タレンタイム 優しい歌

たれんたいむやさしいうた|----|TALENTIME

タレンタイム 優しい歌

レビューの数

73

平均評点

80.5(261人)

観たひと

359

観たいひと

68

(C) Primeworks Studios Sdn Bhd

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ラブロマンス / ドラマ
製作国 マレーシア
製作年 2009
公開年月日 2017/3/25
上映時間 120分
製作会社
配給 ムヴィオラ
レイティング
カラー カラー
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

予告編 ▲ 閉じる▼ もっと見る

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2009年に亡くなったマレーシアの女性監督ヤスミン・アフマドの遺作を、製作から8年を経て劇場公開。ピアノの上手な女子学生、二胡を演奏する優等生など高校生たちが、宗教や民族の違いによる葛藤を抱えながら、音楽コンクール“タレンタイム”を目指す。ドビュッシーの『月の光』、バッハの『ゴールドベルク変奏曲』などのクラシックに加え、マレーシアの人気アーティスト、ピート・テオが作曲したオリジナル曲など、多彩な音楽が物語を彩る。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

ある高校で、音楽コンクール“タレンタイム”が開催される。ピアノの上手な女子学生ムルーは、耳の聞こえないマヘシュと恋に落ちる。二胡を演奏する優等生カーホウは、成績優秀で歌もギターも上手な転入生のハフィズに成績トップの座を奪われ、わだかまりを感じている。そして、マヘシュの叔父の身に降りかかる悲劇。ムルーとの交際に強く反対するマヘシュの母。闘病を続けるハフィズの母……。マレー系、インド系、中国系……。民族や宗教の違いによる葛藤を抱えながら、彼らはいよいよコンクール当日を迎える……。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2017年4月上旬号

「タレンタイム~優しい歌」:インタビュー 杉野希妃 ヤスミンが描きたかったものが凝縮された作品

「タレンタイム~優しい歌」:インタビュー ピート・テオ ヤスミンとの約束「今後10作の音楽を書いてね」

UPCOMING 新作紹介:「タレンタイム~優しい歌」

REVIEW 日本映画&外国映画:「タレンタイム~優しい歌」

2023/07/03

2023/07/04

70点

テレビ/無料放送 
字幕


退屈だった・・

う~ん、何も前情報なしに鑑賞したので、ホント退屈だった。宗教や民族の違い、それぞれの家庭の抱える問題などなど。伝えたいメッセージは分かるけれど、表現の仕方がどうなのかなぁと感じた。役者の演技について、そこは違うでしょという場面が多くあったような気がする。

2023/02/15

2023/02/15

70点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 
字幕

じんわりと染み入るいい作品だとは思います。
ただ、評価点や他のレビューに現れているほどの傑作か、と言われると私には文化背景や見識が足りないせいか、そこまで忖度なしに心の底までピンと来るものではなかったかな、というところはあります。
マレーシアという民族や宗教の背景、国としての多様性、そういうものに造詣が深い人ならいやおうなしにグッとくるのかなと思いますが、如何せん狭い視野で生きてきた無宗教の私から見てみると、宗教の違いで結ばれるのが難しい事も、諍いが起こることも、あくまで他国の事として俯瞰的に感じるのが限界なので、あー、こういう事があるんだな、という視点で見るのが精一杯。

といっても、映画としては、タレンタイムという単なる学校行事のようなものをベースとして様々な家族の問題を自然に取り入れていてとてもよく出来ているし、使われている歌や音楽はそれだけでグっとくるような力があり、とても良い。
ラストの弾き語りと、ライバル視していたクラスメイトが二胡で合奏してくるシーンは、楽器と歌の力でそこだけで涙してしまえるような力がありました。

セリフも、聞いたことありそうでなかったような素敵な言い回しや、家族のストレートな愛情表現、ちょっとしたコメディ感など、良いシーンが沢山。
公園でムルーとマヘシュが並んで座っている先に現れるのが、シャボン玉をふきながら戯れる裸の子供たち、という構図は今までに見た事がない不思議な美しさがあったり、本来青春群像劇というと、若かりし世代の燻った鬱々としたものや、赤裸々なものが多くてあまり好きなジャンルではないのですが、この作品は青春群像劇と言うにもふさわしいみずみずしい感じがあり、良いと思います。

強いていえば、マレーシアの映画製作の問題なのか、画質があまり鮮明ではなく、2009年というよりは1980年代っぽい画質なので少々古さを感じます。
あとは、うまく色んな事を絡めているけれど、絡めすぎて必要だったのかな、というシーンも時折あったような。
タレンタイムを牛耳る大柄の先生に、別の先生が唐突に告白して振られるシーンとか、宗教の違いだけでも十分に問題提起になる2人の恋愛関係が、何故聴覚障害まで入れなければならなかったのかとか、ハフィズを敵対視していた彼が、何故急にラストで気が変わったのかとか、マヘシュの母親が随分と子供っぽい所とか、ツッコミ所もないわけではないし、いらないのでは?というシーンやもうちょい丁寧に描いてもいいのでは?というシーンもありましたが、見る側に委ねられてる部分も結構ありましたね。
病床の母を演じる女優さんが、マレーシアの大女優さんで、ほんとに病床にいながらにしてこの役を演じたらしいので、そういう細かいところも含めてマレーシア文化なども調べてみればより良さがわかる作品ではあるなと思いますが、なんの予備知識もなしに見て全てを理解し、心底共感出来る映画か、と言われると自分にはそこまでのバックボーンはないので、補完知識が必要な映画だと思います。

2022/09/10

2022/09/10

85点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 
字幕


優しい歌

ネタバレ

 優しい歌、と日本語の副題があるように、流れる音楽がどれも優しさに包まれているようでとても良かった。“I go”も“Angel”も。“月の光(ドビュッシー)”も。

 音楽がこの物語の重要な役割も果たしている、ムルーがマヘシュが自分の思いを伝える所での“Angel”。それから、亡き母への思いを歌い上げるハフィズの“I go”も。様々な困難を受け入れてきたメイリンの弾く“月の光”も。

 また、イスラム教系のムルーとヒンドゥー教系のマヘシュの間に宗教の違いが障壁となって来るし、マヘシュの叔父ガネーシュのかつての恋人も宗教の違いで別れざるを得なかったし、ガネーシュは婚礼で宗教間の違いから、命を落とすことになってしまう。

 唐突な感じがするが、このマレーシアでは民族や宗教の違う人たちの葛藤や混乱の大きさを感じさせた。

 ハフィズの母の病気とその顛末も彼には辛すぎる展開だけれども、それを癒そうとするような展開だった。

 所々唐突の編集でちょっとついて行けない所があったけれども、全体として、越えられない宗教や運命があったとしてもそれを受け入れようとする映画だと思った。

 初めてのヤスミン・アフマド監督の映画、良かったと思う。

2022/08/14

2022/08/15

70点

映画館/千葉県/キネマ旬報シアター(旧TKPシアター柏) 


映画館で三回目

色々なところを解って観ると、あちこちに伏線は散りばめられ。物語は解って観ていても、解っていて観ても、だからこそ泣けてしまう。
宗教的に偶像崇拝出来ないから車椅子の男に天使を重ねるとか、いわゆる民族間格差の問題をカンニング問題に絡めるとか、宗教差別や雇主と召使への侮蔑とか…、それらをさらっと扱うのでマレーシアを理解する事が映画鑑賞に直截するので、その辺にも興味を持つべきだし、そんな解説トークショー付きの上映を映画館にはして欲しい。
三回目で理解が進み、病身の母親役の女優は実際病身で寝たままで演じられるキャラクターとして作られ、実際に学生の子供がいたとか。映画館での三回目であちこちに泣いた。
チラチラと見えている壁を優しく乗り越えていく和解と癒しの物語。

2022/07/30

2022/07/30

100点

映画館/東京都/シアター・イメージフォーラム 
字幕


追悼、アディバ・ヌール

約1年ぶりのタレンタイム。校長先生役のアディバ・ヌール追悼上映。上映するって知った時から無条件に観ることを決めていたが、相方が休みだったため、タレンタイム初鑑賞となる相方を連れて観ることになった。

今回も冒頭の「月の光」が流れたら、一気にアドレナリンが出てきた感じ。

恋心、家族への思い、身近な人の死など、中高生の頃には思考の半分以上を占めていただろうティーン達の想いをとても丁寧に一つの作品に納めたヤスミン・アフマドの傑作。そこに若い頃ならあまりピンと来なかったかもしれない民族・宗教の違いによる偏見と調和を上手くミックスさせて極上の作品に仕上げている。

入院中のハフェズのお母さん、車椅子の男からイチゴ(多分、あの世に行くための通過証、またはこれ以上苦しまずに行ける薬かな)を渡された時、少し躊躇うんだね。
私には子供はいないが、そうだよなぁ、ホントにこれで思い残しがないか悩むよなぁ、と深く考えてしまった。遠くない将来に私にも訪れるであろう場面が前回以上に印象的。

観るたびにまだまだ新しい発見がありそうだ。
ほぼ全編で、涙腺がちょい漏れしているような状況でした。観るにつれムルーのイギリス人のお婆さんが笑いのツボになってもいるが…。

相方さんも珍しく泣いたみたいで、掃除の準備をした状態で家を出たが、結局昼から渋谷で呑んで映画や東南アジアなどについてあれこれ話をしてしまったよ。

2022/07/24

2022/07/25

100点

選択しない 


生涯の一本

ムルーとマヘシュ二人の恋愛にマヘシュの叔父の人生、ハフィズと入院している母との愛情など様々な愛の形が表現されています。時にコミカルなエピソードを挟みながら見事に表現された愛の形に何度観ても感涙。生涯大切にしたい映画。