倦怠期の夫婦の男性と、離婚して母子家庭となった女性の不倫。その肉体関係成立前で進行している様子の、すれ違いや紆余曲折を描きます。進行を鈍らせるのはそれぞれの家族関係で、その為のフラストレーションが、また家族に影響していっているという形です。邦題が安直過ぎて安っぽくなっています。日本語的な感覚での不倫映画という捉え方をしない方がいいかもしれません。確かに中心的テーマであるが、それに関連して起こる様々なことを描いていて、一言で片づけると趣旨が狭まるような気がします。
女性側は離婚後の子供の教育の悩みを持っています。この子供が嫌がらせのような報復をしている様子は不自然に感じるくらいです。不倫以前に、離婚問題と母の接し方の問題もあります。だんだん、子供が邪魔というのが態度に出てきます。男性側は、コピー機を買った意味が良く解りません。破滅的な嫌がらせでしょうか?妻への愛情が消えていることが、努力しても全く勃起しないというところに現れています。妻の方は特に欠点が無いのに、死んでしまうのは、男女とも一人になるように釣り合いをとる為でしょうか。
最後でやっと肉体関係にこぎつけた時は、結局二人とも独り身となっていました。すでに不倫という定義に当たらなくなる状況ができたわけですが、二人の未来にいい影響はないという様な雰囲気で終わります。結局、元々の閉塞感が、状況が変わって閉塞感を持ったまま終わった感じでした。途中のエピソードも、成り行き任せで、行ったり来たり、ああでもないこうでもないが多く、行き詰った2つの家族の閉塞感を描くのが主題なのでしょうか。