このバージョンが公開された当時は、スルーしてしまっていたのですが、シネマシティで極音上映されていたので、せっかくだから観に行きました。一作目から言えることですが、地平線の見えるだだっ広い空間を舞台にしていることから、余計なものを排除したシンプルさが、このシリーズの一つの重要なテーマであるといえます。話自体が、乗り物アクション巨編の祖である「大列車強盗」に倣っていることから、そもそも原点回帰的な志向が強く出ていて、ミラー監督が白黒バージョンをベストと言うことはテーマと一致していて納得できます。
ただ、白黒にしたことによって、砂埃にまみれる息苦しさは減じてしまったのではないかなと思います。過酷な環境にあるからこそ、主人公たちの内面の美しさが強調されるので。個人の感じ方の問題ですが、そこはカラーに分があるかなと感じたところです。結局傑作には変わりないんですけどね。