なかなかの秀作。
気候変動と天災による食糧難などを防ぐため、子供を1人以上持つ事を禁じる児童分配法が成立した2030年台。
7つ子を産んでなくなった疎遠の娘の肩身として、祖父が彼女達を世間に隠して育てる。
1人ずつに曜日の名前をつけ、自分の曜日以外は決して外へ出ない事。
外の世界ではカレンセットマンという人間となり、帰宅したは起きた事は全て共有し、毎日入れ替わって生活することを叩き込む。
好奇心や不満で外に出て何かやらかしたら、その全てを全員で共有しなければならない。
そうして30年、2070年の世界で大人になった彼女達が、好みも性格もバラバラとなり起きる危険と対峙していく。
ていうか7つ子って産めるもんなの??
どうしたって超未熟児でNICUって感じですが、祖父に「娘さんを救えなくて」っていってたから生まれてすぐかと思ったのに普通に保育器に入っててびっくりしたんだけど、ある程度成長してからだったのかな?
まず、7人が全員同じ顔なので、誰が何曜日か短い時間で把握できず。判別のために全員のキャラをわかりやすく髪も性格もバラバラにしてくれてはいるのだが、家の中でやりとりしている時間もそんなに長くなく、外に出れば皆同じ容姿になるので、一応曜日の説明はついているものの初見だと覚えられないまま話がすすんでしまうかも。
ある程度話がすすんでから1回最初に戻ってもう一度見るとすごくわかりやすかった。
長女的な包容力のありそうな日曜、見るからに優等生という感じで規律に厳しそうな月曜、茶髪で精神的に弱そうな火曜、ボブヘアーで筋トレ好きな水曜、木曜はこの中で1番この生活に不服を感じていて、おとなしく冷凍保存されたほうがマシだと思っているタイプ。子供時代にも約束を破って抜け出して、指を落とす怪我をしたせいで姉妹全員指を落とす羽目に。そのためとりわけ月曜と衝突しがち。
金曜は、地味でインドア(1日しか外に出れないのにインドアってのもおかしいか)、頭脳派で、祖父が残したPCシステム担当。
金髪の土曜日は、楽天家で奔放。
話は日曜からはじまり、翌日仕事へ行った月曜が戻らない事から始まります。
足取りを調べるため、2人同時に外へ出て指を切り落とされたリスクを思い出しながらも仕方なく翌日は火曜が出勤しますが、児童分配局と名乗る謎の組織に捕まります。
このあたりから、完全に目をつけられた姉妹は1日1人ずつペースで死んでいくので、誰が死んで誰が残っててこれは何曜日だっけ?みたいな事態に笑笑
初見でこんがらがりそうだと思ったら、メモしながら見るとわかりやすいかも笑
火曜、日曜、水曜、土曜の4人が死んだ時点で、最初にいなくなった月曜が人質として生きている事がわかるのですが、最終的には金曜日も亡くなり、最後に生き残るのは姉妹に1番迎合せず不満を抱えていた木曜。
月曜日が交際していた分配局の男を捕まえて、月曜救出のため敵地へ潜入。
ちょっと疑問なのが、子供の頃は色々映像で情報共有できていたのが、大人になったら当然ながら男関係とかはあまり情報共有出来なくなっていて、これでよく日常生活に支障が出なかったなというのは不思議になっちゃいました。
前の日の会話とか覚えてなかったら結構辻褄合わなくなると思うんだけどなあ。
2人は子供を冷凍処置しているブースに潜入するも、そこでは実は冷凍処置ではなく子供を焼却処分している、という展開。
冷凍保存が未来につながると思っていた木曜と、良かれと思って子供を捕まえていた男は衝撃ですよね…
人質を助けにいったところで、ある事実が発覚するわけですが、原題からなんとなく途中で予想できちゃう感じの展開かな。
けどそこで対峙する理由やキャラクターがちゃんと伏線の回収にもなっているしキャラの違いにも効いているし、なるほど納得な感じでした。
面白かったです。それにしてもこれ一人で7人演じた女優さん、大変だったろうなあ…
とはいえ物語はラストまでめちゃくちゃ面白かったです。
分配局のお兄さん好きでした。
そういえば中国の一人っ子政策ってありましたよね…