作家、本当のJ.T.リロイ

さっかほんとうのじぇいてぃーりろい|----|AUTHOR: THE JT LEROY

作家、本当のJ.T.リロイ

レビューの数

10

平均評点

69.7(33人)

観たひと

50

観たいひと

29

(C) 2016 A&E Television Networks and RatPac Documentary Films, LLC. All Rights Reserved.

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドキュメンタリー / 文芸 / その他
製作国 アメリカ
製作年 2016
公開年月日 2017/4/8
上映時間 111分
製作会社
配給 アップリンク
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット デジタル
メディアタイプ ビデオ 他
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

予告編 ▲ 閉じる▼ もっと見る

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

謎の天才美少年作家、J.T.リロイの真実に迫るドキュメンタリー。1996年、突如文壇に現れたJ.T.リロイは、女装の男娼となった過去を綴った自伝『サラ、神に背いた少年』で時代の寵児となる。だがその正体は、ローラ・アルバートという女性だった。監督は、「悪魔とダニエル・ジョンストン」のジェフ・フォイヤージーグ。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

1996年、突如文壇に現れた謎の天才美少年作家、J.T.リロイは、女装の男娼となった過去を綴った自伝『サラ、神に背いた少年』で時代の寵児となる。映画監督のガス・ヴァン・サントはその才能に惚れ込み、「エレファント」の脚本を依頼する。二作目の著作『サラ、いつわりの祈り』は、2004年にアーシア・アルジェントによって映画化される。しかし2006年、ニューヨーク・タイムスは、天才少年J.T.リロイという人物は実在すらしない、その正体はサンフランシスコ在住の40歳女性、ローラ・アルバートだったという暴露記事を掲載し、事態は一変する。世界を驚かせたこの事件を、ローラ自身の言葉と、ガス・ヴァン・サント、トム・ウェイツ、コートニー・ラブ、ビリー・コーガンらとの通話音声や留守電メッセージによって紐解いていく。ローラの抑えきれない創作のエネルギーによって紡がれる、壮大で複雑なJ.T.リロイの世界は多くの人を困惑させるが、自分以外の人間になりきって語ることが彼女にとって唯一の自己を表現する方法だった。本作で語られる風変わりな事件の奥にある“さらなる真実”は、誰の中にも“アバター”が存在することを示すだろう。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2017年4月下旬号

UPCOMING 新作紹介:「作家、本当のJ.T.リロイ」

2021/04/05

2021/04/05

75点

VOD/U-NEXT/レンタル/テレビ 
字幕


なんて面白い事件

気になってたけど見逃してた映画。U-Nextの見放題枠にあったので、さっそく見てみます。

これって、事実は小説より奇なりというか、自分が受けた虐待の経験を語るときに少年としてふるまうことが必要だった女性がいて、彼女が語った(多分かなり盛ってるけど)少年の作品が大いに売れたけど、彼女たちが少年を実体化してセレブのように振舞ったのがアウトだったんですね。

二重人格「解離性同一性障害」ではないとは言い切れないかもしれないけど、「ウソつき」ではあった。

このJ.T.リロイという少年の存在感や彼の世界って面白いですよね。セクシュアルでありながら誌的で。この少年が創造された経緯からみて、計画的じゃないのは明らかだし、身元を確認しないまま出版したり報道したりした人たちのほうも相当責められそうなものだ。「実は聞こえていたかもしれない佐村河内氏」の事件に似た部分もあります。偽物(義理の妹)が出張ってるあたり、かなり突っ込みどころが多いし‥‥。銀行振込じゃなくて小切手文化だから、印税を払っても身元はわからなかったのか。電話をしてても逆探知しなければわからない。海外のイベントに出てもパスポート確認もしなかった。本当は関係者みんな、怪しいけど面白いから(儲かるから)このままにしとこう、と思ってたんじゃないのかな。

昔の彼氏にイギリス人だって嘘をついたりして、元々すこし話を盛るというか嘘つき癖もあった感じもする。(そういう人って意外といるもんだ)やりすぎなければ、面白いフィクションの世界がもっと長続きしたかもしれないのにね。

ということで、私は反感より「もっとうまくやってほしかった」という感想ですかね。J.T.リロイ名義の本が日本語でも3冊発売されたようですが、廃刊になって今は古本がタダみたいな値段で売られてます。劇中劇の台本みたいで面白そうなのでいつか読んでみよう。

マスコミの言うことなんて、消費されるためのネタの中から、本当らしく思われるものを選び出したものだ。事実と嘘が混ざってる。人から口伝えで聞く話と同じ。

それにしても、世に出る前のドクターへの相談から、真実が暴かれて騙されたと思った人たちの電話まで、大変な量の「留守番電話」が残ってるのがすごい。ガス・ヴァン・サントは「大丈夫?」コートニー・ラヴが「最高じゃん、テレビ出て泣きなよ」、元スマッシング・パンプキンズのビリー・コーガンは同情的。

騙す人(虚言癖がある人や、人格がいくつかある人、悪気がない人も含めて)は、話を本当のように飾ってる。飾る人のほうを疑ったほうがいいんじゃないかな、あんまりいいことも悪いことも言わない人より。

2020/05/29

2020/05/29

-点

選択しない 


2016年・アメリカ・111分/アップリンク
AUTHOR: THE JT LEROY STORY
■監督:ジェフ・フォイヤージーク●
■脚本:ジェフ・フォイヤージーク
■撮影:リチャード・ヘンケルズ
■音楽:ウォルター・ワーゾワ
■アスペクト比:アメリカンビスタ(1:1.85)
■ナレーション:
■出演:
ローラ・アルバート
ブルース・ベンダーソン
デニス・クーパー
ウィノナ・ライダー
アイラ・シルバーバーグ

2020/04/01

80点

VOD 
字幕


謎の天才美少年作家J.Tリロイの正体とは

1996年、女装の男娼となった過去をつづった自伝「サラ、神に背いた少年」を発表し、謎の天才美少年作家として文壇に登場したものの、後に実在しないことが明るみとなったJ・T・リロイにまつわる一連の顛末に迫ったドキュメンタリー。作家として時代の寵児となったJ・T ・リロイの才能にほれ込んだガス・バン・サントはコロンバイン高校銃乱射事件をテーマにした映画「エレファント」の脚本を依頼し、2作目の著書「サラ、いつわりの祈り」はアーシア・アルジェントによって映画化されるなど、J・T・リロイは文壇だけでなく映画界などをも巻き込むカルチャースターとなった。しかし、2006年のニューヨーク・タイムスによる「J・T・リロイという人物は実在せず、その正体はローラ・アルバートという40歳の女性である」という記事によって事態は一変する。一連の騒動を、アルバート自身の言葉、ガス・バン・サント、トム・ウェイツらとの通話音声や留守電メッセージなどによって解剖していく。
始まりは、親類や母親の恋人から性的虐待を受け自身の体型にコンプレックスを持っていたローラ・アルバートが、自身の苦しみを電話相談センターに話す時に「ジェレマイア」という少年の人格が必要で自身の詩を褒めてくれたオーウェン医師が「君には才能があるから作家として頑張れ」と励ましたことから始まった。
作家は、自身の痛みや葛藤を詩や小説などフィクションとして表現する。ローラ・アルバートの失敗は、小説や詩を実体験を元にしているとして宣伝してしまったこと。
だが、ローラ・アルバートがもし自身の名前で書いて出したらこれほど話題になったか疑問だし、当時の文学界の純文学が売れず実話という触れ込みのフィクションをノンフィクションとして売りしかも内容の信憑性を確かめてから発売することをしない出版社の利益優先の姿勢も問題あり。
当時アメリカや日本のメディアは、J Tリロイをもてはやしたガス・ヴァン・サントなどのセレブを嘲笑ったけど、日本人もアメリカ人を笑えない。「一杯のかけそば」などに騙された過去が、ある。
ドキュメンタリーの中では、ローラが胃のバイパス手術に成功して痩せてファッションを楽しむようになり、裏方でいることに満足出来なくなって自身のバンドで有名になろうとしたりする葛藤も描かれているのが興味深いし、作家と作品そして虚像と実像の関係について考えさせられるドキュメンタリー映画。

2017/05/09

2017/05/13

77点

映画館/東京都/シネマカリテ 
字幕


うん、面白かった!

人間の側面を他人事として、客観的に見る分には悦だよね。

騙された人たち、自分がやらかしたくせに、
ローラのせいにしてさ、
彼女は、そんなに悪くないよね?
だって、彼女、少しへんだもの...。

そんな彼女が最後に言ってるじゃない
フィクションって書いてあるって!
そう、その通り!!!

そうなの、騙されたセレブ達やマスコミがダメなのよ。

ただね、ペンネームで、小説だけ書いていたら良かったのよ。

表に出て、セレブ達の仲間入りをして、歌とか出しちゃったからダメなのよ。
ちょっと、調子乗りすぎたのよ。

被害者ぶっちゃうのよ、騙されたって、思っちゃうのよ、
簡単に騙された自分達が、カッコ悪いのをあなたのせいにしたいのよ。

あなたも、充分、被害者よね。
どこまでが真実か、映画だけでは解らないのだけれど、

あなたの言葉を信じるならば…

子ども時代の虐待。
それを逃れるための過食と肥満。
そして、人一倍、美に執着があるための
自信喪失。
そこから発生した意思のある多重人格。

周りに助けてくれる、あなたが信じることのできる大人が居れば良かったのに。
残念なことに、ちょっとバカな彼氏と、その義理の妹しか居なかった。

でもね、しつこいようだけど、
ローラ、ちょっと調子乗りすぎたのでは?

2017/05/12

2017/05/13

60点

映画館/東京都/シネマカリテ 
字幕


事実はスキャンダラスだけれども

ネタバレ

事実はとても面白いハズなのに、眠くて眠くて仕方なかった…。
エンドロールから完全寝てしまって、インタビュー?とか見れなかった…。

この人は多重人格なのかな?結局は。

実際にJTリロイは存在しないとか、自叙伝が実はフィクションだったとか、ローラから色んな人物が現れるとか、ストーリーは面白い。でも、ひたすら本人の語りと、テープの音声と写真が出てくるだけだからどうにも退屈だった。

ドラマとして作った方がもっと面白くなりそうなのに。

ドキュメンタリーとしては、ただ本人の主張だけで、もっと作り方あったのではないのかなー。もったいない。
というのが正直な感想。

2017/05/02

2017/05/09

100点

映画館/東京都/UPLINK 
字幕


真性ジュネストにはたまらない

2017/05/02、渋谷のアップリンクで鑑賞。トートバッグ付き前売券を、インターネットで購入していたので、それを使いました。

文壇に彗星のように現れたJ.T.リロイ。
誘拐され、性的虐待を受け、男娼となり、クスリにも手を出した、という経歴の金髪の美少年と、その「自伝的小説」に、世間はーーセレブたちもーー熱狂した。
だが、実際には、J.T.リロイという少年は実在せず、その正体は、ローラ・アルバートという、40歳の女性だった……。

とにかく、最初から最後まで、何もかも面白かったです。
でも、これは、響かない人にはまったく響かないだろうなあとも思います。
でもでも、わたしみたいなJUNEスト(ジュネスト、わからない人はスルーしてください)には、めちゃめちゃ響くのです。

太って醜い自分では愛されないと思ってしまう自己卑下も、男性に欲情されるような美少年でありたいという願望も、最後に明かされるローラが太った理由も、わたしには何もかも腑に落ちます。
本編終了後に流れたローラの舞台挨拶の映像で、ローラが、日本では理解されていると感じると話していましたが、ええ、わたしもあなたを理解します、と心の中で呟きました。

この映画の予告編を観て初めてJ.T.リロイを知ったわたしですが、リアルタイムで知ってその翻訳本を読んでいたら、やっぱり熱狂しただろうと思います。
そして、正体を暴露する記事が出たときには、やっぱりね、と納得しこそすれ、ローラに対して腹を立てたりはしなかっただろうと思います。

ローラに共感しない人にとっては、これは長い長いローラの言い訳でしかないでしょうが、わたしには、最高のエンターテインメントでした。

いやー、こんなにハマるんだったら、公開初日のローラの舞台挨拶、無理してでも行けばよかった、と悔やまれます。
ハマる予感がしたからこそ、1997年の『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』以来、なんと20年ぶりに、映画の前売券を買ったというのに。
行こうと思えば行けたのに行かなかった自分に、ちょっと腹を立てていますが、映画は本当に、1秒たりとも退屈することなく面白かったです。もう一回ぐらい観たいなぁ。