街の灯(1931)

まちのひ|City Lights|City Lights

街の灯(1931)

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レビューの数

99

平均評点

84.0(533人)

観たひと

879

観たいひと

60

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ラブロマンス / ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1931
公開年月日 1934/1/20
上映時間 87分
製作会社 ユナイテッド・アーチスト映画
配給
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/スタンダ-ド
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演チャールズ・チャップリン The_Vagab_nd
ヴァージニア・チェリル The_Blind_Girl
フローレンス・リー Her_Grandmother
ハリー・マイヤース The_Excentric_Gentleman
アラン・ガルシア The_Butler
ハンク・マン The_Prize_Fighter

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「サーカス」に次ぐチャールズ・チャップリン作品で、例によって自ら原作脚色監督主演したもの。カメラはチャップリン映画専属のローランド・トセローがゴードン・ポロック及びマーク・マークラットを助手としてクランクしている。助演者はこの映画でデビューしたヴァージニア・チェリル、ハリー・マイヤース、「進めオリンピック」のハンク・マン、アラン・ガルシア等である。チャップリンは発声映画反対主義であるから、台白は用いず擬音と伴奏楽のみを付してある。なお本邦上映の分には日本字幕が挿入されている。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

ある都で盛大な銅像除幕式があった。紳士貴女こもごも立って祝辞を述べた後に、いざ像を覆っていた幕が引き下されると、驚くベし、この像の上には一人のみすぼらしい小男が眠っていた。で、人々の驚駭と叱声の中に、この小男は狼狽して逃げ出したのであるが、こうして宿をも失われたこの浮浪者にとっては身投げでもするより外にすることがない様に思われた。ところが、この浮浪者が、計らずも、街角で花を売る娘を見て胸を踊らせたのである。しかも、この盲目の娘は彼女に大金を恵んだ紳士が彼であると思い込んで彼の手を握っては感謝の言葉を述べるのであった。そうなっては、彼も男であった。彼は初恋に胸をときめかせ、そして働いて金を儲け彼女と交際しようと考えた。そして、まず街の清掃作業員になった。で、金が入ると、彼女の家へ堂々として紳士らしく訪問していき、いじらしい盲目の娘が、つつましく彼と話をしたり、やさしく微笑んだりするのを眺めては、思慕の情を高じていた。が、恋というものは、仲々成らぬものである。彼は職を失った。その上に娘は病気になった。大切な恋人の病を癒す大金がいる。そこで彼は賞金目当てにボクシングに飛入りした。が、所詮は素人の小男の彼だった。リング上を修羅の如くに暴れ廻りはしたが、遂には彼は手痛く叩きのめされてしまった。絶望だった。暗い夜だった。彼はトボトボと街を歩いた。すると、その彼の目の前に現われたのは、酔っ払いの百万長者だった。この金持ちは酔うと、やア親友と、叫んでは浮浪者たる彼の首っ玉にも跳びつく癖のある男で、彼も幾度かその邸宅に引っ張られて夜を明かしたことがある、が、ただ残念なことには、酔いがさめると、もう全然酔中のことは忘れているということであった。で、金の探索に困り抜いていた彼は金持ちにこの由を相談すると、そこは大金持ちでその上に酔っていたので、金持ちは大いに気前よく彼を我家に招じたうえに金1千ドル也をポンと投げ与えた。が、間の悪い時には悪いもので、ここへ強盗が押し込んで来て、そこに活劇となり金持ちは叩きのめされた。で、正気に返ると金持ちはもう先刻の親友を認識してはいない。こいつは強盗の仲間だ、というので彼は弁解も聞き入れられず、罪もないのに捕まえられてしまった。が、でも、彼は、一寸した隙に1000ドル娘に届けることだけはできた。それから年は過ぎて、無実の刑に服した彼が、また町に出て来たとき、裟婆の風は冷たく彼を吹いた。むごく、わびしい人生だった。が、その彼はふと、ある花屋の前に立つと、その店内に、いそいそと立ち働くかつての盲目の恋人を見つけた。あの1000ドルで彼女は目も見えるようになったらしい。だが、それとは知らぬ娘は、いつまでも店の前に立っている彼を見て、これはお乞食さんだと思った。だが、気立てのいい彼女は、なにがしかの金を彼に恵んでやろうと、店から出てきた。そして金を彼の手中に押し入れた。が、そうして手に触ったとき、かつての記憶が呼びかえった。あなたでしたか.....。この言葉が娘の口から漏れたときは彼も娘も、もう千万無量の思い出、じっと顔と顔とを見合わせて突っ立っていた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2023年10月号

巻頭特集 恋愛以上の恋愛映画:Chapter02 あまりに特別な恋愛映画10本 「街の灯」

2023/10/04

2023/10/05

80点

テレビ/無料放送/TOKYO MX 


サイレントからの過渡期

ネタバレ

1920年代後半に始まったトーキー映画に反発していたチャップリンは、反面時代のトレンドに対し不安もあったようで本来サイレント映画の本作に音楽と音響を加えている。
その音楽もチャップリンの作曲で以後彼の作品ほとんどの音楽も担当し名曲を世に出している。
彼がトーキーに対して反発していたのは彼のパントマイムや誰にでもわかるアクションの単純な面白さに対する絶対的な自信から来たのだろうが、後の作品を見ると結果として音声も彼のテーマを伝えることに成功している。
ただアクションの映像の単純な面白さは同様だが音声によって彼の政治的メッセージがより明確になったことはその後の映画人生を大きく変えたことは明らかだ。
その過渡期の本作は、いつもの浮浪者チャーリーが格差の大きい大都会で浮いた存在として登場し、貧しい目の見えない花売り娘と自殺しようとした富豪の男との出会い、物語の骨格となる。
目の見えない花売り娘への恋心と彼女のお金持ちとしてのチャーリーに対する思慕はよく語られるところだが、自殺しようとした富豪の男との関係は余り語られない。
しかし本作の舞台である大都会での富豪の自殺願望(酔うとそうなる)が1929年に怒った大恐慌に関連していることは明らかで、命を助けられた(このシーンのギャグは教科書のようだ。)富豪がチャーリーに感謝し親友扱いをする。
ところが酔いがさめるとチャーリーのことを忘れ浮浪者扱いとする。
ここに富豪の2面性(表面的な理性と隠された親しみある感情、並びに資本家と裸の人間)が描かれ、チャーリーを翻弄する。
このタイプをアルコールを通じた関係として戯画化し、皮肉る。
一方で目の見えない花売り娘が目が見えるようになって、若く素敵な紳士が花を注文した後で、チャーリーが新聞売りの少年たちにいたずらされた後でみすぼらしい姿で再会する。
彼女はその浮浪者姿のチャーリーを恩人とはわかっていない。
ただ彼女を見つめ、好意が伝わる中で胸ポケットに挿していた花が散ってしまった様子を哀れんだ花屋の彼女が花を渡したとき手の感触と彼の「目が治ったんだね」というセリフで恩人だと気ずくのだ。
その時のチャーリーの喜ばしくも恥ずかし気な複雑な表情は、永遠にチャップリン映画のアイコンとなった。
ただそれは驚きと戸惑う娘の表情の後のシーンのため、今後二人はどうなるのだろうといらない予想もしてしまう、本作の微妙なエンデイングの印象となった。

2023/07/25

2023/07/25

70点

レンタル 


何度見ても面白い

何度見ても面白く笑ってしまうボクシング・シーン。そしてラストに涙。

2023/04/25

2023/04/25

90点

購入/DVD 


ハッピーエンドでありバッドエンドな傑作。

ネタバレ

恋愛ドラマの傑作。ファーストシーンから本筋のドラマに辿り着くまでがややもたつくが、それ以後は素晴らしい。盲目の花売り娘とチャーリーが初めて出会い、娘がチャーリーを金持ちと思い込む場面だけでも溜息が出る手際の良さで完璧。その後のチャーリーの献身ぶりが可笑しくも美しい。特に拳闘シーンは白眉で何度観ても笑える。ラスト、眼が見えるようになった娘とチャーリーの再会はハッピーエンドでありバッドエンドで凄いとしか言いようがない。

2022/11/06

2023/04/15

100点

映画館/東京都/角川シネマ有楽町 
字幕


映画史上の大傑作

ネタバレ

私が8才か9才くらいの頃(家を引っ越す前に観ているので、10才より前なのは間違いなく)に、テレビで観た「街の灯」がとても面白く、それ以来、チャップリンの作品がテレビでやると大抵観ていた。

それ以来、「街の灯」は何度も観ている。人の心の優しさも、そしてその後のチャーリーはどうしたのだろうと思わせるある種の残酷さも含めて、この作品は笑いを通じて人間というものを見事に描いていると思う。

本作はサイレント映画の形式で制作されながらも、最終的には音楽や音響効果を取り入れたサウンド版として制作された。

もともとの演出スタイルがサイレントであるため(チャップリンは当初、この作品をサイレントとして制作していた)、この作品は音がなくても伝わるように、その全てが映像だけでもわかるように、表現されている。

にも関わらず、この映画は効果音を取り入れたことで、その表現効果は倍増している。

笛を飲み込んだチャーリーがしゃっくりする度に笛がなる場面や、ボクシングシーンでゴングの音が何度もなる場面はその真骨頂。

だが、映像と音で全編楽しませたチャップリンは最後に見事な、しかも強烈な映像表現をつきつける。

ラスト、目が見えるようになり、大きな花屋を営む貧しかった花売り娘と、みすぼらしいいでたちのチャーリーの対比。

これはかなりすごい。視覚的にグサリとくる。そして感情的にグサリとくる。

だからこそヒロインが発した言葉、ただ一言の字幕「You」が心に刺さるのである。

この短い一言の単語を写した映像は決して忘れられない。

もはや字幕さえも映像表現の一部となっている。

このような映像表現、誰がチャップリン以外に成し得ようか。

さすがチャップリンである。さすが映画史上の巨人である。

本作は、チャップリンの数多ある傑作の中でも大変優れた、映画史上の偉大なる大傑作だと思う。

2023/02/12

2023/02/12

-点

映画館/千葉県/キネマ旬報シアター(旧TKPシアター柏) 


しょっぱなから笑わせてくれて最後は優しい気持ちに

最初の、チャップリンが登場する前の演説の面白さから期待が高まる中、期待を裏切らない登場とたたみかけるギャグですっかりつかまれました。途中、ボクシングのシーンは繰り返しが多かったり、お金は結局お金持ち頼りなのねーと思うところはありましたが、基本、ずっと笑顔で観ていられて、最後は、眼の見えるようになった彼女が手を触って彼に気付く憎い演出と、気付いてもらえた彼の、恥ずかしさと嬉しさが入り混じった表情にほっこりしました。余談ですが、石けんを食べちゃって怒ってる人が口からシャボン玉を出しながら小言を言うギャグはこの作品で観れました笑

2023/01/22

2023/01/22

51点

映画館/兵庫県/シネ・リーブル神戸 
字幕


品位

まんまと笑い泣かされた。