オープニングは、娘の結婚披露宴のためのドタバタから始まり、母と娘、その友人(女性)たち特に美容室での女ならではの会話がアメリカの地方の中流階級の家庭を描く様は、よくある話で少し飽きかけてきたところで嫁ぐ娘に重い疾患(糖尿病)があることがわかる。幸福な中にも出産することが大きなリスクとなることを承知で出産する。それが負担となり、娘が腎不全を救うため、母親が自分の腎臓を提供し、手術も成功するのだが。
信心深い美容師の結婚や妊娠、ヒネクレ者の恋の再燃といった登場する女性のエピソードを織り交ぜながら、娘は幼い息子を世話している途中で昏睡状態となる。植物人間と化した娘の覚醒を願ってつきっきりの母。しかしやがて生命維持装置を外す決断を夫がして、娘は死んでいく。母は夫や父が娘の死んでいく様を正視できない中で娘の復活を信じつつあるいは死を見送りながら娘の手を握りしめ続ける。母の娘に対する強い愛を痛切に感じるシーンだ。
Sフィールドは、相変わらずうまいし、周りの女優陣(特に美容室を経営するDパートンがいい感じ)も好演している。
単なるお涙頂戴ではなく、母娘を中心としながらもたくましく愉快な女性陣の悲喜劇を巧みに描いた佳作だった。