ただ自分の為だけに生きて来た衣笠幸夫(本木雅弘)。 20年連れ添った夏子(深津絵里)は妻と言うより、ただの同居人となっていた様です。 それでも旅行に出かける朝、出発前の忙しい時間に衣笠の散髪をしてあげています。 更にはキャリーケースを引いて一旦部屋を出ますが、態々引き返してきて「後片付けはお願いね」と念を押して出て行きます。 今思えば、こう言うのを虫の知らせと言うのかなと思いました。 後片付けと言う言葉も意味深に思えました。
夏子が亡くなった後も世間の評価ばかり気にしている衣笠ですが、夏子と一緒に亡くなったゆき(堀内敬子)の家族と触れ合う事で家族の大切さを知り、「愛してない ひとかけらも」と思われながらも、自分の為に尽くしてくれた夏子の死に向かい合うために、動き始めた衣笠幸夫の物語、の様に受け止めましたが、ただ遺品整理をしただけにも思えましたし、正直良く解りません。
ただ、子役も含めてキャストの皆さんが良い仕事をしてくれているので、自然と画面に吸い込まれます。 助演女優賞は白鳥玉季(灯)ちゃんですかね。