哲学的で、叙情的で、ロマンティックで、そして静かな興奮
あまり一度観た映画をまた見返すということはしないのだけど、この作品は前に観たときに非常に強い印象があって、4Kで再度鑑賞したいと思ったもの。改めて観てみて、この映画が本当に好きだということを再確認した。もう、タイトルに書いたとおりで、分かりやすい映画ではないけれども、ひたすらに興奮する。「未知との遭遇」にこの映画をなぞらえている人も多いけど、確かにその側面はありながら、言葉がまだ自由に扱えない子どもとのコミュニケーションを重ねつつ、実はそれは過去の体験ではなくて未来に起きることだという構成には舌を巻いた。なるほど、時間とはリニアなものではないということか。まだまだこの物語は完全に理解しきれていないけど、何回観ても新たな発見がありそうだ。こういう映画はなかなか無い。もう100点にしてもいいくらいなんだけど、唯一ここで欠けていてるのは鮮やかな色ぐらいで、それは無い物ねだりと言うべきだろう。叙情的な音楽には心を揺さぶられるし、音響設計の見事さも特筆すべき。