真夜中のカーボーイ

まよなかのかーぼーい|Midnight Cowboy|Midnight Cowboy

真夜中のカーボーイ

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レビューの数

66

平均評点

77.3(418人)

観たひと

703

観たいひと

71

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1969
公開年月日 1969/10/9
上映時間 113分
製作会社 J・ヘルマン/J・シュレシンジャー・プロ
配給 ユナイト
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「ダーリング」「遥か群衆を離れて」のジョン・シュレシンジャー監督による異色作品。虚飾の大都会ニューヨークの混沌から、必死に浮かび上がろうとする2人の若者の物語。ジェームズ・レオ・ハーリヒーの作品を、ウォルド・ソルトが脚色した。撮影はコマーシャル出身のアダム・ホレンダー、音楽はジョン・バリー、編集はヒュー・A・ロバートソンが担当。製作にはジェローム・ヘルマンが当たっている。出演は「卒業」でスターとなったダスティン・ホフマン、舞台出身のジョン・ヴォイト。共演はベテランのシルヴィア・マイルズ、ブロードウェイ女優ブレンダ・ヴァッカロ、「ニューヨーク泥棒結社」のジョン・マクギバー、バーナード・ヒューズなど。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

ジョー・バック(ジョン・ヴォイト)は、カウボーイのいでたちでテキサスからニューヨークに出て来た。彼は自分の肉体と美貌を武器に、孤独なニューヨークの夫人達を慰めようと考えていた。そして富と栄光を……。彼の商売の皮切りはキャス(シルヴィア・マイルズ)であった。だが彼女は街娼上がりのパトロン持ちだったため、逆に金を巻きあげられてしまった。そんな時、彼は足の不自由なペテン師ラッツオ(ダスティン・ホフマン)と知り合った。彼の紹介でジョーはオダニエル(ジョン・マクギバー)にひき会わされた。彼は狂言者であった。ラッツオにだまされたと知ったジョーは、必死に彼を探し歩いた。しかし、無一文で街の酒場にしけこんでいた彼を見て、ジョーは何も言えなかった。逆に、ホテルを追い出されたジョーに、ラッツオは自分の室へ来るようにすすめた。それはとり壊し寸前のビルの、廃屋のような一室であった。そこでラッツオは彼の夢、フロリダ行きの夢を語るのだった。必死に、泥沼をはい上がろうと2人は力を合わせた。ラッツオがマネージャーとなり、ジョーは再び男娼を始めたがうまくゆかなかった。ジョーを買った最初の客は、ヘンゼル(ガストン・ロッシリ)とグレーテル(ヴィヴァ)のパーティで出会ったシャーリー(ブレンダ・ヴァッカロ)だった。一方、ラッツオの体はその頃から急激に衰弱していた。彼の為にもジョーは金を稼がねばならなかった。男色の学生の相手をしたり商用でニューヨークに来た男のホテルに行ったりして、彼はようやく幾らかの金をもらってラッツオの元へ戻って来た。2人はフロリダに向かった。太陽と新しい生活を求めて。ジョーは、今や屈辱と泥によごれたカウボーイ姿と訣別するのだった。しかし、ラッツオはあれほど憧れたマイアミの浜辺を見ることなく、唯一人の友人ジョーの傍で静かに目を閉じた。

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2024/08/17

2024/08/27

80点

選択しない 


ぶざまな生き方

ネタバレ

 久しぶりに再見する。いかにもお上りさんふうなジョー(ボイト)がNYの安ホテルでテレビをつける。都会はチャンネルも多くてニュースからバラエティまで様々な番組が切り替わる。その中で日本の怪獣番組(ウルトラマン?)が一瞬だけ映るシーンがあってそこだけ妙に記憶があった。つまりはそれぐらい前に見たということ。
 その程度なのだからか当時は彼らの夢と挫折にまでそれほど感情移入できなかったと思う。
 本作より後に公開された「スケアクロウ」というやはりニューシネマ系の映画があって中身の方も冴えない男ふたりのロードムービーということで本作とよく似ており自分はよく混同してしまう。しかもダスティン・ホフマンとアル・パシーノがともに小男として大柄なジョン・ヴォイトとジーン・ハックマンとコンビを組むのだからますます似てくる。さらに小男の方の哀しい末路まで一緒なのだ。
 カウボーイスタイル(もっとも彼のそれはアラン・ラッドふうだが)でジョン・ウェインを気取ってみても都会では逆に浮いてしまう。そんな世間知らずなジョーと都会のふきだまりのような場所でこずるく生きるリコと出会う。田舎者と都会の酸いも甘いも知っている男との喧嘩と友情を描くことで無機質な都会の全貌を浮かび上がらせる。
 NYではカウボーイスタイルは通用しないということを思い知る映画。せいぜい興味を持つのはゲイぐらい。
 ジョン・ウェインのようなヒーローの時代は遠く過ぎ去り、いまや底辺で喘ぐしかないカウボーイ。そんな現実をリアルに突きつけてみせる切り口はやはりニューシネマらしいものだった。
 もっともジョーのスーツケースの中にはポール・ニューマンのポスターが入っていてそれをさっそく部屋に貼っているところをみると、この時代に敏感に反応していたとも取れる。彼はニューマンのようなアンチヒーローに憧れていたのかもしれないけれど、現実はなんとも不格好なものだった。そのあまりに冴えない生き方もニューシネマなのだ。

2023/10/23

2023/10/23

87点

選択しない 


病める都会の片隅で

ネタバレ

ニューヨークの底辺、病める都会の片隅で行き場のないチンピラ二人が片寄合う友情ドラマ。ジョン・ヴォイトのトラウマの映像描写やダスティン・ホフマンのびっこや止まらぬ咳等不吉な場面が随所にあり、それぞれに抱える闇が切なく暗示的。
 ラスト、フロリダへ行く途中で亡くなるホフマンを他の客の視線を避けるように抱き抱えるヴォイトの姿がいじらしい。

2023/07/31

2023/08/01

80点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 
字幕


「大ニューヨークの華麗な顔にかくされた孤独!強烈なタッチであばく問題の秀作!」

アメリカンニューシネマの代表作の一つらしい。
筋肉少女帯の「サボテンとバントライン」の歌詞に出てくるから知ってたが初見。
三十年以上気になってたがやっと観れた。

内容はまったく知らなかったがなかなかバカっぽいお話。
なのだが開幕から最後までダレずに見入れた。
なぜか妻もしっかり観賞。
ジョン・ヴォイド&ダスティン・ホフマンが実に良いコンビ。
アメリカンニューシネマの代表作の一つというのも納得。
多分定期的に観たくなるだろう作品。

2022/01/29

2022/01/29

60点

テレビ/有料放送/ザ・シネマ 
字幕


こんな筋だったのか?‼️

もっと明るい青春映画だと思い込んでいた。今なら分かるほろ苦い映画だ。主演の二人は長命で今も第一線で活躍している。そうだ、音楽はジョン·バリーだ❗

2021/03/24

2021/04/08

70点

購入/ブルーレイ 
字幕


再見して少し分かったこと

ネタバレ

テキサスの青年がニューヨークで自分の肉体を武器に富を得ようとする。
1969年の作品。当時は学生運動とかベトナム反戦運動とかがあって、まさに価値観が変わっていった時代の作品だ。
僕が見たのは学生のとき、学内で毎週やっている上映会だった。制作から十何年か経た時期で、感じたのは、分からなさだった。いや、全く分からなかったというわけではない。田舎者が都会で一旗上げようとするというのは分かる。その手段が有閑マダムをターゲットにした男娼というのも常識外れだが理解はできる。
分からないのは、青年と小男が翻弄される様(さま)だった。出会う人間が常識の範疇(はんちゅう)には収まらない人たちばかりだった。青年が最初に出会う元街娼を始め、人をだまして小金を稼ぐ足の悪い小男、狂信者、ゲイの学生、ゲイの紳士、最先端とも堕落とも取れる真夜中のパーティーに集まる人々。何しろ一般的、常識的な人は関わってこない。
おまけに、足の悪い小男と共同生活を始めたはいいが、小男が病気になり、青年は彼が夢に見たフロリダへ連れて行こうとする。憧れのニューヨークを簡単に離れてしまう。
今回再見して、少し分かったことがある。
ニューヨークは時代の最先端をいく大都市で、新しい価値観を持った人々、新しい価値観に憧れた人々が群がってくる。新しい価値観という流れにうまく乗れれば日々の生活を謳歌できるが、乗れなければ流されていくだけだ。青年と小男は必死に流れに乗ろうとするが、本流には至らない傍流ばかりに引っ掛かる。この“傍流”は今の言葉で言うならマイノリティーだ。
そして思う。1969年にマイノリティーを題材にするとは、時代の最先端を行った作品だ。学生時の僕は十何年か前の最先端に追いついていなかったらしい。

2021/01/28

2021/01/28

65点

テレビ/有料放送/スターチャンネル 


女で食っていこう

テキサスの田舎者(ジョン・ヴォイト)が、女を喜ばせて謝礼をもらおうという魂胆でニューヨークへ出てきたものの、そうは問屋が卸さない。バーで知り合った男リコ(ダスティン・ホフマン)にマネージャーを紹介してもらうつもりが、見事だまされ一文無しになってしまう。リコを見つけたものの脚が悪いと言うことで勘弁してやるが、リコは自分のドヤに連れて行き、二人でなにやら生計の道を探っていく。せっかく金づるをつかんだと思ったら、リコは病で高熱。しかもフロリダに行くと言い張る。そこでなんとかフロリダまで行くが・・・。
田舎者の悲しさで、自身の男に対する自信過剰が身を滅ぼしていく。その過程で培った奇妙な友情を描いているのだと思う(自信は無いが)。それだけの映画であるが、ボイトとホフマンが対照的な男達をよく演じている。ホフマンは脚の悪い男とか知恵遅れの男(「レインマン」で)とか障害者を演じるのがうまい。