すっげ~!、すっげ~!!、おもしれ~!!!
歌舞伎だからってしかつめらしいところは何も無し、
てか、これは世紀のちゃんばらシネマ(舞台採録だけどね)
時は八世紀末、平安京の時代、日本統一をもくろむ大和朝廷は、北の「まつろわぬ民」蝦夷(えみし)をたいらげんとしていた。
主人公、阿弖流為は蝦夷の戦士であったが、土着の神、荒覇吐(あらはばき)の使いを手にかけて呪いを受け、「神殺し」として放逐される。
記憶をうしなって都をさまよう内、運命の女鈴鹿と、後に征夷大将軍となる、同じく宿業で結ばれた猛き剣士、坂上田村麻呂と出会う・・・・
東山三十六峰、草木も眠る丑三つ時、
あっ、たちまち起こるは剣劇の響き・・・・・・
(いや、時代がちがいますけどねぇ)
ともかく活劇が凄まじい。銀幕にはもはや、これだけの芸を仕切れる殺陣師も、演じられる役者もいるかどうか。ましてやこれはもともと舞台、3時間半に渡る運動量や押して知るべし、日本古典芸能界のポテンシャル恐るべし・・・
さりとて物語が薄いわけではない。自然崇拝・自然神(やおろずの神)が、中央集権的な絶対神に飲み込まれていく歴史絵巻に加え、滅び行く神と人の哀切を織り込みつつ、錯綜する陰謀劇を魅せていく。
そして最後には、それらを有象無象のしがらみを振り捨てて、剣士二人の死闘に準じていくストーリーは・・・
むっちゃ好みやわ~