と季節を超える茶事

90年代半ばから物語は始まり,世紀を超えて30歳になる女性がいる.彼女は典子(黒木華)で,共に茶道を習い始めた美智子(多部未華子)は,結婚し,茶道からフェイドアウトしていく.また,武田(樹木希林)という表千家の茶道の師は,薄暗い屋敷で静かに暮らしているように見える.しかし,茶道のためにも座敷があり,床の間があり,庭もあり,茶道の一通りが揃っている.彼女にも師がいて,利休などを経ながら連綿と続けられてきた茶の世界の奥行きが感じられる.茶道の作法や「所作」と呼ばれる運動が描かれ,典子はふと茶が身体に身につき,分かるということが分かる喜びもある.
夏と冬の点前は違うと言われる.季節の移り変わりが,二十四節気によって印象づけられる.大寒,立秋,立冬,立春,雨水,清明といった節目は,年々,周期的に訪れ,十二支の戌年もまた巡ってくる.そして,典子のナレーションが階層的にこうした編年を紡いでいく. 
彼女の強い思い出として,江ノ島が見える海岸に,典子は美智子と戯れている.フェリーニの「道」の(ジェルソミーナの)パロディがそこで演じられる.数年後の川辺でも二人きりで語っている.そこにある波音やせせらぎの音は,茶を立てる際のつくばいの水や注がれるお湯や水にも通じる水音である.そして,時には武田の屋敷の外には雨が降っており,典子はその雨音によって季節が感じ取ることができるようになる.
美智子は「それで?」と行為の結果を求め,何故か,どうしてかと茶の作法においても行為の理由を尋ねる.武田も全てに明快に答えられる知識を持ち合わせているわけでもなく,それが茶道に必要とされているわけでもない.茶事は,一生に一度の席になるかもしれないという偶然と危うさと有為転変の中にある. 
電車が動き出すと,音が消える.典子は泣き出している.涙を流す時,涙の音もあるのだろうか.

2024/05/06

2024/05/06

65点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


偶に見たくなる名作

大森立嗣監督に敬意を表します、黒木華嫌いの私には抵抗も在りましたが何年も経つとこれで良かったんだなあ、と思います。逸翁美術館でお茶を復活して欲しい❗

2024/05/02

2024/05/02

60点

選択しない 


茶道の精神がなんとなくわかる、ような気がする(^^;;

典子が茶道を習うようになってから24年、その精神を体感するまでの折々を繋ぎ合わせたストーリー。その間、いろいろな出来事は起きるものの、詳しくは描かれず、むしろ茶道の作法の描写の方が丁寧です。

季節の些細な変化を楽しめば日々幸せに過ごせる、と達観するにはまだまだですが、お茶を習い続ける、ということの意味は少しわかったような気になりました(^^;;

2024/05/01

77点

選択しない 


お茶のたしなみ

ちょっとかじった程度のお茶のたしなみで、いろいろと楽しい映画であった。
樹木希林さんは、この映画でお茶を習って師匠を唸らすほどになったとか。所作と言うより彼女の佇まいが素晴らしい
樹木希林さんは、年齢を重ねたときの方が好き。

2024/04/29

2024/04/30

83点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


黒木華の笑顔にいやされる

 茶道のけいこが淡々と続くので興味のない向きには退屈に感じるシーンもあるが、ふだんはあまり意識しない暦による四季のうつろいが感じられる。そして何よりもお茶のけいこを通じて、典子というひとりの女性の心情が情感たっぷりに描かれ、観終わったあとにほのぼのとさせられる。 
 1993年、典子が20歳の女子大生の時、母親にお茶のけいこを勧められる。あまり乗り気ではなかったが、同い年のいとこの美智子が習うと言うので、一緒に習い始める。典子を黒木華が、美智子を多部未華子が演じており、ひと頃はやった言い方を借りれば、しょうゆ顔とソース顔で外見も異なれべ、性格も異なる。何事にも積極的で考える前に飛ぶ美智子に対し、典子は消極的で考えてから飛ぶタイプだ。
 典子と美智子が通う茶道教室の先生は、古い屋敷にひとりで住むおばあさんだ。演じる樹木希林にお茶のたしなみがあるのかは知らないが、本当のお茶の先生に見えるのだから大したものだ。
 茶道には細かい所作や礼儀、しきたりが多く、典子と美智子はとまどうばかりで、おまけに正座を続けるので足もしびれる。ふたりは何度かやめようと思うが、それでも頑張って続ける。
 典子と美智子は仲がいいが、芯からお互いを理解しているとも見えない。小学生の時、父親にフェリーニの「道」を見せられ、まったくわからなかったが、最近見直して感動したと熱く語る典子に対し、美智子は「それで?」とつれない。波長が合っているとは思えない。
 美智子は就職を期にけいこをやめ、3年後には会社も辞め、故郷に戻り、見合いし、さっさと結婚し、子供ももうける。一方の典子は就職に失敗し、バイトの身、30歳の時に結婚を考えていた恋人に裏切られ、傷心に耐え切れず、けいこも中断するが、それでもけいこを再開することで立ち直る。
 父の死も乗り越え、けいこを始めてから24年が過ぎ、典子も40代になる。すっかり落ち着いた彼女が見せる、おだやかでやからかく暖かい笑顔にいやされる。

2024/04/29

2024/04/30

70点

テレビ/無料放送 


日日是好日

原作を読んでいたので、映画も違和感なく見ることができた。映画版だけを見ると、ちょっと退屈に感じられるかもしれない