イギリスの社会福祉制度の問題に切り込んだ視点は、日本に暮らす自分にも充分に感情移入させるだけの説得力を持っている。如何にもなお役所仕事や1時間以上待たされ続ける電話にイライラさせられた経験は自分にもあるし、日本でも同じ様な問題は残ってる。手当てを受ける為に架空の求職活動をさせられるとか、40年も大工として誇りを持って仕事に取り組んできた主人公には耐えがたい屈辱だったろうなぁ。でもちょいちょいシニカルな返しをブッこむダニエルは如何にもイギリス人っぽくて、笑える。しかし人生を豊かにするのは政治でも行政でもなく家族やコミュニティなんだな。