オーピー映画のR15再編集版シリーズ、いまおかしんじ監督の「夫がツチノコに殺されました。」は、かつて河童映画を作ったいまおかですから驚きはしないものの、今度はツチノコですから、まあ呆れて口アングリといったところですが、守屋文雄の脚本を得て好き放題楽しく映画と戯れており、愉しさは伝わる映画です。
山に夫婦で遊びに行って、夫・櫻井拓也はツチノコに浚われてしまい、自分はツチノコハンターの守屋文雄に助けられた妻・涼川絢音が、売春バーに勤めて生計を立てながら、再び山に入ってツチノコの巣穴を探しにゆくという、縦軸の話がないわけではないものの、起承転結が整った映画であろうはずがなく、涼川の前に現れて、行方不明の櫻井と約束したのだと言って百万円を要求する女子高生・月本愛やら、涼川の売春バーでの同僚で、夫を殺して指名手配中だという安野由美やら、バーでの涼川の客で、宿無しだというので涼川のアパートに泊めてやると、そこに居ついてしまった挙げ句、女装して売春バーで働き始める男・二ノ宮隆太郎やら、その二ノ宮の客として付き、満更でもなさそうな保健所職員の岡田智宏やら、といった人物が次々と出てきて映画を賑やかにするという、祝祭的な映画ではありました。訳はわかりませんが…。