ウエスト・サイド物語

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ウエスト・サイド物語

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レビューの数

143

平均評点

78.0(740人)

観たひと

1143

観たいひと

68

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ミュージカル
製作国 アメリカ
製作年 1961
公開年月日 1961/12/23
上映時間 152分
製作会社 ユナイテッド・アーチスツ映画
配給 ユナイテッド・アーチスツ映画
レイティング 一般映画
カラー カラー
アスペクト比 70mmワイド(1.2.20)
上映フォーマット 70mm
メディアタイプ フィルム
音声 6chステレオ

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

ブロードウェイ・ミュージカルの70ミリによる映画化。「ロミオとジュリエット」を現代化したラブロマンスを縦系にして現代の青春悲劇をリアルに描いた作品。原作は「旅情」の作者アーサー・ローレンツ。脚色をアーネスト・リーマンが担当した。監督は「拳銃の報酬」のロバート・ワイズと振付も兼ねているジェローム・ロビンスの共同。撮影は「5つの銅貨」のダニエル・L・ファップ。画面構成にタイトルをデザインしたソール・バスが一役加わっている。音楽は「踊る大紐育」「波止場」のレナード・バーンスタイン。出演者はナタリー・ウッド、リチャード・ベイマー、ラス・タンブリンなど。製作はロバート・ワイズ。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

ジェット団(白人系)とシャーク団(プエルトリコ系)はニューヨークのウェスト・サイドに巣くう対立する不良少年のグループである。きっかけさえあれば今にも爆発しそうな空気のなかでのダンスパーティーそこで一目で愛し合うようになった二人、マリア(ナタリー・ウッド)はシャーク団の首領ベルナルド(ジョージ・チャキリス)の妹であり、トニー(リチャード・ベイマー)はジェット団の首領リフ(ラス・タンブリン)の親友だった。しかし、ジェット団とシャーク団はついにぶつかってしまった。マリアの必死の願いにトニーは両者の間に飛びこんで行ったが、血気にはやる彼らはトニーの言葉に耳をかそうとしなかった。そしてリフはベルナルドに刺されて死んだ。親友リフの死に我を忘れたトニーはベルナルドを殺してしまった。ベルナルドの恋人アニタ(リタ・モレノ)に責められてもトニーを忘れられないマリアは、トニーの高飛びに同意する。シャーク団のひとりチノはベルナルドの仇を打とうとトニーをつけ狙い、警察の手ものびてくる。アニタはマリアの愛の深さを知り、トニーと連絡をとるために街へ出ていくがジェット団に倒された怒りからマリアはチノに殺されたと言ってしまう。絶望して夜の町へ飛び出したトニーの前へ拳銃を構えたチノが現れた。急を聞いて来たマリアの腕の中で、トニーは絶命した。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2012年1月上旬号

MOVIE at HOME お家でDVD & Blu-Layを:DVDコレクション 「ウエスト・サイド物語 製作50周年記念版 ブルーレイ・コレクターズBOX」

2010年4月上旬号

SPECIAL INTERVIEW 2:ジョージ・チャキリス「ウェスト・サイド物語」とジェローム・ロビンス

午前十時の映画祭:「スタンド・バイ・ミー」「エデンの東」「ウエスト・サイド物語」

1969年8月上旬号

特別グラビア:70ミリの「ウエスト・サイド物語」

1969年の「ウエスト・サイド物語」:

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1965年1月下旬正月特別号

SB SECTION 現代SB論特集:「ウエスト・サイド物語」への疑問

1962年2月下旬号

外国映画批評:ウエスト・サイド物語

1962年1月下旬正月特別号

成熟期に入った70ミリ映画 「オクラホマ」から「ウエスト・サイド物語」へ:“誇張”の宿命をどうするか

成熟期に入った70ミリ映画 「オクラホマ」から「ウエスト・サイド物語」へ:最新作3本に見る70ミリ映画の可能性 ウェスト・サイド物語

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1962年1月上旬新年特別号

新作グラビア:ウエスト・サイド物語

2024/04/03

92点

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本物の愛と深い憎しみ

かなり久しぶりの鑑賞だったが、やはり歌やダンスの技術はスピルバーグ監督のリメイクの方が洗練されている。
が、時代の空気感に合っているのは完全にこちらのオリジナルの方だ。
そして圧倒的にマリア役のナタリー・ウッド、ベルナルド役のジョージ・チャキリスを筆頭に、演じる俳優の個性もこちらの方が際立っている。
とはいえ、スピルバーグ版の素晴らしさも改めて感じられたので、個人的にはどちらも甲乙つけがたい。
冒頭のスラム街の俯瞰したショットからのジェッツとシャークスの抗争シーンは、ダンスとの見事な融合もありとても印象に残る。
本当にバーンスタインが生み出すこの作品のナンバーはどれも名曲ぞろいだ。
その中でも今回の鑑賞で一番印象に残ったのが、リフを失ったジェッツが何とか復讐心を抑えようとする『クール』のナンバーだ。
ジェッツもシャークスもどちらも街の厄介者扱いされているが、お互いを憎み合うことでしか彼らは生きる事が出来ない。
言葉ではクールにと唱えながらも、内から沸き起こる衝動を抑えきれない彼らの姿にとても心を打たれた。
何故、そこまで憎しみを募らせてしまうのか。
おそらく彼らにもその本当の理由は分かっていないのだろう。
憎しみという感情を増大させれば、その後に待ち受けているのは悲劇だけである。
そして彼らは悲劇が起こるまで、自分たちの過ちに気づくことが出来ない。
まるで何か大きな力に支配されてしまったかのように。
この映画を観終わった後に、果たして誰にこの悲劇の責任があったのだろうと考えさせられた。
憎み合うジェッツとシャークスだけではない。
正義感面して彼らを抑圧する警察官、そして彼らを厄介者扱いする住民たち。
これは社会全体が起こした悲劇だとも言える。
「どうしてお前達は争いばかり起こす?このままではすべてが壊れてしまう」と嘆くドクに対して、冷ややかに「もう壊れているさ」と呟くジェッツのメンバーの言葉が刺さった。
そんな憎しみだらけの世界で純粋にお互いを愛し合うトニーとマリア。
明らかに二人の世界だけが浮いて見えるのが、これが本物の愛であることを証明しているようでもあった。
確かにアニタの「目的を達成したらトニーは貴方を捨てるわ」というマリアへの説得も正しいのかもしれない。
トニーもマリアもお互いのことをまだ何も知らないのだから。
でも愛に正しいも、間違いもないのかもしれないとも思う。
たとえそれが破滅に終わったとしても。
とても悲しい物語ではあるが、何か大事なものを深く考えさせられる作品でもある。
そして改めてこの作品のベースとなった『ロミオとジュリエット』を生んだシェイクスピアの偉大さも思い知らされた。

2024/03/14

2024/03/15

80点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 
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情報の非対称性

いま世界で起きている戦争も、日本が仕掛けたと言われる盧溝橋事件から派生した世界戦も、このドラマの示す「情報の非対称性」を示すものだ。

ヘルズ・キッチンの島争いで対立するふたつのグループは、アメリカの都市にありながら、お互いの民族(血)をかけて対立する。この美しく素晴らしい映画のカラーで「赤」が強調されるのは意味がある。血気盛んな若者が憎しみによる戦いで流す「血」。

いくつかの対決シーンはもちろん見応えがあるが、戦いに至るまでの情報戦が問題となる。そこに第三者の警部がふたり入り込んで情報が捻じ曲げられて複雑化する。

「アメリカ」や「トゥナイト」という名曲をフューチャーし、最後の”赤い”高架下の戦いでお互いのリーダーを失ったジェッツの残されたメンバーが「冷静に」と説得しあうシーンもまた強烈だ。わかっていても戦いをやめられない。戦えばお互いが傷つくのに、憎しみは消えない。これは人間の”業(ごう)”のようなものなのか。

ドラッグストアのドクが最後に「この世界は壊れてばかりだ」というと若者が「もともと壊れているのさ」と応じる。壊れた社会を構築するのは戦いや争いや憎しみではないはず。

現代に置き換えても、善悪だけの二項対立で罵り合うSNSの詭弁社会は、その国を大きな戦争にまで向かわせる毒がある。この映画の本当の意味は、正しいことの価値基準だ。情報が氾濫しすぎて、世の中は何が正しいのか見極めができない状況らしい。

この映画のラストシーンで「KEEP RIGHT」という標識が映されるのは偶然ではない。そしてナタリー・ウッド演じる少女がマリアという名前なのも意図したことだろう。

2024/02/26

2024/02/27

100点

選択しない 


リメイク遠く及ばず

2021年のスピルバーグ版を観て、消化不良を感じて鑑賞しました。ソウル・バスのタイトルと音楽の流れが今まで以上に魅力的に感じ、画面構成カメラワーク、ダンスの躍動感に最後まで目が離せませんでした。今までは悲劇的なラストシーンがあまり好きではありませんでしたが、改めて観るとマリアの赤い服装と濃紺のローブは聖母マリアのものと同じ(赤は慈愛、青は真実を表す)、トニーが担がれていくのは十字架から降下されたキリストを投影しているのかと。昔から続く民族間の争いを象徴する悲劇に今回はより深く考えさせられました。

2023/12/29

2023/12/29

75点

その他/小倉氏DVD 
字幕


ミュージカル映画の転換点

小倉さんから貰った断捨離DVDの中の一枚。2023年の掉尾を飾るのはやはり映画史上に名を残す名作に限る。

全編に渡りパワフル。そりゃこんな国と戦争しても勝てっこないよな…と思った。

皆さんの多様な切り口によるレビューを拝読する。
■のんきっきさん「色々な面で礎となった作品」
■たむさん「あまり記憶になかったほど話的にはほぼ何ということはない」
■Enokida Keikoさん「反戦メッセージがストレートで強い」
■留さん「マリアがみんなに銃口を向けるシーンは号泣した」
■ZEKANさん「若い感性はもう戻ってはこない」
■parapiさん「白人の中でも出身国での差別があることをエンタメ作品に落とし込んだのは意味が大きい」
■タカシサトウさん「アメリカ移民の苦しい現状を皮肉る内容は今のアメリカにも当てはまる」
■ゴンさん「公開当時、興奮してふた回り5時間強を観続けた」
■しゅうさん「ハリウッドの昔ながらのミュージカルは本作以降死に絶えた」
■湖土さん「始まりのダンス素晴らしい」
■tora20jpjpさん「クールでダークなミュージカルに変貌させた」
■レオポルドさん「映画の格が違う」
■ブラックジャケットさん「ミュージカルの金字塔」
■ディアハンターさん「これほど期待と躍動感をあわせ持つ作品はザラにない」
■鈍行列車さん「グラフィックデザインの技法を初めて動画の世界に取り入れた」
■一日小半さん「争いは何も解決しないという普遍的すぎるテーマの映画と思う」
■zatoさん「リチャード・ベイリーとナタリー・ウッドが決定的に弱い」
■幹さん「紛れもない傑作です」
■起龍さん「踊りまで素晴らしいミュージカルはあまり多くない」
■浜のヒーさん「冒頭大都会の俯瞰シーンから入るカメラワークも見事」
■eiga800ponさん「職人監督ロバート・ワイズの代表作」
■eikoneさん「ミュージカルは楽しい話が似合う」

個人的にはアメリカでマイノリティ扱いされる移民の悲哀をテーマにした映画というより、憎しみの負の連鎖を断ち切ることが肝要とのメッセージを受けた。

年末年始は両親宅に帰省するため本年お届けするレビューはこれが最後となります。今年一年間お世話になり本当にありがとうございました。皆様、良いお年をお迎え下さい。
蒼乃桔梗拝

2023/07/09

2023/07/09

-点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/レンタル 
字幕-吹替


ミュージカルなので、字幕版を選択したつもりが吹き替え版でした。

もちろん観始めて気が付いたのですが。 でも時々字幕版に成ったかと思うと、また吹き替え版に、字幕版に、吹き替え版に。 で、肝心の歌の部分が英語なのは良いけど字幕が出ない。 30分我慢してましたけど、これじゃ内容が解りません。 これからも不愉快な思いをする方がいると思いましたので、Primeに連絡を入れました。 

30分見ての感想は、1961年の作品度だと言うのに、整備されたハイウェイ、立ち並ぶ高層ビルに驚きでした。 色々な面で礎となった作品なんでしょうけど、歌も踊りも年代を感じました。 フィンガースナップも当時としてはハイカラだったんでしょうね。 コント・ラッキー7のポール牧さんの真似をして、自分も小学校の頃、どうすればイイ音が出せるか練習してました。

2022/11/04

2022/11/05

80点

選択しない 


誰よりもジョージ・チャキリス

70年代半ばにリヴァイバル上映された時に観て以来の鑑賞。たわいもない不良グループの喧嘩というストーリーですが、ダンスと歌の素晴らしさは心に残ります。そしてトニー、マリアよりもジョージ・チャキリスの存在感が一番印象的。何度も彼の場面を見直したくなります。