・「インターステラー」「ゼログラビティ」「アポロ13」に次ぐ宇宙サバイブ映画の傑作 7年ぶりの再見であったが大満足のエンターテイメント
・火星に一人残されたワトニーの知恵を絞ったサバイバル術がワクワクさせる 排泄物まで駆使したジャガイモ栽培の食料の確保、過去の探査衛星パスファインダーカメラを使った16進法連絡術、カメラに残す記録映像 彼の生きる執念が観客まで前向きにさせてくれる
・艦長が好きなディスコミュージックが実に効果的 サバイバル物のヒリヒリする展開の中で「ホットスタッフ」や「スターマン」などが前向きさと楽しさと高揚感を与える見事な選曲 同時期の「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」に通じる
・強引な面は否めないものの、最後のヘルメスによるワトニー救出場面は上がる ヘルメスの乗員たちの絆を描き、家族との交信で人柄を掘り下げる 艦長を含め魅力的
・長時間にわたる時間の経過をあっさり表現している所も好感 MAVへの移動の4か月、ヘルメスがスイングバイした後の7か月、最後の救出後から地球への帰還 テンポがたまらなく良い
・当初はマッチョなマットデイモン 中盤、ジャガイモ栽培が出来なくなった後の激やせ描写も説得力を増す
・本作の宇宙船ヘルメスの造形がたまらない 外周部に回る重力室に向かうために中央の無重力部分から外周部に行く際に、足先から降りていき途中から梯子を滑り落ちる表現はものすごくかっこいい 基本的に宇宙船が好きだが、ヘルメスの説得力が良かった
・何もない火星 砂と岩だけで広がる空間、前半の巨大嵐の描写に圧倒される
・ヘルメス女性乗員にルーニーマーラの姉が びっくり
・残念な部分はやっぱり中国資本に忖度した展開 中国のロケットを登場させるために最初の補給船を失敗させる ヘルメスのスイングバイを前提にして補給船のみでも十分通じる展開 この展開のせいで余分に15分ぐらいかかっている とっても気になる
・地球上のNASA周りに結構な時間を割いているが、もう少しシンプルでも良い 「ゼログラビティ」ぐら思い切った方が良かった
・最後の救出場面において、ヘルメスを爆破し空気を押し出すことによる推進力確保作戦 ここだけは飛躍していて違和感 「インターステラー」や「ゼログラビティ」の説得力には劣る